高校地理の問題演習
地球環境問題
※明治大学の入試問題を参考に作られています。
次の文を読み、設問に答えなさい。
かつて、環境問題は局所的、散発的に発生するものであり、地球全体からすれば、ごく一部の問題であった。ところが、国境をまたいだ大規模な環境問題も発生するようになり、地球全体の視点で考えて対処しなければ解決できない問題も多いことがわかり、これ以降、「地球環境問題」という言葉が頻繁に使われるようになった。
主な地球環境問題には、A酸性雨,B地球温暖化,C海洋汚染,D熱帯林の減少,E野生生物種の減少,および1)砂漠化がある。これらは相互にかかわっているが、根本的な原因は全て人類の活動の拡大にある。特に、先進国における大量生産,大量消費,大量廃棄を生み出す経済活動によるところが大きい。したがって、これは私たちの生活のあり方とも深く関わっている問題である。
地球環境問題への国際的な取り組みのさきがけは、1972年に ア で開催された国連人間環境会議で「 イ 」をキャッチフレーズに、世界各国の人々が環境問題解決のために積極的に努力し、行動すべきだという「人間環境宣言」の採択である。これに基づき、 ウ に本部をおく地球環境問題に取り組む国連環境計画(UNEP)が設立された。1992年に エ において開催された国連環境開発会議には、国連加盟国178カ国(当時)のほとんどの国が代表を派遣し、20世紀最大級の国際会議となった。この会議では、「 オ 」をスローガンに、「アジェンダ21」や「環境と開発に関するリオ宣言」などの具体的な行動計画が採択された。同じく1992年の国連総会では、地球温暖化防止に関する初の条約である「気候変動枠組条約(温暖化防止条約)」が採択された。これを受け、1997年に京都で開催された「気候変動枠組条約第三回締結国会議(COP3)」では、温室効果ガス排出量の具体的な削減目標などを定めた京都議定書が採択された。2002年に カ で開催された環境開発サミットでは、「アジェンダ21」の実施状況を検証し、。 オ の実現のための戦略の再構築が目的とされた。
一方、こうした地球環境問題への国際的な取り組みが進められている過程において、経済を拡大させてきた先進国と、これから開発を進めようとしている開発途上国との間で対立が生じ、これが南北問題の解決すべき新たな課題として浮き彫りになった。このためにも、2)先進国の経験と技術を生かして開発途上国の環境問題への取り組みを支援すると同時に、環境に配慮した新しいビジネスやライフスタイルのあり方が模索されるようになった。これが、3)リサイクルや再利用を進めて廃棄物の発生を抑え、資源としても利用していく社会を目指す運動につながっているのである。
問1 次の図は、地球環境問題の相互関連を示したもので、空欄(あ)~(お)には、文中の下線部A~Eの語のいずれかが入る。相互関連から類推して、もっとも適当な語をそれぞれひとつ選び、その記号を答えなさい。(半角アルファベットの大文字で入力すること)
問2 下線部1)の砂漠化について述べた次のA~Eから、明らかに間違った事実や考え方が記述されているものをひとつ選び、その記号を答えなさい。(半角アルファベットの大文字で入力すること)
A アマゾン盆地では、熱帯林の過伐採によって砂漠化が進行している。
B 過度の放牧が砂漠化につながるのは、草地が裸地化して侵食されやすくなるからである。
C 乾燥地域では、砂漠周辺のステップ地帯を中心に砂漠化が進行している。
D サハラ砂漠の南のサヘル地方では、農地の過開発や過放牧により砂漠化が進行しつつある。
E 中緯度地方の半乾燥地帯においても砂漠化は進行している。
問3 空欄ア,ウ,エ,カには、次の世界地図上で示されているa~eのいずれかの都市が入る。それらの都市の正しい組み合わせを、下のA~Fからひとつ選び、その記号を答えなさい。(半角アルファベットの大文字で入力すること)
ア |
ウ |
