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この問題でおさえておきたいこと

日明貿易の担い手は室町幕府の将軍から大名・商人へ移行したことをおさえよう!
重要用語は将軍や大名・商人と関連づけておさえる!

解答(例)

義満が開始した日明貿易では、倭寇との区別のため日本船は勘合を持参し、明の皇帝に朝貢する形式がとられた。この形式が国辱的だと4代義持が中止したが、経済的利益を重視した6代義教が再開した。義教暗殺と応仁の乱により幕府は弱体化すると実権は大名へと移り、寧波の乱で博多商人と結んだ大内氏が堺商人と結んだ細川氏に勝利すると利益は大内氏が独占するようになった。この貿易は大内氏が陶晴賢に滅ぼされることで終了した。(200字)

解説

経過を書けばいいわけですから、「ポイントのまとめ」にあるように、年代順に書いていくといいでしょう。とくに問題文に書かれている「開始」と「断絶」の部分は必ずふれたほうがいいので、義満が開始したことと、大内氏の滅亡については、解答に盛り込むべきでしょう。

そして、貿易の特色についてもふれなければいけませんから、倭寇との区別のために勘合を用いたことと、朝貢貿易だったことを書かなければなりません。とくに朝貢貿易であった点は、貿易の経過において義持が貿易を中断したことと、関係が非常に深い部分ですので、この点ははずすわけにはいきません。

あとは経過については、貿易の担い手が大名や商人に移り、特に大内氏が利益を独占するようになったことが重要な点でしょう。それを書かないといけないということは、大内氏が利益を独占する機会となった寧波の乱についても書かなければいけませんね。

解答のチェックポイント

ポイントのまとめ

1401年 足利義満が僧祖阿と博多商人肥富に国書を持たせ、明に派遣
これにより、国交と通商の合意が成立

日明貿易開始

特徴:

※日本船が持参した勘合を本字勘合、明船が持参することになっていた勘合を日字勘合といいます。
ただし、日字勘合を持参した明船が来日することはありませんでした。

4代将軍足利義持が国辱的だとして日明貿易を中止

6代将軍足利義教が貿易利益を得るため再開

嘉吉の乱により義教暗殺・応仁の乱勃発
→幕府の弱体化

日明貿易の担い手が大名・商人に変化

1523年 寧波の乱
大内氏と結んだ博多商人細川氏と結んだ堺商人とが勘合の真偽をめぐって、中国の貿易港で紛争

大内氏の勝利・貿易利益を独占

陶晴賢が大内氏を滅ぼす
→日明貿易終了