高校化学の問題演習
多糖類
※金沢大学の入試問題です。
※入力は次の指示にしたがってください。
- 入力は、数字とアルファベット、ハイフン(-)は半角で入力し、それ以外は全角で入力すること。
- ギリシア文字は小文字のほうを入力すること。
- 化学式で下付き数字を使う場合は、たとえばH2OならH2Oのように、そのまま入力すること。
次の文章を読み、問1~問3に答えなさい。
デンプンは植物の貯蔵多糖類で分子式 1 で表される。ヒトはデンプンを食物として摂取し、唾液中の酵素 2 によって段階的に加水分解し、多糖類の 3 を経て、二糖類の 4 にする。そして、小腸で酵素 5 によりモノマーであるグルコースに分解し吸収する。過剰になったグルコースはグリコーゲンというポリマーとして細胞内に貯蔵される。デンプンは熱水に可溶な 6 と熱水にとけにくい 7 の2種の成分から成り立っている。 6 は立体的に 8 構造を形成し、 7 は 9 を持つ 8 構造を形成している。グリコーゲンの立体構造は 7 に似ているが 9 がはるかに多い。セルロースは 10 が直鎖状に縮合しており、 8 構造を形成していない。セルロースは酵素 11 によって二糖類の 12 に加水分解され、酵素セロビアーゼによってグルコースに分解される。ヒトはこれらの酵素を持たないのでセルロースを栄養源として利用できないが、日常生活で天然植物性繊維や再生繊維の主原料として広範囲に活用している。
問1 以下の(1)および(2)の問いに答えなさい。
(1) 1 ~ 12 に最も適切な語句または分子式を記入しなさい。
(2)糖の検出に用いられるヨウ素およびフェーリング液の反応について、次の表の13~20欄は(ア)呈色する、(イ)呈色しない、のいずれかに該当する。13~20にそれぞれ記号で答えなさい。(全角カタカナのみ入力すること)
問2 糖の呈色反応において、フェーリング液の色はどのように変化するか。また、その原因は何か。60字以内で記入しなさい。
問3 以下の(1)および(2)の問いに答えなさい。(原子量:$\ce{H}$ = 1.0,$\ce{C}$ = 12.0,$\ce{O}$ = 16.0)
(1)デンプン500gを加水分解するとき生成されるグルコースの質量は何gか、有効数字2桁で求めなさい。計算過程も示しなさい。
(2)(1)で得たグルコースをチマーゼで発酵させたときに生成される2つの物質名を答えなさい。また、それぞれの質量は何gとなるか、有効数字2桁で求めなさい。計算過程も示しなさい。
ケイ素とその化合物
※立命館大学の入試問題です。
次の文章を読み、〔1〕~〔7〕の問いに答えよ。ただし、必要に応じて、以下の値を用いよ。
原子量:$\ce{H}$ = 1.0,$\ce{C}$ = 12.0,$\ce{O}$ = 16.0,$\ce{Na}$ = 23.0,$\ce{Si}$ = 28.0
ケイ素は、岩石や鉱物の成分元素として、地殻中に酸素に次いで多量に存在している。単体ケイ素は、天然には存在せず、二酸化ケイ素をコークスで還元してつくられる。ケイ素の結晶は、 あ 結合からなる結晶で、 A 色の金属光沢で、 い の原料であり、IC(集積回路)や太陽電池などに用いられている。
二酸化ケイ素は鉱物の石英として岩石中に含まれ、大きな結晶は水晶、砂状のものはけい砂と呼ばれる。また、二酸化ケイ素は融点が高い安定な化合物で塩酸など強酸にも侵されないので、試験管やフラスコなど実験器具の材料としても用いられる。しかし、(a)フッ化水素酸にはヘキサフルオロケイ酸を生じて溶ける。二酸化ケイ素は う 酸化物であり、(b)炭酸ナトリウムとともに熱するとケイ酸ナトリウムが得られる。ケイ酸ナトリウムを水中で熱すると、 ア という粘性の高い液体が得られる。 ア に塩酸を加えると B 色ゲル状の(c)ケイ酸が得られ、さらに熱して脱水すると、乾燥剤・吸着剤として利用される イ が得られる。
〔1〕文章中の あ および い について、最も適当な語句を下の選択肢の中から選び、その番号を答えよ。(半角数字で入力すること)
① イオン ② 共有
③ 金属 ④ 水素
⑤ 配位
⑥ 異性体
⑦ 絶縁体 ⑧ 伝導体
⑨ 同位体 ⑩ 半導体
〔2〕文章中の う について、最も適当な語句を下の選択肢の中から選び、その番号を答えよ。(半角数字で入力すること)
① 酸性 ② 塩基性 ③ 両性
〔3〕文章中の A および B について、最も適当な語句を下の選択肢の中から選び、その番号を答えよ。(半角数字で入力すること)
