高校化学の問題演習
令和6年11月17日
窒素の化合物
※神戸大学の入試問題です。
※入力は次の指示にしたがってください。
- 用語を答える問題では、全角のみで入力すること。記号を答える問題では、全角カタカナのみ入力すること。
- 化学反応式や数値を答える問題では、半角のみ入力すること。ただし、矢印のみ全角の→で入力すること
- 化学式で下付き数字を使う場合は、たとえばH2OならH2Oのように、そのまま入力すること。
次の文章を読んで、問1~6に答えなさい。計算のために必要であれば、以下の値を用いなさい。
原子量:
$\ce{H}$ 1.00 $\ce{C}$ 12.0 $\ce{N}$ 14.0
$\ce{O}$ 16.0 $\ce{Cu}$ 63.5
硝酸は、次に示す四つの過程(①~④)を経て、窒素から合成される。
$\ce{N2}$\( \underset{①}{\longrightarrow} \)$\ce{NH3}$\( \underset{②}{\longrightarrow} \)$\ce{NO}$\( \underset{③}{\longrightarrow} \)$\ce{NO2}$\( \underset{④}{\longrightarrow} \)$\ce{HNO3}$と$\ce{NO}$
まず過程①では、四酸化三鉄を主体とした触媒を用いて、水素と窒素からアンモニアが直接合成される。
$\ce{N2 + 3H2 <=> 2NH3}$ …(A)
次に、白金を触媒とし、アンモニアを酸化することにより一酸化窒素が合成される(過程②)。
(B)
一酸化窒素は空気中で酸化され、二酸化窒素となる(過程③)。
$\ce{2NO + O2 -> 2NO2}$ …(C)
二酸化窒素を水と反応させることにより、硝酸が得られる(過程④)。
$\ce{3NO2 + H2O -> 2HNO3 + NO}$ …(D)
副生成物の一酸化窒素は反応(C)と反応(D)を繰り返し、最終的に硝酸となる。アンモニアから始まり硝酸ができるまでの反応(B),(C),(D)を1つの化学反応式で表すと、
(E)
となる。
問1 下線部のようにアンモニアを合成する方法を何と呼ぶか、答えなさい。
問2 (A)の反応は可逆反応である。アンモニアの生成率をよくするためには、高圧,低圧のどちらの条件下が望ましいか、答えなさい。また、その理由を30字以内で答えなさい。
問3 反応(B)と(E)を化学反応式で示しなさい。
問4 反応(A)~(E)で生成される一連の窒素化合物のうち、窒素原子の酸化数が最も小さいものについて、化学式と酸化数を示しなさい。
問5 硝酸について、下記の(ア)~(オ)の中から間違っている記述が含まれるものをすべて選びなさい。(答えが複数ある場合は、たとえばアとウを解答するならアウのように、記号と記号の間をあけずにそのままつづけて入力すること)
(ア) 硝酸は褐色の液体であり、熱や光で分解することを防ぐため、褐色瓶に入れて冷暗所に保存する。
(イ) 濃硝酸は強い酸性,希硝酸は弱い酸性を示す。
(ウ) 濃硝酸は強い酸化力があり、銅,銀,ニッケルを溶かす。
(エ) 硝酸イオンは、植物の根から吸収され窒素源として利用される。
(オ) 濃硝酸と濃硫酸の混合物を混酸と呼び、芳香族化合物のニトロ化反応に用いられる。
問6 銅と希硝酸を反応させると、銅は溶け、気体が発生した。
(1) 発生する気体は水上置換で捕集され、上方置換や下方置換では捕集することができない。この理由について、発生する気体の性質を二つ挙げて30字以内で説明しなさい。
(2) 63.5gの銅をすべて希硝酸と反応させたとき、何gの水が生成するか、有効数字3桁で答えなさい。