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この問題でおさえておきたいこと

真核生物と原核生物で、転写と翻訳のしかたがどう違うのか理解しよう!
真核生物の転写・翻訳の手順もチェックしよう!

解答
問1
(ア)…RNAポリメラーゼ
(イ)…リボソーム
①…mRNA
問2 (1)
問3
②…エキソン
③…イントロン
問4 (例)mRNA前駆体から翻訳に関係しないイントロンを取り除き、翻訳に関係するエキソンだけを結合してmRNAを合成すること。

重要事項のまとめ

・真核生物の転写と翻訳

第1段階…転写(DNAの塩基配列を写し取ること)

内で、転写開始を示すDNAの領域(プロモーター)に基本転写因子とよばれるタンパク質が結合

RNAポリメラーゼという酵素がDNAに結合

DNAの2本鎖が切れ、1本ずつのヌクレオチド鎖に
RNAポリメラーゼが鋳型として読み取っていく鎖をアンチセンス鎖、読み取っていかない鎖をセンス鎖という

アンチセンス鎖の塩基配列と相補的な塩基を結合していくことで、mRNA前駆体をつくる

第2段階…スプライシング

mRNA前駆体からアミノ酸の配列決定に関係しないイントロンを削除し、配列決定に関係するエキソンだけ残して結合する
これにより、mRNA(メッセンジャーRNA)が完成

第3段階…翻訳(mRNAの情報をもとにタンパク質の合成をすること)

mRNAが核の外に飛び出し、細胞質へ
mRNAにリボソームが付着

リボソームがmRNA内の開始コドン(AUGとなっている塩基配列)を探し、そこから翻訳開始
mRNAの塩基と相補的に結合するtRNA(トランスファーRNA)がアミノ酸を運んでくる

リボソームがアミノ酸をどんどん結合していき、ポリペプチド鎖をつくる
終止コドン(UAA、UAG、UGAとなっている塩基配列)が出現するまで繰り返す

※塩基の3つ組のことをトリプレットといい、とくにmRNAの塩基の3つ組をコドン、tRNAの塩基の3つ組をアンチコドンといいます。

・原核生物の転写と翻訳

原核生物ではスプライシングは起きない(原核生物のDNAにはイントロンがないため)
→転写がされると、直接mRNAが合成される

また、転写をしている最中にリボソームが次々と付着し、翻訳をはじめていく

解説

問1 DNAに付着してそこから糸状の物質を作っているので、(ア)は基本転写因子ではなくRNAポリメラーゼです。
また、これは原核生物なので、RNAポリメラーゼから作られている①はmRNA前駆体ではなくmRNAです。

問2 転写をすればするほど、作られるmRNAは長くなっていくわけですから、RNAポリメラーゼはmRNAが短いところから長いところへ移動していったと考えることができます。ということは、問題の図では左から右へとRNAポリメラーゼは移動しているはずですから、移動方向は(A)だと判断できます。

そして、リボソームはできたばかりのmRNAに付着してどんどん翻訳をしていきますから、転写が進行しているのと反対側の端から付着していくことになります。つまり、リボソームはDNAから遠い位置から近い位置へ移動しながら翻訳することになります。問題の図でその方向をあらわしているのは(C)です。

つまり、問題の図はRNAポリメラーゼが時間の経過とともに左から右へと移動していくにつれ、mRNAがどんどん長くなり、リボソームがどんどん付着していっている様子を一つの図にまとめていた図だったというわけです。

問4 解答のチェックポイント