① 白 ② 黒 ③ 灰
④ 赤 ⑤ 黄
〔4〕文章中の下線部(a)で起きる反応を化学反応式で、記入せよ。(矢印以外はすべて半角で入力すること。化学式については、たとえば、CO2はCO2などのように、原子数の数字はそのまま元素記号の後に入力すること。)
〔5〕下線部(b)の反応において、21.2gの炭酸ナトリウムがすべて二酸化ケイ素と反応したときに、発生する気体は何か、その気体名を記入せよ。また、発生した気体は標準状態で何Lか、その数値を有効数字2桁で記入せよ。(気体名は全角のみで、体積は半角のみで入力すること)
〔6〕文章中の ア および イ に、あてはまる語句を記入せよ。(全角のみで入力すること)
〔7〕下線部(c)のケイ酸の組成は一般に$\ce{SiO2・{$ n $}H2O}$で表される。あるケイ酸を分析したところ、ケイ素の含有率は35.9%であった。このケイ酸の$n$の値を整数で求めて、記入せよ。(半角数字で入力すること)
塩の種類と反応
※( )内の年度のセンター試験の問題を参考に作られています。(答えはすべて半角数字で入力すること)
問1 ある塩の水溶液を青色リトマス紙に1滴たらすと、リトマス紙は赤色に変色した。この塩として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。
(2010(平成22))
① $\ce{CaCl2}$ ② $\ce{Na2SO4}$ ③ $\ce{Na2CO3}$
④ $\ce{NH4Cl}$ ⑤ $\ce{KNO3}$
問2 炭酸カルシウムと希塩酸をふたまた試験管中で反応させ、気体を発生させる。この実験を行うとき、図2に示すふたまた試験管の使い方(ア・イ)、図3に示す気体捕集法(ウ・エ)、およびこの実験で発生した気体を石灰水に通じたときの石灰水の変化の組合せとして最も適当なものを、下の①~⑧のうちから一つ選べ。ただし、図中のAとBの部分をゴム管で連結する。
(2016(平成28))
ふたまた試験管の使い方 |
気体捕集法 |
石灰水の変化 |
|
① |
ア |
ウ |
白濁する |
② |
ア |
ウ |
変化しない |
③ |
ア |
エ |
白濁する |
④ |
ア |
エ |
変化しない |
⑤ |
イ |
ウ |
白濁する |
⑥ |
イ |
ウ |
変化しない |
⑦ |
イ |
エ |
白濁する |
⑧ |
イ |
エ |
変化しない |
問3 図1は、アンモニアの発生装置および上方置換による捕集装置を示している。この実験に関する記述として誤りを含むものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。
(2008(平成20))
① アンモニアを集めた丸底フラスコ内に、湿らせた赤色リトマス紙を入れると、リトマス紙は青色になった。
② アンモニアを集めた丸底フラスコの口に、濃塩酸をつけたガラス棒を近づけると、白煙が生じた。
③ 水酸化カルシウムの代わりに硫酸カルシウムを用いると、アンモニアがより激しく発生した。
④ ソーダ石灰は、発生した気体から水分を除くために用いている。
⑤ アンモニア発生の反応が終了した後、試験管内には固体が残った。
物質の分離と精製
※( )内の年度のセンター試験の問題を参考に作られています。(答えはすべて半角数字で入力すること)
問1 物質を分離する操作に関する記述として下線部が正しいものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。
(2016(平成28))
① 溶媒に対する溶けやすさの差を利用して、混合物から特定の物質を溶媒に溶かして分離する操作を抽出という。
② 沸点の差を利用して、液体の混合物から成分を分離する操作を昇華法(昇華)という。
③ 固体と液体の混合物から、ろ紙などを用いて固体を分離する操作を再結晶という。
④ 不純物を含む固体を溶媒に溶かし、温度によって溶解度が異なることを利用して、より純粋な物質を析出させ分離する操作をろ過という。
⑤ 固体の混合物を加熱して、固体から直接気体になる成分を冷却して分離する操作を蒸留という。
問2 物質の分離・精製法に関する記述として不適切なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。
(2006(平成18))
① ヨウ素とヨウ化カリウムの混合物から、昇華を利用してヨウ素を取り出す。
