この問題でおさえておきたいこと
総生産量、純生産量、成長量の公式は図を使って理解しよう!
森林のおかれた環境と総生産量の関係もチェック!
解答
問1.
( ア )…a ( イ )…f ( ウ )…b
( エ )…d ( オ )…e ( カ )…i
( キ )…g ( ク )…c ( ケ )…h
問2.
暖温帯照葉樹林
総生産量…52.6トン/ha/年 純生産量…18.5トン/ha/年
熱帯多雨林
総生産量…81.9トン/ha/年 純生産量…27.4トン/ha/年
問3.
気温が低く、土壌微生物による分解の速度が遅いため、土壌中の有機物量は多くなる。(47字)
重要事項のまとめ
・総生産量、純生産量、成長量
総生産量…生産者が一定期間に一定面積の中で生産した有機物量
純生産量=総生産量 - 呼吸量
(呼吸量は自分が呼吸で出した二酸化炭素が主なので、自分の成長などの役に立つわけではない)
成長量=純生産量 - (枯死量 + 被食量)
(自分の成長に役立った分から、死亡に関係する分をひく)
・森林の環境と物質生産との関係
植物の成長との関係
成長につれてまず葉の成長が進む→呼吸量・総生産量が増える
↓
幹・根などの部分も成長する→呼吸量がより増える
↓
やがて枯死量が増えていく→成長量は0に近づく
周囲の環境との関係
植物の生育に最適な環境だと総生産量は多いが、呼吸量も多いので、熱帯でも温帯でも純生産量はさほど変わらない
ただし、土壌中の有機物量は気温が低いところのほうが多い
←土壌微生物による分解が進まないため
解説
問1.「重要事項のまとめ」にあるとおり、葉が最初に成長します。そして、その後に幹・根などの部分が成長していきます。また、「Bにおいて、この( ウ )と( オ )の合計が全体の( カ )となり」と書いてあります。以上これらのことより、( ウ )が葉呼吸量、( オ )が非同化部(枝・幹・根)呼吸量と判断できます。
問2.「重要事項のまとめ」にある公式を利用しましょう。
成長量=純生産量 - (枯死量 + 被食量)
この公式を変形すると、
純生産量=成長量 + (枯死量 + 被食量)
よって、純生産量は表1の成長量と枯死・被食量をたすことで求まります。一方、総生産量については、この公式を利用するといいですね。
純生産量=総生産量 - 呼吸量
なぜなら、この公式を変形すると、
総生産量=純生産量 + 呼吸量
つまり、さっき求めた純生産量と表1の呼吸量をたせばよいというわけです。
問3.解答のチェックポイント
- 成育環境として気温が低いことにふれているか
- その結果として土壌中の微生物による分解が進まないことが大きな原因であることに帰結しているか