高校生物の問題演習
地質時代と動物の進化
※( )内の年度のセンター試験の問題を参考に作られています。(答えはすべて半角数字で入力すること)
問1 文章中の ア ~ ウ に入る語と数値の組合せとして最も適当なものを、次の①~⑥のうちから一つ選べ。
(2017(平成29))
哺乳類は中生代の ア に、鳥類は イ に出現した。中生代は約 ウ 年前に終わり、新生代になると哺乳類や鳥類は多様化した。
ア |
イ |
ウ |
|
① |
ジュラ紀 |
白亜紀 |
6600万 |
② |
ジュラ紀 |
白亜紀 |
2300万 |
③ |
三畳紀 |
白亜紀 |
6600万 |
④ |
三畳紀 |
白亜紀 |
2300万 |
⑤ |
三畳紀 |
ジュラ紀 |
6600万 |
⑥ |
三畳紀 |
ジュラ紀 |
2300万 |
問2 次の図3には、化石として見つかる科の数の変化を、被子植物については破線で、爬虫類については実線で示してある。また、類人猿の出現した時期を矢印Cで示してある。霊長類の中では、キツネザルのなかまが初期に出現し、後に類人猿や人類が出現した。
図3に関して、矢印Dの時期に起こったできごとについての記述として最も適当なものを、次の①~⑥のうちから一つ選べ。
(2016(平成28))
① アンモナイト類が絶滅した。
② 三葉虫類などの海洋生物を中心に大量絶滅が起こった。
③ 無顎類が絶滅した。
④ 哺乳類が出現した。
⑤ 恐竜類が出現した。
⑥ 鳥類が出現した。
問3 古生代、中生代および新生代に関連する記述として適当なものを、次の①~⑨のうちから二つ選べ。ただし、解答の順序は問わない。
(2015(平成27))
① 脊椎動物の陸上への進出は、植物の陸上への進出に先立って起きた。
② アンモナイト類は中生代末に絶滅した。
③ エディアカラ生物群は古生代を代表する生物群であり、この生物群の生物はやわらかく扁平な体をもっていた。
④ 哺乳類は古生代の終わり頃に出現し、新生代に繁栄した。
⑤ 古生代のクックソニアは維管束をもつ最初の植物である。
⑥ 古生代のクックソニアは種子をつける最初の植物である。
⑦ 軟骨魚類は古生代に出現し、硬骨魚類は中生代に出現した。
⑧ 硬骨魚類は古生代に出現し、軟骨魚類は中生代に出現した。
⑨ リンボクなどの木生シダ類が繁栄した時期に、爬虫類が出現した。
獲得免疫のしくみ
※千葉大学の入試問題を参考に作られています。
次の文章を読み、以下の問1~4に答えなさい。
生物の体内には、細菌やウイルスなどさまざまな異物が侵入したり、がん細胞などの異物が発生したりする。そのような異物を ア 物質として認識し、体内の(1)ホメオスタシスを保とうとするしくみを免疫という。免疫には イ 免疫と ウ 免疫がある。
体内に侵入した異物は、マクロファージに取り込まれ、近づいたT細胞によって抗原と認識される。抗原を認識したT細胞はB細胞を活性化し、B細胞は抗体産生細胞へと分化して、その抗原に対する抗体を産生する。この免疫のしくみを、 イ 免疫と呼ぶ。これに対して、抗体を介さず、T細胞が直接抗原の排除に関わる反応を ウ 免疫と呼ぶ。抗体は エ と総称されるタンパク質でできている。
問1 文中の ア ~ エ にあてはまる最も適切な語句を入れなさい。
問2 下線(1)ホメオスタシスについて、50字以内で説明しなさい。
問3 図1に、ある抗原をマウスに注射した(矢印①)ときの抗体の産生量を示す。40日目に再び同じ抗原を同じ量、注射した(矢印②)ときの抗体の産生量を実線で示しなさい。ただし、このマウスは正常な免疫能を有するものとする。(解答するときは、このページを印刷して図1に書き込むことをおすすめします)
問4 ある系統のマウスに、別系統のマウスの皮膚を移植したところ、定着しないで脱落した。そのしくみを60字以内で説明しなさい。
転写と翻訳
※甲南大学の入試問題を参考に作られています。
次の文を読み、問1~問4に答えよ。
下の図は、大腸菌における転写と翻訳のようすを、電子顕微鏡像をもとに模式的に示したものである。左右にのびている糸状の物質はDNAで、矢印(ア)で示した粒状の物質からさらに細い①糸状の物質がのび、それらに矢印(イ)で示した粒状の物質が付着していることがわかる。(イ)は(ア)によって合成された下線部①の先端部につぎつぎと結合して、そこで翻訳が開始される。DNAは、リン酸、糖、塩基からなるヌクレオチドとよばれる構成単位が多数結合した鎖状の分子で、2本の鎖が塩基の部分で互いに結びついた二重らせん構造になっている。図にみられるように、大腸菌のような原核生物では、ふつう転写と翻訳の過程が連続して行われている。一方、真核生物では、転写は核内で行われるが、多くの場合、転写された物質には②翻訳に関与する塩基配列と、③翻訳に関与しない塩基配列が含まれている。したがって、転写された物質は④スプライシングとよばれる過程を経て細胞質に移動し、これに(イ)が結合してタンパク質合成が行われる。
