この問題でおさえておきたいこと
耳の中のどの部分がどこにあるのかを、図を見ながら理解する!
音波が伝わるしくみや平衡感覚のしくみは耳の構造の図などと照らし合わせながら理解しよう!
解答
問1 ③ 問2 ⑦ 問3 ⑤
重要事項のまとめ
・ヒトの耳の構造
- あ…外耳道
- い…鼓膜
- う…耳小骨
- え…鼓室
- お…半規管
- か…前庭
- き…うずまき管
- く…聴神経
- け…耳管(エウスタキオ管、ユースタキー管)
鼓膜までに行きつく部分を外耳、鼓膜から耳管(エウスタキオ管、ユースタキー管)までの部分を中耳、鼓室より内側の部分(うずまき管など)を内耳という。
・聴覚のしくみ
外耳道を通った音が鼓膜に到達し、鼓膜を振動させる
↓
鼓膜の振動は耳小骨によって増幅される
その振動はうずまき管のリンパ液に伝わる
↓
リンパ液の振動は、うずまき管の中の前庭階(上図のAの部分)を通る
そのまま鼓室階(上図のBの部分)に伝わる
↓
鼓室階の振動により、基底膜(鼓室階の上にある膜で、上図のFの部分)を振動させる
すると、うずまき細管(上図のCの部分)の中にある聴細胞(上図のEの部分)を振動させる
(高音ではうずまき管の基部付近、低音ではより奥の基底膜が振動するので、それぞれ興奮する聴細胞は異なる)
↓
聴細胞の感覚毛がおおい膜(上図のDの部分)に触れて聴細胞に興奮が起こる
↓
この興奮が聴神経を通じて大脳に伝わる
※おおい膜と聴細胞をまとめてコルチ器といいます。
・平衡感覚のしくみ
1)からだの傾きを感知するしくみ
前庭内部に、感覚毛を持つ感覚細胞があり、その上に平衡石がある
からだが傾くと平衡石(耳石)がずれて、その下の感覚細胞が興奮してからだの傾きを感知する
2)からだの回転を感知するしくみ
半規管内部はリンパ液で満たされており、感覚毛を持つ感覚細胞がある
回転運動によってリンパ液の流れが起こり、感覚細胞が興奮してからだの回転を感知する
解説
問1 ①:「重要事項のまとめ」にあるとおり、最終的に聴細胞に伝わり、その興奮によって聴覚が伝わっていくので正しいです。
②:「重要事項のまとめ」にあるとおり、正しいです。
③:皮質(灰白質)には細胞体が、髄質(白質)にはニューロンの軸索が集中しています。聴覚の中枢は皮質(灰白質)にあるので、この文が誤りといえます。
④:「重要事項のまとめ」にあるとおり、正しいです。
⑤:たとえばコウモリはヒトでは聞こえない超音波を聞くことができます。なので、この文は正しいです。
問2 「重要事項のまとめ」にある図と照らし合わせると⑦が正解となります。ちなみに、bはうずまき管、cは聴神経、dは外耳道、eは鼓室です。
問3 「重要事項のまとめ」の説明を読んでください。