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この問題のポイント

中心が(a,b)で半径がrの円の方程式は
(x-a)2+(y-b)2 = r2
2円が共有点をもつかは、2円の半径の関係で決まる!

(1)中心の座標がわかっているとき、円の方程式は次のようにあらわすことができます。

円の中心が\( (a,b) \)のとき、その円上の点\( (x,y) \)との距離$r$が半径になるので、
\( \sqrt{(x-a)^2+(y-b)^2} = r \)

ルートをとるために両辺を2乗して
\( (x-a)^2+(y-b)^2 = r^2 \)

これが円をあらわす方程式であり、この式を展開して計算すると、
\( x^2+y^2+lx+my+n = 0 \)
の形にできる。

$α$,$β$は点$P$の座標であり、点$P$は円\( C(P) \)の中心です。よって、円\( C(P) \)の半径を$r$とすると、円\( C(P) \)をあらわす方程式は、
\( \small{(x-α)^2+(y-β)^2 = r^2} \)

そして、この円\( C(P) \)は点\( A(0,7) \),点\( B(1,6) \)を通るのですから、
\( \small{(0-α)^2+(7-β)^2 = r^2} \)
\( \small{(1-α)^2+(6-β)^2 = r^2} \)

つまり、
\( \small{α^2+(7-β)^2 = r^2} \) …①
\( \small{(1-α)^2+(6-β)^2 = r^2} \) …②

①、②より、

\begin{eqnarray} &&\small{α^2+(7-β)^2 = (1-α)^2+(6-β)^2}\\ &&\small{α^2+49-14β+β^2 = 1-2α+α^2+36-12β+β^2}\\ &&\small{49-14β-1+2α-36+12β = 0}\\ &&\small{2α-2β+12 = 0}\\ &&\small{α-β+6 = 0} \end{eqnarray}

これが$α$,$β$の満たすべき条件です。

(2)2つの円が共有点をもつということは、次の3つの場合のどれかということになります。

1)2つの円が外接している場合
接しているので共有点は1つである
このとき、2つの円の中心間の距離は、ちょうど2つの円の半径の和に等しい

2)どちらかの円がどちらかの円の中にあって接している場合(内接している場合)
接しているので共有点は1つである
このとき、2つの円の中心間の距離は、ちょうど2つの円の半径の差に等しい

3)2つの円が2点でまじわっている場合
このとき、2つの円の中心間の距離は、2つの円の半径の差よりは大きいが、和よりは小さい

これより、円$C$,\( C(P) \)の中心間の距離は、
(半径の差)≦(中心間の距離)≦(半径の和)
ということになればいいということになります。

円$C$は原点$O$が中心の半径5の円なので、あとは円\( C(P) \)の中心と半径がわかれば解くことができそうです。
ちなみに、(1)の問題で$α$,$β$の満たすべき条件は\( α-β+6 = 0 \)と求めましたが、これを変形すると、
\( β = α+6 \)

円\( C(P) \)の中心は点\( P(α,β) \)を中心としていましたから、その点$P$の座標は\( P(α,α+6) \)とおくことができます。
半径は、①に\( β = α+6 \)を代入して考えると、

\begin{eqnarray} &&\small{α^2+\{7-(α+6)\}^2 = r^2}\\ &&\small{α^2+(1-α)^2 = r^2}\\ &&\small{α^2+1-2α+α^2 = r^2}\\ &&\small{r^2 = 2α^2-2α+1}\\ &&\small{∴r = \sqrt{2α^2-2α+1}} \end{eqnarray}

よって、円$C$,\( C(P) \)の半径の和は\( \sqrt{2α^2-2α+1}+5 \)
半径の差は\( |\sqrt{2α^2-2α+1}-5| \)(どちらの円のほうが大きいかはわからないので、絶対値記号をつけて負の数にならないようにします)

そして、円$C$,\( C(P) \)の中心間の距離は原点と\( P(α,α+6) \)の距離なので、\( \sqrt{α^2+(α+6)^2} \)ですから、
\( \small{|\sqrt{2α^2-2α+1}-5|≦\sqrt{α^2+(α+6)^2}} \)かつ
\( \small{\sqrt{α^2+(α+6)^2}≦\sqrt{2α^2-2α+1}+5} \)

それぞれを2乗して、
\( \small{(\sqrt{2α^2-2α+1}-5)^2≦(\sqrt{α^2+(α+6)^2})^2} \)かつ
\( \small{(\sqrt{α^2+(α+6)^2})^2≦(\sqrt{2α^2-2α+1}+5)^2} \)

つまり、
\( \small{2α^2-2α+26-10\sqrt{2α^2-2α+1}≦2α^2+12α+36} \)
\( \small{2α^2+12α+36≦2α^2-2α+26+10\sqrt{2α^2-2α+1}} \)

それぞれの式から\( 2α^2-2α+26 \)を消すために、それぞれの式の両辺に\( -2α^2+2α-26 \)をたして、
\( \small{-10\sqrt{2α^2-2α+1}≦14α+10} \)かつ
\( \small{14α+10≦10\sqrt{2α^2-2α+1}} \)

この式を1つにまとめると、
\( \small{-10\sqrt{2α^2-2α+1}≦14α+10≦10\sqrt{2α^2-2α+1}} \)
それぞれを2で割って
\( \small{-5\sqrt{2α^2-2α+1}≦7α+5≦5\sqrt{2α^2-2α+1}} \)

これより、\( \small{|7α+5|≦5\sqrt{2α^2-2α+1}} \)
両辺を2乗して、\( \small{(7α+5)^2≦25(2α^2-2α+1)} \)
\( \small{49α^2+70α+25≦50α^2-50α+25} \)
\( \small{α^2-120α≧0} \)
\( \small{α(α-120)≧0} \)

これを解くと\( α≦0 \),\( 120≦α \)
これが求める条件となります。

答え.
(1)\( α-β+6 = 0 \)
(2)\( α≦0 \)または\( 120≦α \)