問1 (ア)、(イ)、下線部①で示されたものは何か、記入せよ。(アルファベットは半角で、カタカナは全角で入力すること)
問2 (ア)はDNA上を、(イ)は下線部①上を移動しながらそれぞれ転写と翻訳を行っている。図中に、(ア)の移動方向はAとBの矢印で、(イ)の移動方向はCとDの矢印で示してある。(ア)と(イ)はそれぞれどの方向に移動しているか。以下の組み合わせのうち、正しい組み合わせの番号を記入せよ。(半角数字で入力すること)
(1) A―C (2) A―D (3) B―C (4) B―D
問3 下線部②および下線部③に対応するDNA配列を何とよぶか、記入せよ。
問4 下線部④について、どのようなことが行われるのか、簡潔に説明せよ。
森林の物質収支
※岩手大学の入試問題を参考に作られています。
次の文章を読み、問1から問3に答えよ。
図1のAからCは、人工林などの同樹種、同齢林における生産者(植物、特に樹木)の物質収支の時間的変化を模式的に表したものである。まずAにおいて、( ア )は、はじめ急激に増加しピークを迎えた後、やや減少しその後ほぼ一定となる。( イ )は、この( ア )の変化に伴うため同じ曲線で示される。また、( ウ )は、( ア )の変化と同じパターンを示す。一方、( エ )は時間とともに増加していき、( オ )はその変化に伴うため同じ曲線で示される。Bにおいて、この( ウ )と( オ )の合計が全体の( カ )となり、縦線部分が( キ )を表す。Cにおいて、この( キ )から( ク )を差し引いたものが( ケ )となり点部分に該当する。実際に森林の一次生産量を求める場合、それらは直接測定することが難しいため、成長量、枯死・被食量、呼吸量から計算によって求める、いわゆる「つみあげ法」という推定方法がある。表1は、二種類の森林(暖温帯照葉樹林、熱帯多雨林)における測定値である。
成長量 | 枯死・被食量 | 呼吸量 | |
暖温帯照葉樹林 | 4.4 | 14.1 | 34.1 |
熱帯多雨林 | 7.0 | 20.4 | 54.5 |
単位はトン/ha/年(1年あたり、1ヘクタールあたりの乾物重)である |
問1.図1および文中の( ア )~( ケ )にあてはまる語句を以下より選び記号で答えよ。
a.葉の量 b.葉呼吸量
c.枯死・被食量 d.非同化部(枝・幹・根)の量
e.非同化部(枝・幹・根)呼吸量 f.総生産量
g.純生産量 h.成長量(植物体の増加量)
i.呼吸量
問2.表1の暖温帯照葉樹林と熱帯多雨林について、総生産量および純生産量の値をそれぞれ計算せよ。
暖温帯照葉樹林
熱帯多雨林
問3.森林生態系が保持する総炭素量は、植物体の量と土壌中の有機物量から計算される。熱帯多雨林と亜寒帯針葉樹林を比較した場合、前者の方が植物の成育に適した環境であるため、単位土地面積あたりの植物体の量は大きな値となる。それに対し、単位土地面積あたりの土壌中の有機物量は、後者の方が大きくなる場合が多い。その理由を50字以内で述べよ。
遺伝と乗換え
※静岡大学の入試問題を参考に作られています。
ある種のハエで互いに連鎖している白眼($w$),切れ翅($t$),棒眼($b$)は、野生型の赤眼($W$),正常翅($T$),丸眼($B$)に対して劣性である。白眼,切れ翅,棒眼のハエと野生型のハエとを交配して$F_1$を得た。次に、この$F_1$のうちの雌に白眼,切れ翅,棒眼の雄を交配させて下表に示す1000個体を得た。
形質 | 個体数 |
白眼,切れ翅,棒眼 | 407 |
赤眼,正常翅,丸眼 | 405 |
白眼,正常翅,丸眼 | 56 |
赤眼,切れ翅,棒眼 | 52 |
白眼,正常翅,棒眼 | 35 |
赤眼,切れ翅,丸眼 | 33 |
白眼,切れ翅,丸眼 | 7 |
赤眼,正常翅,棒眼 | 5 |
(1)$F_1$の遺伝子型を示せ。(半角文字で入力すること)
(2)$w$と$b$の間で乗換えの起こった個体は1000個体のうち何個体か。(半角数字で入力すること)
(3)$t$と$b$の間で乗換えの起こった個体は1000個体のうち何個体か。(半角数字で入力すること)
(4)$w$,$t$,$b$の染色体地図に関して、右図の□に適切な数字または記号を入れよ。(すべて半角で入力すること)