この問題のポイント
恒等式では、左辺と右辺での文字の係数は等しい!
文字が多い恒等式は、文字の数を減らして考える!
与えられた文字が多いので、文字の数を減らして考えやすくしましょう。
\( a-2b+2c+1 = 0 \) …①
\( 3a+2b-6c+1 = 0 \) …② とおきます。
連立方程式を解くときに、2つの式を足し引きして文字の数を減らす方法(加減法)を使うことがありますね。ここでも、その加減法を使って文字を減らすことを考えてみましょう。
①+②をすると、
\( 4a-4c+2 = 0 \)
\( -4c = -4a-2 \)
\( \displaystyle c = a+\frac{1}{2} \) …③
①×3は、\( 3a-6b+6c+3 = 0 \) …④
④+②をすると、
\( 6a-4b+4 = 0 \)
\( -4b = -6a-4 \)
\( \displaystyle b = \frac{3}{2}a+1 \) …⑤
③、⑤を\( a^2x+b^2y+c^2z = 1 \)に代入すると、
\( \displaystyle a^2x+\left(\frac{3}{2}a+1\right)^2y+\left(a+\frac{1}{2}\right)^2z = 1 \)
これの2乗の部分を展開し、さらに$a$について整理すると、このような式になります。
\( \displaystyle \small{\left(x+\frac{9}{4}y+z\right)a^2+(3y+z)a+\left(y+\frac{1}{4}z-1\right)} = 0 \)
恒等式では、左辺と右辺、つまり=の左側と右側とで、それぞれの文字の係数は等しいです。つまり、この問題の場合だと、$a^2$の項,$a$の項,文字がない項の係数が左辺と右辺で同じということになります。ただし、右辺は0なんですから、それぞれの項の係数は0となるはずです。
よって、
\( \displaystyle x+\frac{9}{4}y+z = 0 \) …⑥
\( 3y+z = 0 \) …⑦
\( \displaystyle y+\frac{1}{4}z-1 = 0 \) …⑧
⑦より、\( z = -3y \)であり、これを⑧に代入すると、
\( \displaystyle y-\frac{3}{4}y-1 = 0 \)
\( \displaystyle \frac{1}{4}y = 1 \)
\( y = 4 \)
よって、\( z = -3・4 = -12 \)
そして、⑥より、
\( \displaystyle x+\frac{9}{4}・4-12 = 0 \)
\( x+9-12 = 0 \)
\( x = 3 \)
答え.
\( x = 3 \),\( y = 4 \),\( z = -12 \)