この問題でおさえておきたいこと
夏、冬、春・秋のそれぞれで日本付近はどのような気圧配置になるのかを理解しよう!
解答
(1)
A…シベリア気団 D…小笠原気団
(2)
Ⅰ…ウ Ⅱ…エ Ⅲ…イ Ⅳ…ア
1…A 2…D 3…C 4…B 5…D
重要事項のまとめ
・気団と日本の天気
過去の問題の解説にあるとおり、日本付近には4つの気団があり、日本の天気に影響を与えている。
1)夏の天気
小笠原気団が勢力を強める
→小笠原気団は高温で湿っているため、日本に高温で蒸し暑い気候をもたらす
小笠原気団が勢力を強めることで太平洋高気圧が生じるので、天気図では東の海上(太平洋)から高気圧が張り出してきて、北に低気圧が生じるという南高北低の気圧配置となる
そして、この太平洋高気圧から南東の季節風が日本に吹いてくる
2)冬の天気
シベリア気団が勢力を強める
シベリア気団から北西の季節風が日本に吹き、日本海を通過するときに大量の水蒸気を含むので、日本海側の地域に雨や雪をもたらす
そして、その季節風が山を越えると乾燥した空気となるため、太平洋側は乾燥した晴れの天気をもたらす
シベリア気団が勢力を強めることで、天気図では西に高気圧ができて東に低気圧が生じるという西高東低の気圧配置となる
また、南北にのびた等圧線が間隔がせまく並んだ状態となり、風がとても強く吹く
3)春・秋の天気
揚子江気団が勢力を強め、偏西風に乗って日本に移動性高気圧としてやってくる
この移動性高気圧におおわれている間は晴れの日が続くが、それが通過してしまうと低気圧がやってくる
→天気が周期的に変化する
4)その他の天気
本格的に夏が始まる前の6月の時期、暖気である小笠原気団と寒気であるオホーツク海気団が同じ勢力でつかり合い、梅雨前線という停滞前線ができる。これにより、日本に長い期間、雨がもたらされる。
また、夏~秋の時期、南の海上にできた熱帯低気圧が勢力を上げて台風として日本にやってくる
(小笠原気団のふちを通るような進路をとり、夏~秋の時期はその進路上に日本があるため)
解説
(1)気団Aはシベリア気団、気団Bはオホーツク海気団、気団Cは揚子江気団、気団Dは小笠原気団をあらわしています。
過去の問題の解説にもあるとおり、その気団が大陸上にあれば乾いている、海上にあれば湿っている気団となります。そして、その気団が北にあれば冷たい気団、南にあれば暖かい気団となります。
(2)「重要事項のまとめ」にあるとおり、冬になると、西に高気圧ができて東に低気圧の気圧配置となり、南北にのびた等圧線がせまい間隔で並ぶようになります。その天気図になっているのはウです。そして、そのときに勢力が強くなるのは、「重要事項のまとめ」にあるとおり、シベリア気団です。
夏になると、南に高気圧があって北に低気圧があるという気圧配置となりますから、その天気図はエとわかります。「重要事項のまとめ」にあるとおり、夏は小笠原気団の勢力が強くなります。
ちなみに、この小笠原気団による太平洋高気圧の等圧線の形がくじらの胴体としっぽに似ていることから、この気圧配置の天気図は「くじらの尾型」と呼ばれます。
春と秋の天気図よりも、6月や9月の天気図を考えるほうがわかりやすいかもしれません。6月は梅雨の時期であり、「重要事項のまとめ」のとおり、小笠原気団とオホーツク海気団がぶつかることで停滞前線ができます。停滞前線が日本の上にできている天気図はアですから、6月や9月の天気図はこれになります。
よって、春と秋の天気図は、これまでのどれの状況にもあてはまらなかったイです。「重要事項のまとめ」のとおり、揚子江気団が勢力を強めて移動性高気圧としてやってきます。すぐに通り過ぎてしまうぐらいの小規模な高気圧が天気図に描かれてあります。