中学・高校の問題演習ができるホームページ

タイトルページにもどる

高校生物目次ページにもどる

高校生物の問題演習

細胞小器官

※大阪教育大学の入試問題を参考に作られています。

細胞の大きさと構造に関する次の文を読み、問1~4に答えよ。

細胞の大きさは生物の種類によって、また同じ生物でもからだの部位によって異なっている。大きい細胞には直径25mmほどのニワトリの卵細胞があり、肉眼で見ることができる。一方、小さい細胞としては直径1μmほどのブドウ球菌が知られており、光学顕微鏡で見ることができる限界に近い大きさである。

細胞にはさまざまな構造体がある。どの構造体が存在するかどうかは生物によって違いがあり、たとえば、ヒト・タマネギ・大腸菌では表のようになる。

高校 生物 問題演習 ヒト・タマネギ・大腸菌の細胞に存在する細胞小器官の違い

問1 下線部について、ヒト細胞の大きさの順を正確に示しているものを下の選択肢から選び、その番号を記せ。(半角数字で入力すること)

1.肝細胞>卵細胞>赤血球
2.肝細胞>赤血球>卵細胞
3.卵細胞>肝細胞>赤血球
4.卵細胞>赤血球>肝細胞
5.赤血球>肝細胞>卵細胞
6.赤血球>卵細胞>肝細胞

問2    ウ   にあてはまる構造体を3種類記せ。

問3 タマネギにおける   エ   を構成する主成分を答えよ。(全角で入力すること)

問4    オ   の働きを述べよ。

解答・解説はこちら

ヒトの聴覚器と聴覚

※2014(平成26)年のセンター試験の問題です。(答えはすべて半角数字で入力すること)

動物における刺激の受容に関する次の文章を読み、下の問い(問1~3)に答えよ。

音の刺激による感覚を聴覚といい、ヒトの耳には、音の刺激を受け取る聴覚器としてのはたらきと、平衡感覚器としてのはたらきとがある。

聴覚器としてはたらく場合、音はまず耳殻で集められ、外耳道を通り、鼓膜を振動させる。その振動は、耳小骨によって増幅され、内耳に伝えられる。この振動がリンパ液を伝わって基底膜を振動させると、基底膜の上にある   イ   の聴細胞が刺激される。また、耳管(エウスタキオ管、ユースタキー管)には、鼓膜内外の圧力差を生じなくさせ、音を伝えやすくするしくみが備わっている。

一方、平衡感覚器としては、前庭ぜんていと半規管がはたらく。前庭には、感覚毛をもった感覚細胞があり、体が   ウ   すると、前庭の中の   エ   が動いて感覚細胞が刺激され、それにより体の   ウ   を感知することができる。また、半規管にも感覚細胞がある。体が   オ   すると、半規管の中の   カ   が動き、体の   オ   を感知することができる。

問1 下線部アに関連する記述として誤っているものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。

① 音波が伝わってくると、聴細胞の毛が動かされ、聴細胞が興奮する。
② 聴細胞に生じた興奮が、聴神経を経て大脳に伝わる。
③ 聴覚の中枢は、大脳の髄質(白質)にある。
④ 音の高低の違いにより、異なる部位の基底膜が振動する。
⑤ 適刺激となる音の振動数の範囲は、動物によって異なることがある。

問2 ヒトの耳の構造を次の図1に示した。耳管および前庭を示す記号の組合せとして最も適当なものを、下の①~⑧のうちから一つ選べ。

高校 生物 問題演習 ヒトの耳の構造図  

耳管

前庭

耳管

前庭

b

a

b

e

c

a

c

e

d

a

d

e

f

a

f

e

問3 上の文章中の   イ      カ   に入る語の組合せとして最も適当なものを、次の①~⑧のうちから一つ選べ。

 

鼓室階 傾斜 平衡石(耳石) 回転 リンパ液
鼓室階 傾斜 リンパ液 回転 平衡石(耳石)
鼓室階 回転 平衡石(耳石) 傾斜 リンパ液
鼓室階 回転 リンパ液 傾斜 平衡石(耳石)
コルチ器 傾斜 平衡石(耳石) 回転 リンパ液
コルチ器 傾斜 リンパ液 回転 平衡石(耳石)
コルチ器 回転 平衡石(耳石) 傾斜 リンパ液
コルチ器 回転 リンパ液 傾斜 平衡石(耳石)

解答・解説はこちら

腎臓の構造と機能

※2013(平成25)年のセンター試験の問題を参考に作られています。(答えはすべて半角数字で入力すること)

