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この問題のポイント

(わられる式)=(わる式)×(商)+(余り)を利用して、余りはわる式より低い次数の式にしよう!
(わる式)= 0のときのxの値を使って考えよう!

今回の問題のように、「割り切れるとき」とか「余り」とかの言葉が出ているときには、剰余の定理や因数定理を使うことが大いに考えられます。こんな定理です。

剰余の定理多項式\(f(x)\)を$x-a$で割ったときの余りは\(f(a)\)である。
因数定理「多項式\(f(x)\)が$x-a$で割り切れる」⇔「\(f(a)\) = 0」

\(f(x)\)を$x-a$でわったときの商を\(g(x)\)、余りを$r$とすると、
\( f(x) = (x-a)・g(x)+r \)と表せて、
\( f(a) = (a-a)・g(x)+r = 0・g(x)+r = r \)
となるからですね。\( r = 0 \)とすると、因数定理もこの理屈で説明できます。この定理を利用して考えてみましょう。

(1)$x+1$で割り切れるんですから、商を\(g(x)\)とすると、
\( x^n+2x^{n-1}-a = (x+1)・g(x) \)とおけます。

そして、この式と因数定理より、\( x = -1 \)のとき\( f(-1) = 0 \)ですね。よって、
\( (-1)^n+2・(-1)^{n-1}-a = 0 \)

「○乗」という形はできるだけ統一して、計算できるものは計算しましょう。
\( (-1)^n = (-1)・(-1)^{n-1} \)ですから、上の式は、
\( (-1)・(-1)^{n-1}+2・(-1)^{n-1}-a = 0 \)
\( a = (-1+2)・(-1)^{n-1} = (-1)^{n-1} \)

$n$は正の定数だということしかわかりませんから、「$n$がこの数だったらいくらか」「$n$がこの数だった場合は…」と考えて場合分けしないといけません。今回の場合なら、
$n$が奇数(1,3,5,…)の場合→\( a = 1 \)
$n$が偶数(2,4,6,…)の場合→\( a = -1 \)です。

(2)\( x^2-1 \)という2次式で割っていますから、余りは絶対に1次以下、つまり、$x^2$みたいな「○乗」というのが一切ない式になります。ですから、余りをとりあえず\( px+q \)とおきましょう。
このように、わる式から、余りの式が何次式になるか判断して、その整式を作っておくと考えやすくなります

商を\(h(x)\)とすると、
\( f(x) = (x^2-1)・h(x)+px+q \)
変形して\( f(x) = (x+1)(x-1)・h(x)+px+q \)

ここで、(1)より、\( f(-1) = 0 \)ですから、
\( f(-1) = -p+q = 0 \)
\( -p+q = 0 \)より、\( p = q \)
よって、
\( f(x) = (x+1)(x-1)・h(x)+px+p \)…①

そして、因数定理より、①の式は、\( f(1) = 0 \)になります。このように、因数定理が使いやすいように、わる式は因数分解するようにしましょう。①の式に、\( x = 1 \)を代入すると、
\( f(1) = p+p = 2p \)

そして、もともと\( f(x) = x^n+2x^{n-1}-a \)であり、
(1)で\( a = (-1)^{n-1} \)と求まったんですから、
\( f(1) \)
\( = 1^n+2・1^{n-1}-(-1)^{n-1} \)
\( = 1+2・1-(-1)^{n-1} \)
\( = 3-(-1)^{n-1} \)

よって、
\( 2p = 3-(-1)^{n-1} \)
\( \displaystyle p = \frac{3-(-1)^{n-1}}{2} \)

だから、余りの式はこのように書けます。

\( \displaystyle \frac{3-(-1)^{n-1}}{2}x+\frac{3-(-1)^{n-1}}{2} \)

この形でももちろん正解です。ただし、このように変形すると、もっときれいな式になりますね。

\( \displaystyle \frac{3-(-1)^{n-1}}{2}x+\frac{3-(-1)^{n-1}}{2} \)
\( \displaystyle = \frac{3-(-1)^{n-1}}{2}×(x+1) \)

答え.

(1)$$ a = \begin{cases} 1 & (nが奇数のとき) \\ -1 & (nが偶数のとき) \end{cases} $$

(2)
\( \displaystyle \frac{3-(-1)^{n-1}}{2}×(x+1) \)