この問題のポイント
空間ベクトルでも、内分・外分・内積の計算などは平面ベクトルと同じやり方でできる!
(1)点$C$は線分$AB$を2:1に内分する点です。位置ベクトルの座標を求めることになるわけですが、その座標の求め方の公式はこのようなものでしたね。
$A$の位置ベクトルを\( \vec{a} \),$B$の位置ベクトルを\( \vec{b} \)とすると、
線分$AB$を$m$:$n$に内分する点の位置ベクトルは、
\( \displaystyle \frac{n\vec{a}+m\vec{b}}{m+n} \)
線分$AB$を$m$:$n$に外分する点の位置ベクトルは、
\( \displaystyle \frac{-n\vec{a}+m\vec{b}}{m-n} \)
この公式は平面ベクトルでも空間ベクトルでも同じです。これを使って$C$の座標を求めると、
\( \displaystyle \frac{1・(1,2,-1)+2・\left(-\displaystyle\frac{1}{2},\displaystyle\frac{7}{2},5\right)}{2+1} \)
\( \displaystyle = \frac{(1,2,-1)+(-1,7,10)}{3} \)
\( \displaystyle = \frac{(0,9,9)}{3} \)
\( = (0,3,3) \)
次に内積のことが出てきました。平面ベクトルでも空間ベクトルでも、座標がわかっている場合は、内積の値は座標の$x$座標,$y$座標,$z$座標($z$座標は空間ベクトルのみ)どうしをかけ算したのをすべて足した値になります。
点$C$の座標は(0,3,3)とさっき求まりました。点$D$の座標は\( (a,b,c) \)とおいていますから、
\( \overrightarrow{OC}・\overrightarrow{OD} \)
\( = 0×a+3b+3c \)
\( = 3b+3c \)
\( \overrightarrow{OC}・\overrightarrow{OA} \)
= 0×1+3×2+3×(-1)
= 6-3 = 3
\( \overrightarrow{OC}・\overrightarrow{OD} = 2\overrightarrow{OC}・\overrightarrow{OA} \)なので、
\( 3b+3c = 2×3 \)
\( b+c = 2 \)
よって、$b$を$c$を用いて表すと、\( b = 2-c \) …①
また、
\( \overrightarrow{CD} \)
\( = \overrightarrow{OD}-\overrightarrow{OC} \)
\( = (a,b-3,c-3) \)
\( \overrightarrow{CA} \)
\( = \overrightarrow{OA}-\overrightarrow{OC} \)
= (1-0,2-3,-1-3)
= (1,-1,-4)
この2つのベクトルが垂直ということですが、空間ベクトルにおいても垂直であれば内積は0です。\( \overrightarrow{CD}・\overrightarrow{CA} = 0 \)ですから、
\( a×1-1×(b-3)-4×(c-3) = 0 \)
①より、
\( a-(2-c-3)-4(c-3) = 0 \)
\( a-(-1-c)-4(c-3) = 0 \)
\( a+1+c-4c+12 = 0 \)
\( a-3c+13 = 0 \)
\( ∴a = 3c-13 \) …②
①と②より、\( \overrightarrow{OD} = (3c-13,2-c,c) \)
線分$OD$の長さについては、\( \overrightarrow{OD} \)の大きさ(\( |\overrightarrow{OD}| \))を考えればいいわけですが、大きさの求め方も平面ベクトルのときと同じです。
\( \vec{a} \)を\( (l,m,n) \)とおくと、
\( |\vec{a}| = \sqrt{l^2+m^2+n^2} \)
ルートの記号があると計算がしにくいですから、\( |\overrightarrow{OD}|^2 \)で考えると、
\( |\overrightarrow{OD}|^2 \)
\( = (3c-13)^2+(2-c)^2+c^2 \)
\( = 9c^2-78c+169+4-4c+c^2+c^2 \)
\( = 11c^2-82c+173 \)
\( \displaystyle = 11\left(c^2-\frac{82}{11}c\right)+173 \)
\( \displaystyle = 11\left(c^2-\frac{82}{11}c+\frac{41^2}{121}\right)-\frac{41^2}{11}+173 \)
\( \displaystyle = 11\left(c-\frac{41}{11}\right)^2-\frac{1681}{11}+173 \)
\( \displaystyle = 11\left(c-\frac{41}{11}\right)^2-\frac{222}{11} \)
これより、\( |\overrightarrow{OD}|^2 \)は\( \displaystyle c = \frac{41}{11} \)のときに最小値\( \displaystyle \frac{222}{11} \)をとるとわかります。
よって、\( |\overrightarrow{OD}| \)は\( \displaystyle c = \frac{41}{11} \)のときに最小値\( \displaystyle \sqrt{\frac{222}{11}} = \frac{\sqrt{222}}{\sqrt{11}} = \frac{\sqrt{2442}}{11} \)となり、これが$OD$の長さの最小値です。
答え.
ア …(0,3,3)
イ …\( 3c-13 \)
ウ …\( 2-c \)
エ …\( \displaystyle \frac{41}{11} \)
オ …\( \displaystyle \frac{\sqrt{2442}}{11} \)