動物の内部環境の調節に関する次の文章を読み、下の問い(問1~3)に答えよ。

ブタの腎臓じんぞうは、ヒトの腎臓と、大きさも構造もよく似ている。ブタの腎臓の外形を観察したところ、次の図1のように、中央部付近に3本の管(管a~c)がみられた。それぞれの内部を観察したところ、管aと管bには血液が付着していたが、管cには付着していなかった。また、管aと管bの切断面の壁の厚さを観察したところ、管aは管bより厚かった。次に、腎臓内部の血管の構造を観察するため、墨汁を管aから注入した。腎臓を縦に切り開いたところ、表層に近い部分(皮質)に、黒色の点が多数みられた。この黒色の点を含む部分の切片をつくり、顕微鏡を用いて観察したところ、次の図2のように黒色の球状の構造がみられた。この観察から、黒色の点は   イ   であると判断した。   イ   は、血管X中を流れてきた血液からの原尿の生成にかかわっている。原尿の大部分は毛細血管Yに再吸収され、残りは濃縮されて尿になる

高校 生物 問題演習 ブタの腎臓の外形と腎臓の切片の観察像 高校 生物 問題演習 ブタの腎臓の外形と腎臓の切片の観察像

問1 下線部アに関して、管a~cの名称の組合せとして最も適当なものを、次の①~⑥のうちから一つ選べ。

管a

管b

管c

腎動脈

腎静脈

腎細管(細尿管)

腎動脈

腎静脈

集合管

腎動脈

腎静脈

輪尿管

腎静脈

腎動脈

腎細管(細尿管)

腎静脈

腎動脈

集合管

腎静脈

腎動脈

輪尿管

問2 上の文章中の   イ   に入る語として最も適当なものを、次の①~⑥のうちから一つ選べ。

① 腎う   ② 腎節
③ 副腎   ④ ボーマンのう
⑤ 糸球体   ⑥ 腎単位(ネフロン)

問3 下線部ウに関連して、ヒトの腎臓における尿生成に関する次の記述エ~ケのうち、正しいものの組合せとして最も適当なものを、下の①~⑨のうちから一つ選べ。

エ タンパク質は、原尿に含まれているが、毛細血管に再吸収されるため、尿中には排出されない。
オ タンパク質は、原尿に含まれているが、毛細血管に再吸収されないため、尿中に排出される。
カ タンパク質は、原尿に含まれていないので、尿中には排出されない。
キ グルコースは、原尿に含まれているが、毛細血管に再吸収されるため、尿中には排出されない。
ク グルコースは、原尿に含まれているが、毛細血管に再吸収されないため、尿中に排出される。
ケ グルコースは、原尿に含まれていないので、尿中には排出されない。

① エ,キ   ② エ,ク   ③ エ,ケ
④ オ,キ   ⑤ オ,ク   ⑥ オ,ケ
⑦ カ,キ   ⑧ カ,ク   ⑨ カ,ケ

解答・解説はこちら

細胞骨格とモータータンパク質

※筑波大学の入試問題を参考に作られています。

次の文章を読み、以下の問に答えよ。

細胞運動にはたらく細胞骨格は、繊維状に重合したタンパク質とそれに作用する(a)モータータンパク質から構成される。たとえば、筋運動は(b)アクチンフィラメントとミオシン(モータータンパク質の一種)からなるフィラメントの間で滑り運動が起きることで生じる。また、(c)精子のべん毛運動は、チューブリンが重合して形成された微小管にダイニン(モータータンパク質の一種)が作用して、微小管が周期的に屈曲することにより生じる。細胞骨格は、細胞内の物質輸送においても重要な役割を担う。

神経細胞(ニューロン)は、複雑に枝分かれした樹状突起と細長い軸索が、核を含む細胞体から突き出した形状をとる。ニューロンによっては、軸索の長さが1メートルにも達するものがある。ニューロンにおいてリボソームは細胞体にあり、軸索や神経終末にはない。軸索内には、微小管が軸索の長軸方向に平行に分布しており、この上をミトコンドリアや(d)リソソームなどの細胞小器官や小胞膜、およびタンパク質などの生体分子が運搬される。これを軸索輸送という。細胞体から神経終末に向かう軸索輸送を順行輸送、それと反対方向の軸索輸送を逆行輸送とよび、どちらもニューロンの細胞機能を発現・維持するために欠かせない。これらの軸索輸送には、ダイニンやキネシン(微小管に作用するモータータンパク質の一種)がはたらく。キネシンによる微小管上の輸送方向は、ダイニンによる輸送方向と逆である。軸索輸送にはたらくモータータンパク質と輸送される細胞小器官の関係を調べるために、以下の実験をおこなった。

[実験] マウスのニューロンの軸索を、図1に示すように太い矢印の部分において糸で縛り、物質輸送を抑制した。数時間後、この部分に近接する細胞体側(A)と神経終末側(B)、およびそれらと離れた領域(CとD)において、細胞小器官とモータータンパク質の存在量について調べた。

高校 生物 問題演習 モータータンパク質の存在量を調べるための実験における軸索の図

[結果] ミトコンドリアはCやDと比べてAとBの両方に多く蓄積していた。リソソームはA,C,Dと比べてBに最も多く蓄積していた。このとき、キネシンはAに最も多く蓄積していたが、ダイニンはAとBの両方に多く蓄積していた。これらの関係を不等号で比較したものを表1に示す。