② 食塩水を電気分解して、塩化ナトリウムを取り出す。
③ 液体空気を分留して、酸素と窒素をそれぞれ取り出す。
④ インクに含まれる複数の色素を、クロマトグラフィーによりそれぞれ分離する。
⑤ 大豆中の油脂を、ヘキサンなどの有機溶媒で抽出して取り出す。
問3 実験室で合成した酢酸エチルを精製するために図1の蒸留装置を組み立てた。点線で囲んだ部分A~Cに関する記述ア~キについて、正しいものの組合せとして最も適当なものを、次の①~⑧のうちから一つ選べ。
(2005(平成17))
〔部分A〕
沸騰石を入れているのは、
ア フラスコ内の液体の突沸を防ぐためである。
イ フラスコ内の液体の温度を速く上げるためである。
〔部分B〕
蒸留されて出てくる成分の沸点を正しく確認するために、
ウ 温度計の最下端を液中に入れる。
エ 温度計の最下端を液面のすぐ近くまで下げる。
オ 温度計の最下端を枝管の付け根の高さまで上げる。
〔部分C〕
冷却水を流す方向は、
カ 矢印の方向でよい。
キ 矢印の方向とは逆にする。
A |
B |
C |
|
① |
ア |
ウ |
カ |
② |
ア |
エ |
キ |
③ |
ア |
オ |
カ |
④ |
ア |
オ |
キ |
⑤ |
イ |
ウ |
カ |
⑥ |
イ |
ウ |
キ |
⑦ |
イ |
エ |
カ |
⑧ |
イ |
オ |
キ |
油脂とセッケン
※( )内の年度のセンター試験の問題を参考に作られています。(答えはすべて半角数字で入力すること)
問1 油脂およびセッケンに関する記述として誤りを含むものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。
(2010(平成22))
① 構成脂肪酸として不飽和脂肪酸を多く含む常温で液体の油脂は、触媒を用いて水素を付加させると、融点が高くなって常温で固体になる。
② 油脂に十分な量の水酸化ナトリウム水溶液を加えて加熱すると、グリセリンと脂肪酸ナトリウムが生成する。
③ セッケンを水に溶かすと、その水溶液は弱酸性を示す。
④ セッケン水に食用油を加えてよく振り混ぜると、乳化する。
⑤ セッケン水に塩化カルシウム水溶液を加えると、沈殿が生じる。
問2 1種類の不飽和脂肪酸($\ce{RCOOH}$,$\ce{R}$は鎖状の炭化水素基)からなる油脂A\( 5.00×10^{-2} \)molに水素を反応させ、飽和脂肪酸のみからなる油脂を得た。このとき消費された水素は0℃,\( 1.013×10^5 \)Paで6.72Lであった。この油脂A中の$\ce{R}$の化学式として最も適当なものを、下の①~⑤のうちから一つ選べ。
(2016(平成28))
① $\ce{C15H31}$ ② $\ce{C15H29}$ ③ $\ce{C17H33}$
④ $\ce{C17H31}$ ⑤ $\ce{C17H29}$
問3 界面活性剤に関する次の実験Ⅰ・Ⅱについて、下の問い(a・b)に答えよ。
(2017(平成29))
実験Ⅰ ビーカーにヤシ油(油脂)をとり、水酸化ナトリウム水溶液とエタノールを加えた後、均一な溶液になるまで温水中で加熱した。この溶液を飽和食塩水に注ぎよく混ぜると、固体が生じた。この固体をろ過により分離し、乾燥した。
実験Ⅱ 実験Ⅰで得られた固体の0.5%水溶液5mLを、試験管アに入れた。これとは別に、硫酸ドデシルナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム)の0.5%水溶液を5mLつくり、試験管イに入れた。試験管ア・イのそれぞれに1mol/Lの塩化カルシウム水溶液を1mLずつ加え、試験管内の様子を観察した。
a 実験Ⅰで飽和食塩水に溶液を注いだときに固体が生じたのは、どのような反応あるいは現象か。最も適当なものを、次の①~⑥のうちから一つ選べ。
① 中和 ② 水和 ③ けん化
④ 乳化 ⑤ 浸透 ⑥ 塩析
b 実験Ⅱで観察された試験管ア・イ内の様子の組合せとして最も適当なものを、次の①~⑥のうちから一つ選べ。
試験管ア内の様子 |
試験管イ内の様子 |
|
① | 均一な溶液であった |
油状物質が浮いた |
② | 均一な溶液であった |
白濁した |
③ | 油状物質が浮いた |
均一な溶液であった |
④ | 油状物質が浮いた |
白濁した |
⑤ | 白濁した |
均一な溶液であった |
⑥ | 白濁した |
油状物質が浮いた |