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この問題のポイント

2つのグラフの間の部分の面積は、(上のグラフ)-(下のグラフ)を積分して求めよう!

グラフの交点の座標は中学数学で学習したとおり、連立方程式で求められますね。つまり、今回の問題ならば、\( y = -x^3+9x^2 \)…①と\( y = -x^3+6x^2+7x \)…②を連立方程式にして解けばいいんです。

そうすると、①を②に代入して、
\( -x^3+9x^2 = -x^3+6x^2+7x \)
\( -x^3+x^3+9x^2-6x^2-7x = 0 \)
\( 3x^2-7x = 0 \)
\( x(3x-7) = 0 \)

これを解くと、\( \displaystyle x = 0,\frac{7}{3} \)
交点の$x$座標はこれで求めることができましたね。

次に、面積を求めましょう。①も②もどっちも3次関数のグラフですから、両方とも曲線になりますね。曲線のグラフで囲まれた図形の面積は、定積分を使って求めることができます。

つまり、\( y = f(x) \)と\( y = g(x) \)があって、\( y = f(x) \)のグラフのほうが上にある場合、2つのグラフと\( x = a \),\( x = b \)($b$のほうが数が大きいとします)で囲まれた部分の面積は、

\( \displaystyle \int_a^b \{(f(x)-g(x)\}dx \)

と計算できます。(上のグラフ)-(下のグラフ)の定積分だというわけですね。

どちらが上でどちらが下かがわからないと計算できませんから、グラフを描いて考えないといけません。
ただし、今回の問題ではグラフを描かなくても、どちらが上でどちらが下かを求めることができます。

交点を求めるときに
\( -x^3+9x^2 = -x^3+6x^2+7x \)
という方程式がありましたね?これを利用するんです。

たとえば、\( y = -x^3+9x^2 \)のほうが上にある場合だったら、
\( -x^3+9x^2 > -x^3+6x^2+7x \)
という関係になります。この不等式を解くと、
\( x(3x-7) > 0 \)
\( x<0 \),\( \displaystyle \frac{7}{3}<x \)となります。

逆に、\( y = -x^3+6x^2+7x \)のほうが上にある場合だったら、
\( -x^3+9x^2 < -x^3+6x^2+7x \)
という関係になり、これを解くと、
\( x(3x-7) < 0 \)となり、
\( \displaystyle 0<x<\frac{7}{3} \)

今回の問題では、\( -1≦x≦2 \)の範囲で考えるわけですが、さっきの不等式の解から考えて、
\( -1≦x<0 \)の範囲…
\( y = -x^3+9x^2 \)のほうが上
\( 0<x≦2 \)の範囲…
\( y = -x^3+6x^2+7x \)のほうが上
ということになります。

今回の問題のように、$x^3$の係数がまったく同じ場合は、このやり方でどちらが上でどちらが下かを考えるとやりやすいです。

あとは計算するだけです。

\begin{eqnarray} &&\int_{-1}^0 \{-x^3+9x^2-(-x^3+6x^2+7x)\}dx\\ &&~~~~+\int_0^2 \{-x^3+6x^2+7x-(-x^3+9x^2)\}dx \end{eqnarray}

つまり、

\( \displaystyle \int_{-1}^0 (3x^2-7x)dx+\int_0^2 (-3x^2+7x)dx \)
\( \displaystyle = \left[x^3-\frac{7}{2}x^2\right]_{-1}^0+\left[-x^3+\frac{7}{2}x^2\right]_0^2 \)
\( \displaystyle = \left\{0-\left(-1-\frac{7}{2}\right)\right\}+(-8+14-0) \)
\( \displaystyle = \frac{9}{2}+6 \)
\( \displaystyle = \frac{21}{2} \)

答え.
チ 0   ツ 7   テ 3
トナ 21   ニ 2