表1 軸索の各領域にみられる細胞小器官とモータータンパク質の存在量

名称

存在量の比較

ミトコンドリア

(A,B)>(C,D)

リソソーム

B>(A,C,D)

キネシン

A>(B,C,D)

ダイニン

(A,B)>(C,D)

( )の中については、その存在量はおおむね等しい

問1 下線部(a)について、モータータンパク質が運動エネルギーを獲得するために加水分解する物質の名称を記せ。(アルファベットの場合は半角で、それ以外の文字の場合は全角で入力すること)

問2 下線部(b)に関連して、アクチンフィラメントとミオシンが中心的にはたらく現象を以下のア~オから2つ選び、記号で記せ。(全角カタカナで入力し、記号と記号の間に全角の読点(、)を入力すること)

ア.ヒト培養細胞の染色体分配
イ.シャジクモの原形質流動
ウ.ウニ胚の卵割
エ.ゾウリムシの繊毛運動
オ.ミドリムシのべん毛運動

問3 下線部(c)に関連して、ウニなどの動物の受精では、雄性前核(精核)と雌性前核(卵核)が接近するために、細胞骨格がはたらく。精子から卵に持ち込まれる、この細胞骨格の形成に重要な細胞小器官の名称を記せ。

問4 ニューロンの物質輸送について、この実験から導かれる考察として適切なものを、以下のア~オから1つ選び、記号で記せ。(全角カタカナのみ入力すること)

ア.ミトコンドリアを軸索輸送するのはダイニンであり、キネシンではない。
イ.ミトコンドリアを軸索輸送するのはキネシンであり、ダイニンではない。
ウ.キネシンは細胞体で合成され、順行輸送にはたらく。
エ.ダイニンは細胞体で合成され、順行輸送にはたらく。
オ.ダイニンは神経終末で合成され、逆行輸送にはたらく。

問5 下線部(d)に関連して、実験の結果とリソソームの性質に基づいて、ニューロンにおけるリソソームのはたらきと輸送のしくみについて考えられることを、80字以内で記せ。

解答・解説はこちら

減数分裂

※2010(平成22)年のセンター試験の問題を参考に作られています。(答えはすべて半角数字で入力すること)

生殖と発生に関する次の文章を読み、下の問い(問1~3)に答えよ。

テッポウユリの開花以前のつぼみを用いて減数分裂の観察実験を行った。様々な大きさのつぼみ(長さ10mm~170mm)を採取した後、つぼみを割り、おしべからやくを、めしべの子房から胚珠はいしゅをそれぞれ取り出し固定した。それらを解離したのち酢酸オルセイン液で染色し、押しつぶすことによって、葯や胚珠の中にある細胞を顕微鏡で観察した。図1は、葯(上段)と胚珠(下段)のそれぞれで、観察した細胞のうち減数分裂開始前の細胞、減数分裂の第一分裂期の細胞、減数分裂の第二分裂期の細胞、減数分裂終了後の細胞の割合をつぼみの長さごとに示している。なお、横軸のつぼみの長さはつぼみの成長ぐあいに対応しており、グラフの棒を省略したところ(30mmと170mmの間)以外では、となり合うつぼみの長さの間(棒の間)の期間は約3日である。

高校 生物 問題演習 葯と胚珠の中の細胞の割合を示したグラフ

問1 図1の結果から考えられる記述として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。

① 1個のつぼみの中では、胚珠内における減数分裂の方が葯内における減数分裂よりも早く始まる。
② 葯内における減数分裂の方が胚珠内における減数分裂よりも時間がかかる。
③ 葯内においても胚珠内においても減数分裂はほぼ一斉に始まるが、胚珠の方が葯よりも細胞間での分裂の進行の同調性が高い。
④ 葯内における減数分裂においても、胚珠内における減数分裂においても、第一分裂の方が第二分裂よりも時間がかかる。
⑤ 葯内における減数分裂においても、胚珠内における減数分裂においても、第一分裂と第二分裂の間には十分な時間の間期がある。

問2 下線部アに関連して、減数分裂の第一分裂期と第二分裂期を区別する記述として誤っているものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。

① 相同染色体の対合がみられるのは第一分裂期である。
② 相同染色体間で乗換えがみられるのは第一分裂期である。
③ 相同染色体が分離するのは第二分裂期である。
④ 紡錘体の極が減数分裂を開始したもとの1個の細胞当たり4つ存在するのは第二分裂期である。
⑤ 体細胞分裂とほぼ同じような過程にあるのは第二分裂期である。

問3 下線部アに関連して、第一分裂中期と第二分裂中期の一つの赤道面で観察される染色体数の組合せとして最も適当なものを、次の①~⑨のうちから一つ選べ。なお、テッポウユリ(2n = 24)の分裂組織の細胞では、体細胞分裂の中期に24本の染色体が観察される。

第一分裂中期 第二分裂中期
12 6
12 12
12 24
24 12
24 24
24 48
48 12
48 24
48 48

解答・解説はこちら