この問題のポイント
n進法では1の位、nの位、n2の位、n3の位、…という位取り!
小数だと小数第1位は1/nの位、小数第2位は1/n2の位、小数第3位は1/n3の位、…となる!
$n$個の数字で数を数え上げていく方式を$n$進法といいます。$n$進法で表している場合は、その数の右下に($n$)と書く必要があります。たとえば、ふだんの生活で使っている数字は0~9までの10個の数字を使っているので10進法であらわされているといえます。この10進法の数を例にとって少し考えてみましょう。
たとえば、453という数字は百の位が4、十の位が3、一の位が5なので、400+30+5といえます。これは次のように言い換えることができます。
453
= 400+30+5
= 4×100+3×10+5
\( = 4×10^2+3×10+5 \)
ほかにも、3869であれば、3000+800+60+9ですから、\( 3×10^3+8×10^2+6×10+9 \)とおけます。
つまり、10進法では、1の位、10の位、$10^2$の位、$10^3$の位、$10^4$の位、…と位取りがされていることになります。
よって、$n$進法では1の位、$n$の位、$n^2$の位、$n^3$の位、$n^4$の位、…という位取りをしていることになります。これを前提として問題を解いていきましょう。
(1)$N$は5進法で表すと、$abc$(5)ですから、
\( N = a×5^2+b×5+c = 25a+5b+c \) …①
また、7進法で表すと、$cab$(7)ですから、
\( N = c×7^2+a×7+b = 49c+7a+b \) …②
①,②より、
\( 25a+5b+c = 49c+7a+b \)
\( 4b = 48c-18a \)
\( 2b = 24c-9a = 3(8c-3a) \) …③
$a$,$c$は自然数ですから、$3(8c-3a)$は3の倍数といえます。よって、$b$は3の倍数です。さらに、$b$は1以上4以下なんですから、$b = 3$です。これを③に代入すると、
\( 2×3 = 3(8c-3a) \)
\( 2 = 8c-3a \)
\( 3a = 8c-2 = 2(4c-1) \) …④
$2(4c-1)$は2の倍数、つまり偶数を表しますから、$3a$が偶数になるには$a$が偶数である必要があります。$a$も1以上4以下なので、2か4のいずれかと考えることができます。
[1]$a = 2$の場合
④より、\( 3×2 = 2(4c-1) \)
\( 4c-1 = 3 \)
\( 4c = 4 \)なので\( c = 1 \)
$c$は1以上4以下なので、これはその条件に合致します。
[2]$a = 4$の場合
④より、\( 3×4 = 2(4c-1) \)
\( 4c-1 = 6 \)
\( 4c = 7 \)で、1以上4以下の整数でこれを満たすものは存在しません。
以上より、$a$が2,$b$が3,$c$が1なので、$N$ = 231(5)なので、
\( N = 2×5^2+3×5+1 \)
= 2×25+3×5+1 = 66(10)
(2)8進法で表されているので見た目がいつもとちがっていますが、結局は正の整数が小さい順に並んでいるにすぎません。よって、700番目の数は10進法で700と書く数字ですので、これを8進法で表しましょう。
700
\( = 8^3+188 \)
\( = 8^3+2×8^2+60 \)
\( = 8^3+2×8^2+7×8+4 \)
このようになるので、8進法で表すと1274(8)です。
次に、8進法で表すと4桁になる最小の数ですが、これは1000(8)のことです。1があるのは$8^3$の位ですから、
\( 1000_{(8)}= 8^3 = (2^3)^3 = 2^9 \)です。つまり、$2^9$の位になってようやく1があることになるので、2進法で表すと1000000000(2)となります。よって、2進法で表すと10桁です。
最後に、8進法で表すと4桁になる最大の数ですが、これは7777(8)のことです。さっきの、4桁になる最小の数と同じやり方で考えていってもいいのですが、そのやり方だと少し計算に手間がかかりますので、やり方をくふうしてみます。
この7777(8)に1をたすと5桁になるわけで、その数は10000(2)です。これを2進法で表すと、
\( 10000_{(8)}= 8^4 = (2^3)^4 = 2^{12} \)より、さっきの、4桁になる最小の数と同じように考えれば13桁とわかります。
ただし、この数は7777(8)に1をたした数でしたね?なので、7777(8)は12桁です。
(3)$n$進法は小数にもあります。これも10進法を例にとって考えてみましょう。
たとえば、0.547という数字は次のように言い換えることができます。
0.547
= 0.5+0.04+0.007
= 0.1×5+0.01×4+0.001×7
\( \displaystyle = \frac{1}{10}×5+\frac{1}{100}×4+\frac{1}{1000}×7 \)
\( \displaystyle = \frac{1}{10}×5+\frac{1}{10^2}×4+\frac{1}{10^3}×7 \)
小数第1位から順に\( \displaystyle \frac{1}{10} \)の位、\( \displaystyle \frac{1}{10^2} \)の位、\( \displaystyle \frac{1}{10^3} \)の位、…となっています。このように、$n$進法の小数では小数第1位から順に\( \displaystyle \frac{1}{n} \)の位、\( \displaystyle \frac{1}{n^2} \)の位、\( \displaystyle \frac{1}{n^3} \)の位、…を表すようになっています。
ということは、7進法の小数は小数第1位から順に\( \displaystyle \frac{1}{7} \)の位、\( \displaystyle \frac{1}{7^2} \)の位、\( \displaystyle \frac{1}{7^3} \)の位、…を表すこととなります。これより、
\( \displaystyle \frac{123}{343} = \frac{x_1}{7}+\frac{x_2}{7^2}+\frac{x_3}{7^3}+… \)とおきます。
この両辺に7をかけると
\( \displaystyle \frac{123}{49} = x_1+\frac{x_2}{7}+\frac{x_3}{7^2}+… \) …㋐
\( \displaystyle \frac{123}{49} \)は2より大きく3より小さいので$x_1 = 2$です。
そして、㋐の式の両辺から2をひくと、
\( \displaystyle \frac{25}{49} = \frac{x_2}{7}+\frac{x_3}{7^2}+… \)
この式の両辺に7をかけると
\( \displaystyle \frac{25}{7} = x_2+\frac{x_3}{7}+… \) …㋑
\( \displaystyle \frac{25}{7} \)は3より大きく4より小さいので$x_2 = 3$。
㋑の式の両辺から3をひくと、
\( \displaystyle \frac{4}{7} = \frac{x_3}{7}+… \)なので$x_3 = 4$
以上より、\( \displaystyle \frac{123}{343} \)を7進法の小数で表すと0.234(7)です。
答え.
(1)
$N$ = 66(10)
(2)
ア 1274 イ 10 ウ 12
(3)
0.234(7)