高校日本史の問題演習
摂関政治の展開
※上智大学の入試問題を参考に作られています。
以下の文章を読んで後の問いに答えなさい。ただし、文章中の下線のある語句(1)~(24)についてはその一部に誤りがあるものが存在し、結果として文章全体としても歴史的に正しくないものになっている。
国内では、平安時代の早い時期に(1)桓武天皇や嵯峨天皇が国政を主導し、藤原氏などの貴族をおさえていたが、それらの中から(2)藤原氏北家が天皇家との絆を強め徐々に台頭してきた。嵯峨天皇の時代に、(2)藤原氏北家の(3)冬継は要職である蔵人頭となり、その子である藤原良房は、(4)840年の(5)丞和の変で橘逸勢や(6)伴善男らを排除して一層勢力を強めた。
その後、清和天皇が即位すると、良房は(7)臣下として初めて摂政となり、(8)856年の(9)応天門の変で伴氏や(10)源氏の排斥に成功した。彼の後継者であり太政大臣となっていた藤原基経は、彼の支援を受け即位した(11)光厳天皇により(12)882年に初めて関白に任じられた。基経の権勢は以後も続き、(13)朱雀天皇が即位のときに出した勅書に抗議してこれを(14)889年に撤回させた。この一連の政治的混乱を(15)阿諛の紛議とよぶ。
基経の死後、(16)宇多天皇は菅原道真を重用して藤原氏の勢力排除を試みたが、次の(17)醍醐天皇の時代に、(18)藤原忠平の讒言で道真は(19)九州大宰府に左遷されその地で没した。(17)醍醐天皇の時代は、次の村上天皇の時代と続けて天皇親政が行われた期間として、(20)延喜・天暦の治とよばれるが、実際には摂政・関白をつとめた藤原忠平らが権勢をふるい、政治上の実権を掌握していた。そうした藤原氏への権力集中が決定的になるのは、(21)961年に起きた(22)安和の変で、左大臣の(23)紀夏井が排斥され主だった反藤原勢力は衰退した。このように、藤原氏一族が政治的な要職に集中した(24)10世紀後半から11世紀なかばごろの政治を摂関政治とよぶ。
問 前掲した平安時代に関連する文章において、下線部(1)~(24)の語句には、歴史的に見て正しいものと誤ったものが混在している。ここで、下線部のある語句について正しいものを○、誤っているものを×で表記すると、連続する語句(1)・(2)、(3)・(4)などの関係は、以下の例のいずれかとなる。
A ○○ B ○×
C ×○ D ××
イ)連続する下線部の語句(1)・(2)の関係について、上の例A~Dから選びなさい。(以下同様とする)
ロ)語句(3)・(4)について
ハ)語句(5)・(6)について
ニ)語句(7)・(8)について
ホ)語句(9)・(10)について
ヘ)語句(11)・(12)について
ト)語句(13)・(14)について
チ)語句(15)・(16)について
リ)語句(17)・(18)について
ヌ)語句(19)・(20)について
ル)語句(21)・(22)について
ヲ)語句(23)・(24)について
日明貿易
※京都大学の入試問題です。
次の問について、200字以内で解答せよ。句読点も字数に含めよ。
日明貿易について、貿易の開始から断絶までの過程を、貿易の特色にふれながら、具体的に述べよ。
律令体制の官制と税
※( )内の年度のセンター試験の問題を参考に作られています。
問1 古代の律令制に関連して述べた次の文Ⅰ~Ⅳについて、正しいものの組合せを、下の①~④のうちから一つ選べ(答えは半角数字で入力すること)。(2003(平成15))
Ⅰ 律は、犯罪とそれに対する刑罰について定めた法典である。
Ⅱ 令は、犯罪とそれに対する刑罰について定めた法典である。
Ⅲ 治部省は、刑罰に関する政務を担当した。
Ⅳ 刑部省は、刑罰に関する政務を担当した。
① Ⅰ・Ⅲ ② Ⅰ・Ⅳ
③ Ⅱ・Ⅲ ④ Ⅱ・Ⅳ
問2 空欄( ア )( イ )に入る語句の組合せとして正しいものを、次の①~④のうちから一つ選べ(答えは半角数字で入力すること)。(2009(平成21))
律令国家は、全国支配のために国郡制をしき、中央から派遣された国司のもと、かつての国造をはじめとする有力豪族を郡司に任命して地域の支配に当たらせた。民衆を( ア )作成する計帳に登録し、人頭税である調庸などを徴収する律令国家の地方支配は、郡司による民衆把握を前提に成り立っていた。
次の写真は、この時代の郡の役所である郡家(郡衙)に建てられていた倉庫を復元したものである。これらの倉庫は郡の正倉とよばれ、租税などが収納されていたが、国家は、ここに蓄えた稲を民衆に貸し付けて高い利息をとる( イ )を行った。国家によるさまざまな事業は、こうした財源により支えられていた。
