この問題でおさえておきたいこと
それぞれの細胞小器官について、どういうはたらきがあるのか、どの細胞に含まれているのかをおさえよう!
解答
問1 3
問2 核,ミトコンドリア,小胞体,ゴルジ体などから3つ
問3 セルロース
問4 (例)細胞分裂のときに細胞骨格を合成する起点となり、染色体を中心に引き寄せる。
重要事項のまとめ
・真核細胞の基本構造
真核細胞は核と細胞質(核以外の部分)に分けられる
細胞質はさらに細胞小器官(さまざまな機能をもつ器官)と細胞質基質に分けられる
・細胞小器官やさまざまな部分
1.細胞のさまざまな部分
- 核…
遺伝子(DNA)を含んでいる
原核細胞にも真核細胞にもある - 細胞膜…
細胞の内と外を仕切り、細胞内外で物質のやりとりをして細胞内部の状態を維持
原核細胞にも真核細胞にもある - 細胞質基質…
核と細胞小器官以外の部分に満たされている水分や酵素で、流動性がみられる(原形質流動)
原核細胞にも真核細胞にもある
2.細胞小器官
- ミトコンドリア(二重膜構造)…
呼吸をおこなう(生きるために必要なエネルギーを取り出す)
真核細胞(動物細胞・植物細胞)のみにある - 葉緑体(二重膜構造)…
光合成をおこなう
真核細胞の植物細胞のみにある - 液胞(一重膜構造)…
細胞内の水分調節や老廃物の貯蔵をする
真核細胞の植物細胞のみにある - 細胞壁(主成分はセルロース)…
細胞膜の外側に存在し、細胞の形を維持する
真核細胞の植物細胞と原核細胞にある - 小胞体…
核から伝わるたんぱく質の情報を受け取り、表面のリボソームでたんぱく質を合成する
真核細胞(動物細胞・植物細胞)のみにある - ゴルジ体…
小胞体からたんぱく質を受け取り細胞外へ輸送する
真核細胞(動物細胞・植物細胞)のみにある - 中心体…
細胞分裂のときに細胞骨格(細胞の形を維持する構造)を合成する起点となり、染色体を中心に引き寄せる
真核細胞の動物細胞のみにある
解説
問1 ヒト細胞について、卵細胞は約140μm、肝細胞は約20μm、赤血球は約7.5μmです。
ほかに、細胞小器官についておさえておきたいものでは、葉緑体(約5μm)、ミトコンドリア(約2.5μm)があります。
問2 原核生物にはなく、真核生物だけが持っている細胞小器官を書けば正解です。真核生物だけが持っている細胞小器官は「解答」にあるような、膜をもっているものが多いです。
問3 真核生物の植物細胞と原核生物だけが持っている細胞小器官なので、細胞壁を示していると考えられます。タマネギは真核生物の植物細胞なので、主成分はセルロースです。ちなみに、問題文にある大腸菌の細胞壁はペプチドグリカンが主成分です。
問4 真核細胞の動物細胞のみにある細胞小器官なので、中心体です。両端に移動した中心体が形成した細胞骨格と、それに接続されて中心に引き寄せられた染色体をあわせたものを紡錘体といいますが、この用語を用いて説明してもいいでしょう。
解答のチェックポイント
- 中心体が主にはたらくタイミングは細胞分裂のときだということが示されているか
- 細胞骨格を形成し、それによって染色体を細胞の中心に引き寄せる内容が書かれているか(または紡錘体形成の起点と書いているか)