この問題のポイント
指数法則の計算に慣れよう!
指数が負の数や分数のときはどういう数値をあらわすかも理解しよう!
(1)与えられた連立方程式のなかに、\( \sqrt[3] {x} \)のような形がありますね。これは累乗根という形で、\( \sqrt[3] {x} \)は$x$の3乗根、つまり「同じものを3回かけると$x$になるというある数」をあらわしているわけです。このような累乗根などについて、次のような法則があります。
\( a^0 = 1 \)
\( \displaystyle a^{-n} = \frac{1}{a^n} \)
\( a^{\frac{1}{n}} = \sqrt[n] {a} \)
ということは、\( \sqrt[3] {x} \)は\( x^{\frac{1}{3}} \)ともあらわせるわけですね。さて、ここで連立方程式(*)についてですが、根号がジャマなのでこれを取り除くことから始めましょう。
\( x\sqrt{y^3} = a \)について、両辺を2乗すると、
\( (x\sqrt{y^3})^2 = a^2 \)
\( x^2y^3 = a^2 \) …①
\( \sqrt[3] {x}y = b \)は、\( x^{\frac{1}{3}}y = b \)のことですから、両辺を3乗すると、
\( (x^{\frac{1}{3}}y)^3 = b^3 \)
\( xy^3 = b^3 \) …②
ちなみに、なぜこのような計算が成り立つのかについては大丈夫でしょうか?次の指数法則を利用しているからですね。指数法則を確認しておきましょう!
1.\( a^m・a^n = a^{m+n} \)
2.\( (a^m)^n = a^{mn} \)
3.\( (ab)^n = a^nb^n \)
4.\( \displaystyle \frac{a^m}{a^n} = a^{m-n} \)(つまり、\( a^m÷a^n = a^{m-n} \))
5.\( \displaystyle \left(\frac{a}{b}\right)^n = \frac{a^n}{b^n} \)
この法則の2.と3.を応用しているわけですね。さて、ここで①と②を見ると、どちらも$y^3$があります。なので、①÷②をすると、
\( \displaystyle \frac{x^2y^3}{xy^3} = \frac{a^2}{b^3} \)
\( ∴x = a^2b^{-3} \)
②を変形すると、\( \displaystyle y^3 = \frac{b^3}{x} \)
\( x = a^2b^{-3} \)なので、\( \displaystyle y^3 = \frac{b^3}{a^2b^{-3}} \)
\( ∴y^3 = a^{-2}b^{3-(-3)} = a^{-2}b^6 \)
これより、\( y = (a^{-2}b^6)^{\frac{1}{3}} \)となるので、\( y = a^{-\frac{2}{3}}b^2 \)
よって、$a$の指数は\( \displaystyle -\frac{2}{3} \)、$b$の指数は2です。
(2)\( b = 2\sqrt[3] {a^4} \)は、つまり、\( b = 2a^{\frac{4}{3}} \)
これを(1)で求めた\( x = a^2b^{-3} \)に代入すると、
\( x = a^2・(2a^{\frac{4}{3}})^{-3} \)
\( = a^2・2^{-3}・(a^{\frac{4}{3}})^{-3} \)
\( = a^2・2^{-3}・a^{-4} \)
\( = 2^{-3}a^{2-4} \)
\( = 2^{-3}a^{-2} \)
(1)で求めた\( y = a^{-\frac{2}{3}}b^2 \)に\( b = 2a^{\frac{4}{3}} \)を代入すると、
\( y = a^{-\frac{2}{3}}・(2a^{\frac{4}{3}})^2 \)
\( = a^{-\frac{2}{3}}・2^2・(a^{\frac{4}{3}})^2 \)
\( = a^{-\frac{2}{3}}・2^2・a^{\frac{8}{3}} \)
\( = 2^2a^{-\frac{2}{3}+\frac{8}{3}} \)
\( = 2^2a^2 \)
ここで、問題文に「$a$は正の実数」とあるのですから、\( 2^{-3}a^{-2}>0 \)ですし、\( 2^2a^2>0 \)なので、$x>0$、$y>0$が成り立ちます。
よって、問題文にあるとおり、相加平均と相乗平均の関係を使うことができます。
相加平均と相乗平均の関係は、
\( \displaystyle \frac{x+y}{2}≧\sqrt{xy} \)
このような式なので、これを変形すると、\( x+y≧2\sqrt{xy} \)
先ほど求めた$x$,$y$の値を代入すると、
\( 2\sqrt{xy} \)
\( = 2\sqrt{2^{-3}a^{-2}・2^2a^2} \)
\( = 2\sqrt{2^{-3+2}・a^{-2+2}} \)
\( = 2\sqrt{2^{-1}・a^0} \)
\( = 2\sqrt{2^{-1}・1} \)
つまり、
\( \displaystyle 2・\sqrt{\frac{1}{2}} = \frac{2}{\sqrt{2}} = \frac{2\sqrt{2}}{2} = \sqrt{2} \)
これより、\( x+y≧\sqrt{2} \)とわかります。よって、最小値は\( \sqrt{2} \)とわかります。
そして、相加平均と相乗平均の関係で最小値になるのは等号成立のとき、つまり$x = y$のときです。
\( 2^{-3}a^{-2} = 2^2a^2 \)ということなので、これが成立するときの$a$を考えます。
変形すると、\( \displaystyle \frac{1}{2^3a^2} = 2^2a^2 \)
\( 2^2a^2・2^3a^2 = 1 \)
\( 2^{2+3}a^{2+2} = 1 \)
\( 2^5a^4 = 1 \)
\( \displaystyle a^4 = \frac{1}{2^5} \)
これは\( a^4 = 2^{-5} \)ということなので、
\( a = \sqrt[4] {2^{-5}} \)
変形すると、\( a = 2^{-\frac{5}{4}} \)です。
答え.
ス 2 セソ -3
タ 2 チツ -2 テ 3
トナ -2
ニ 2
ヌ 2
ネノ -5 ハ 4