エ |
カ |
|
A |
a |
b |
c |
d |
B |
a |
b |
d |
e |
C |
a |
b |
e |
c |
D |
b |
a |
c |
d |
E |
b |
a |
d |
e |
F |
b |
a |
e |
c |
問4 空欄イ,オにあてはまる適当な言葉を解答欄に記入しなさい。(全角のみで入力すること)
問5 下線部2)について、アマゾン川流域で問題となっている水銀中毒は、金を採掘・精錬する際に使う水銀が原因と考えられている。ブラジル政府は、日本に協力を要請し、専門家らが現地に向かい指導にあたって効果をあげているという。これは日本において、過去、水銀による公害として、大規模な健康被害が二回も異なる場所で発生した経験を生かせると考えられたためである。この公害が発生した都道府県名を2つ、発生順に答えなさい。(全角で入力すること)
問6 下線部3)について、このような社会を何というか、漢字5文字で解答欄に記入しなさい。(全角で入力すること)
日本の工業
※京都大学の入試問題を参考に作られています。
日本の製造業に関する下の問(1)~(3)に答えよ。字数制限のある問については、句読点も字数に含めよ。
問
(1) 以下の図は、1960年から2000年までの日本における製造業就業者数の変化を示したものである。
a 1970年から1975年に就業者数が減少した理由を、30字以内で述べよ。
b 1990年以降に就業者数が減少している理由を、30字以内で述べよ。
(2) 以下の表1は、秋田・千葉・三重・大阪・高知の5府県における事業所に関する3つの指標の数値を示したものである。表1のB,Cに該当する府県名を、答えよ。また、府県Aの製造業を府県Dと比較したさいの特徴を、40字以内で述べよ。(「府」「県」を書かずに漢字の府県名だけを全角で入力すること)
(3) 以下の表2は、全国および5都道県における製造業の部門別の製造品出荷額等の比率を示したものである。
a 表2のE,F,Gにあたる部門名を以下のア~オから選んで、記号で答えよ。(全角のカタカナで入力すること)
ア 食料品製造業 イ 印刷・同関連業
ウ 化学工業 エ 鉄鋼業
オ 輸送用機械器具製造業
b 電子部品・デバイス製造業に関しては、表2の大分のみならず、長崎,熊本,宮崎,鹿児島といった九州の諸県で、全国の比率を大きく上回っている。この理由を40字以内で述べよ。
工業の発達と立地
※( )内の年度のセンター試験の問題を参考に作られています。(答えはすべて半角数字で入力すること)
問1 次の図4は、日本からいくつかの国や地域に対する対外直接投資*額の推移を5年ごとに集計して示したものであり、タ~ツは、アジアNIEs**,ASEAN4***,中国****のいずれかである。タ~ツと国・地域名との正しい組合せを、下の①~⑥のうちから一つ選べ。
(2007(平成19))
* ある国の企業が外国で子会社の設立や支店・工場の設置、現地企業への出資や企業買収を行うこと。
** 韓国,シンガポール,台湾,ホンコン。
*** インドネシア,タイ,フィリピン,マレーシア。
**** 台湾,ホンコン,マカオを含まない。
タ |
チ |
ツ |
|
① | アジアNIEs |
ASEAN4 |
中国 |
② | アジアNIEs |
中国 |
ASEAN4 |
③ | ASEAN4 |
アジアNIEs |
中国 |
④ | ASEAN4 |
中国 |
アジアNIEs |
⑤ | 中国 |
アジアNIEs |
ASEAN4 |
⑥ | 中国 |
ASEAN4 |
アジアNIEs |
問2 工業立地に関することがらについて述べた文として適当でないものを、次の①~④のうちから一つ選べ。
(2016(平成28))
① アパレル(服飾)製品の企画やデザインを行う事業所は、消費市場の情報を求めて大都市に立地する傾向がある。
