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この問題のポイント

増減表を使ってどの値で最大・最小となるか考えよう!
実際にどのxの値で最大・最小となるかを求めるのは大変なので、解と係数の関係を使って手間を省こう!

$f(x)$は分数式であらわされた関数となっています。しかし、分母が二次関数、分子が一次関数となっているので、分数関数の要領で求めることはできません。数学Ⅰ、Ⅱ、A、Bで学習したやり方でも当然求められません。このときは微分をして増減表を利用することを考えましょう。

分数式は微分をするとこのようになりますね。

\( \displaystyle \left(\frac{u}{v}\right)' = \frac{u'v-uv'}{v^2} \)

これにしたがって微分すると、

$f'(x)$
\( \displaystyle = \frac{1・(x^2+a)-(x-b)・2x}{(x^2+a)^2} \)
\( \displaystyle = -\frac{x^2-2bx-a}{(x^2+a)^2} \)

ここで、分母の\( (x^2+a)^2 \)は必ず正の数です。よって、分子の\( x^2-2bx-a \)がどのような値となるかを考えればいいということになります。

ただし、最大・最小があるということは、$f'(x)$が極大値・極小値をもつことになりますから、\( f'(x) = 0 \)の値は2つ必要になります。ということは、さっきの式でいうと、\( x^2-2bx-a = 0 \)の解は2つあることになります。その条件について確認しておきましょう。

判別式\( \frac{D}{4} = (-b)^2-1・(-a) = b^2+a \)
$a>0$と問題文にありましたから、\( b^2+a>0 \)です。
(判別式)>0ですから、解が1つだけしかないなどの状況になることはないと確認できました。

さて、ここで本来ならば、\( x^2-2bx-a = 0 \)…①を解いてどんな$x$の値のときに\( f'(x) = 0 \)となるかを調べるのですが、これを解くと$x$の値がかなり複雑な形になってしまいます。
そこで、解と係数の関係を使って、少し計算を簡単にしましょう。

①の方程式の解を$α$,$β$($α<β$)とすると、
\( α+β = 2b \),\( αβ = -a \)

そして、増減表を書くと、下の表のようになります。

$x$ $α$ $β$
$f'(x)$ - 0 + 0 -
$f(x)$ 極小 極大

問題文にあった$f(x)$は、$x$が大きくなればなるほど、そして小さくなればなるほど、0に近づきます。ですから、$f(α)$のときに最小値、$f(β)$のときに最大値をとることになります。なので、

\( \displaystyle f(α) = \frac{α-b}{α^2+a} = -\frac{1}{2} \)…②
\( \displaystyle f(β) = \frac{β-b}{β^2+a} = \frac{1}{6} \)…③
②より、\( 2α-2b = -α^2-a \)
③より、\( 6β-6b = β^2+a \)

さっきの解と係数の関係を使った式より、
\( a = -αβ \),\( \displaystyle b = \frac{α+β}{2} \)

これを代入して、
\( 2α-(α+β) = -α^2+αβ \)
\( 6β-3(α+β) = β^2-αβ \)

この式をそれぞれ$α$、$β$について整理していきます。
\( α^2+(1-β)α-β = 0 \)
\( β^2-(α+3)β+3α = 0 \)

\( (α+1)(α-β) = 0 \)
\( (β-α)(β-3) = 0 \)

$α<β$ですから、\( α \neq β \)すなわち\( α-β \neq 0 \),そして\( β-α \neq 0 \)
よって、\( α+1 = 0 \)であり、\( β-3 = 0 \)
\( α = -1 \),\( β = 3 \)です。

よって、
\( a = -\{(-1)・3\} = 3 \),\( \displaystyle b = \frac{-1+3}{2} = 1 \)

答え.\( a = 3 \),\( b = 1 \)