(※写真は省略します)
① ア 6年ごとに イ 賃租
② ア 6年ごとに イ 出挙
③ ア 毎年 イ 賃租
④ ア 毎年 イ 出挙
終戦直後の経済
※関西学院大学の入試問題を参考に作られています。
次の文章を読んで設問に答えなさい。(解答はすべて全角カタカナで入力すること)
敗戦直後の日本経済は、激しいインフレーションによって、深刻な危機にみまわれた。このため1946年に幣原喜重郎内閣は、a預金封鎖・新円切り換えなどを行ったが、効果は一時的であった。
第1次吉田茂内閣は、1947年に生産を回復させるため、b傾斜生産方式を採用するとともに、賃金をおさえる政策をとった。これにより、生産はしだいに回復したが、赤字財政下における多額の資金投入によって、インフレーションはさらに悪化し、ストライキが頻発する結果となった。
1948年に連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)は日本経済の自立を目的として、第2次吉田茂内閣に対して、c経済安定九原則の実行を指示し、1949年には、dデトロイト銀行の頭取が特別公使として来日し、赤字を許さない超均衡予算の作成や、単一為替レートの設定など一連の施策をおこなった。また、コロンビア大学の教授であるシャウプを団長とする使節団によってe税制改革の勧告がなされた。この結果、インフレーションは収束に向かい、政府は赤字財政を脱したが、不況の深刻化によって労働運動は激化した。しかしながら、こうした労働運動は、f国鉄の人員整理に際して1949年7月から8月にかけて続発した事件を一つの契機として、大きな打撃を受けた。
1.下線部aにもっとも関係の深い事柄を下記より選びなさい。
ア.金輸出解禁
イ.金融緊急措置令
ウ.金融恐慌
エ.特別融資緊急勅令(案)
2.下線部bの内容としてもっとも適切なものを下記より選びなさい。
ア.カルテルの結成を助長する。
イ.石炭・鉄鋼などの生産拡大に重点をおいて資金の供給をおこなう。
ウ.軽工業の生産拡大に重点をおいて資金の供給をおこなう。
エ.製糸や紡績の官営模範工場に集中的に資金の供給をおこなう。
3.下線部cに含まれないものを下記より選びなさい。
ア.資金貸出促進 イ.食糧集荷改善
ウ.予算の均衡 エ.徴税強化
4.下線部dに該当する人名を下記より選びなさい。
ア.ダレス イ.ニクソン
ウ.マーシャル エ.ドッジ
5.下線部eの内容として適切でないものを下記より選びなさい。
ア.累進所得税制の採用
イ.間接税中心主義
ウ.地方税の独立
エ.資本蓄積のための減税
6.下線部fの内容に含まれないものを下記より選びなさい。
ア.下山事件 イ.高田事件
ウ.三鷹事件 エ.松川事件
江戸時代の交通
※東洋大学の入試問題を参考に作られています。
次の地図を見て、下記の問いに答えよ。(解答はすべて半角数字で入力すること)
![高校 日本史 問題演習 江戸時代の交通を表した地図](edokotsu.gif)
問1 五街道の起点となった江戸の町はどこか。次のうちから一つ選べ。
① 新橋 ② 日本橋 ③ 堂島
④ 天満橋 ⑤ 神田
問2 下記の説明文(1)~(4)に該当する街道は、地図中の(a)~(e)のどれか。それぞれ、次のうちから一つずつ選べ。ただし、同じ選択肢を繰り返し選んでよい。
(1) 徳川家康を祀る、権現造や陽明門で有名な神社の所在地までを結ぶ。
(2) 「入り鉄砲に出女」をとくに厳しく取り締まったことで有名な関所がある。
(3) 江戸から板橋、赤報隊の相楽総三の処刑地を経由し、草津に至る。
(4) もっとも大きな伝馬役が課され、後に滑稽本や浮世絵の題材となった。
① (a) ② (b) ③ (c)
④ (d) ⑤ (e)
問3 街道沿いに整備された施設で、一般庶民用の宿泊所はなにか。次のうちから一つ選べ。
① 本陣 ② 脇本陣 ③ 問屋場
④ 旅籠 ⑤ 一里塚
問4 下記の説明文(1),(2)に該当する人物は誰か。それぞれ、次のうちから一つずつ選べ。ただし、各選択肢は一度しか使えない。
(1) 京都出身の初期豪商の一人で、17世紀初頭に河川交通の整備に活躍した。
(2) 江戸を中心に活躍した商人で、17世紀後半に地図中の航路(f)や(i)を整備した。
① 茶屋四郎次郎 ② 河村瑞賢
③ 末吉孫左衛門 ④ 今井宗薫
⑤ 角倉了以
問5 地図中の航路(h)によって、大坂から江戸へ送られた産物を総称して何というか。次のうちから一つ選べ。
① 青物 ② 蔵物 ③ 俵物
④ 下り物 ⑤ 納屋物