② アルミニウム工業は、大量の電力が安価に得られる地域に立地する傾向がある。
③ 電気機械工業は、安価で大量に生産される製品ほど、豊富な労働力を求めて先進国以外の地域に立地する傾向がある。
④ ビール工業は、原料の大麦やホップが豊富に得られる農山村地域に立地する傾向がある。
問3 次の図2中のア~ウは、工作機械生産額,パルプ生産量,綿織物生産量のいずれかについて、上位8位までの国・地域とそれらが世界全体に占める割合を示したものである。ア~ウと指標名との正しい組合せを、次の①~⑥のうちから一つ選べ。
(2013(平成25))
① |
② |
③ |
④ |
⑤ |
⑥ |
|
工作機械生産額 |
ア |
ア |
イ |
イ |
ウ |
ウ |
パルプ生産量 |
イ |
ウ |
ア |
ウ |
ア |
イ |
綿織物生産量 |
ウ |
イ |
ウ |
ア |
イ |
ア |
村落の発達と機能
※( )内の年度のセンター試験の問題を参考に作られています。(答えはすべて半角数字で入力すること)
問1 次の図2は、奈良盆地における1997年発行の2万5千分の1地形図(原寸、一部改変)であり、カ~クは、それぞれ異なる時期に形成された集落や街区、建造物などの特徴をよく表す区域を示したものである。カ~クの区域の特徴が形成された時代を古いものから順に並べたものとして正しいものを、下の①~⑥のうちから一つ選べ。
(2019(平成31))
① カ→キ→ク ② カ→ク→キ
③ キ→カ→ク ④ キ→ク→カ
⑤ ク→カ→キ ⑥ ク→キ→カ
問2 村落の伝統的な形態と機能について説明した次の文章中の下線部①~④のうちから、適当でないものを一つ選べ。
(2013(平成25))
村落の形態には、散村と集村がある。散村は屋敷の周りに耕地を集めやすいという農業経営上の利点をもつ。日本では、①
問3 次の図1中のA,Bは、世界と日本に共通してみられる特徴的な村落の形態を模式的に示したものである。A,Bについて述べた文として適当でないものを、下の①~④のうちから一つ選べ。
(2009(平成21))
① Aは、格子状に区画された耕地が広がっており、アメリカ合衆国のタウンシップ制による開拓地域にみられる。
② Aは、家屋が分散する散村形態をとっており、近代における北海道の開拓地域にみられる。
③ Bは、道路に沿って家屋が並んでおり、ヨーロッパの森林地域における自然発生的集落にみられる。
④ Bは、家屋の背後に短冊状の耕地が並んでおり、近世における日本の新田集落にみられる。
オーストラリアの地誌
※首都大学東京の入試問題を参考に作られています。
※スマホでは地図が見づらい場合がありますので、見づらい場合は拡大したりパソコンなど大きな画面で見たりすることをおすすめします。
図1はオーストラリアの主要な都市を規模で、その他を機能で分類し、それらの分布を示したものである。この分布図を見ながら下の問1~4に答えよ。
問1 図1中に示された都市AからEのなかで、日本標準時子午線にもっとも近い都市と、ヨーロッパ人が最初に入植した都市を、それぞれ記号で答えるとともに、それらの都市名を記せ。
問2 図1中の凡例L,M,Nは、農村サービス都市、鉱山都市、アボリジニー集住都市のいずれかを示している。鉱山都市を示す記号を答えるとともに、その答えの根拠を50字以内で説明せよ。
問3 図1中に描かれた境界線XとYは気候条件や土地条件を反映して、人間の活動や居住の仕方が異なることを示している。境界線Xより内陸の地域は、どのような気候条件と土地条件で特徴づけられるのか、またそのような条件に適応してどのような経済活動が行われているのかを50字以内で説明せよ。
問4 図1中に描かれた境界線XとYに挟まれた地域では、そこでの特徴的な人間活動が気候条件や土地条件との関わりで大きな環境問題を引き起こしている。この地域で生じている環境問題とその原因を、人間活動と気候条件・土地条件とを関連づけて120字以内で説明せよ。