この問題のポイント
分点の位置ベクトルは内分・外分の公式をそのまま利用できる!
零ベクトルでなく平行でもない2本のベクトルを使ってsa→+tb→とあらわすとき、s,tの値は1つに定まる!
(1)あるベクトルを、始点が同じベクトル2本を使って表すときは、(終点)-(始点)で表すことができます。たとえば、この問題の場合は、→ABを、Fという同じ点が始点の→FA(→p),→FB(→q)で表しますが、→ABの始点はA、終点はBなので、→FB−→FAと表せるわけです。よって、→AB=→q−→pです。
よって、
|→AB|2
=(→q−→p)・(→q−→p)
=|→q|2−2・→p・→q+|→p|2
=|→p|2−2・→p・→q+|→q|2
(2)点Dは辺ABを1:3に内分する点、つまり内分点です。内分点や外分点をベクトルで表すには、次の公式を使います。
2点A(→a)とB(→b)を結ぶ線分ABをm:nに内分する点X(→x)は
→x=n→a+m→bm+n
2点A(→a)とB(→b)を結ぶ線分ABをm:nに外分する点X(→x)は
→x=−n→a+m→bm−n
数学Ⅱで習った内分点・外分点の公式の形のままですね。これを利用すると、点Dは辺ABを1:3に内分するんですから、
→FD=3・→FA+1・→FB1+3
→FD=3・→p+1・→q4
∴→FD=34→p+14→q
(3)→FD=s→rですから、(2)で求めた式に代入すると、
s→r=34→p+14→q
4s→r=3→p+→q
よって、→q=−3→p+4s→rであり、これが③の式になります。
次に、→FEのことが出てきてますが、点Eは辺BCをa:(1−a)に内分する点でしたから、(2)のように公式を使うと、
→FE=(1−a)・→FB+a・→FCa+(1−a)
→FE=(1−a)・→q+a→r
→FE=t→pですから、t→p=(1−a)・→q+a→r
(1−a)・→q=t→p−a→r
∴→q=t1−a→p−a1−a→r
これが④の式になりますね。③も④もどっちも→qを表した式ですが、→pも→rもどっちも零ベクトルでもなければ平行なベクトルでもありません。それなら、→pの係数も→rの係数も同じ数になっていないとおかしいです(これがベクトルの一次独立による性質です)。よって、
−3=t1−a
なので、t=−3(1−a)
4s=−a1−a
なので、s=−a4(1−a)
(4)|→p|=1なので、|→p|2=1です。
|→AB|2=|→p|2−2・→p・→q+|→q|2ですから、
|→AB|2=1−2・→p・→q+|→q|2
そして、→BEのことが問題に出てきてますから、それを考えましょう。(1)と同じように、(終点)-(始点)で考えると、
→BE=→FE−→FB=t→p−→q
(3)でt=−3(1−a)と求めたので、→BE=−3(1−a)→p−→q
よって、|→p|2=1ということも考慮に入れると、
|→BE|2
={−3(1−a)→p−→q}・{−3(1−a)→p−→q}
=9(1−a)2|→p|2+6(1−a)→p・→q+|→q|2
=9(1−a)2+6(1−a)→p・→q+|→q|2
|→AB|=|→BE|より、|→AB|2=|→BE|2ですから、
1−2→p・→q+|→q|2=9(1−a)2+6(1−a)→p・→q+|→q|2
1−2→p・→q=9(1−a)2+6(1−a)→p・→q
{6(1−a)+2}→p・→q=1−9(1−a)2
(6−6a+2)→p・→q=1−9(1−2a+a2)
(−6a+8)→p・→q=−9a2+18a−8
−2(3a−4)→p・→q=−(3a−4)(3a−2)
2(3a−4)→p・→q=(3a−4)(3a−2)
0<a<1ですから、3a−4≠0なので、
2→p・→q=3a−2
よって、→p・→q=3a−22
答え.
ア ② イ 2
ウ 3 エ 4 オ 1 カ 4
キク -3 ケ 4
コ 1 サ a シ a
スセ -a ソ 4 タチ -3
ツ 9 テ 6
トナ 3a ニ 2 ヌ 2