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この問題のポイント

nか所にr個の同じものを並べるときは組み合わせ(nCr)を利用する!

(1)5桁の数について、ふつうは順列を使って求めることができますが、この問題では1,1,5,5という同じ数字があり、それが考えるのをややこしくしています。しかも同じ数字は1と5の2種類があります。そこで、同じ数字を何種類使うかで場合分けして整理し、それぞれの場合で数え上げます。

[1]同じ数字が含まれていない場合

1,2,3,4,5の5個の数字を並べることになるから、5個のものを並べる順列を考えればよいので、
\( {}_5 \mathrm{P}_5 \) = 5・4・3・2・1 = 120通り

[2]同じ数字を1種類使う場合

たとえば、1を2つ使うとします。このとき、数字を置く桁5つのうち、1を置く桁2つを決めなければなりません。その選び方は順列ではなく組合せを使って求めますから、その選び方は全部で
\( \displaystyle {}_5 \mathrm{C}_2 = \frac{5・4}{2・1} \) = 10通り

そして、2,3,4,5から3つの数字を選んで、残った桁に並べますから、4つのものから3つを選んで並べることになるので、その並べ方は、
\( {}_4 \mathrm{P}_3 \) = 4・3・2 = 24通り

よって、1を2つ使ったときの5桁の数は
10×24 = 240通り

これは5を2つ使った場合でも同様ですから、結局、同じ数字を1種類使った場合の5桁の数は全部で、
240×2 = 480通り

このように、同じものを並べるときは$n$か所に$r$個の同じものを並べるときは組み合わせを考えるといいわけです。

[3]同じ数字を2種類使う場合

まず、1を置く桁として、5つの桁から2つを選べばいいので、その選び方は
\( \displaystyle {}_5 \mathrm{C}_2 = \frac{5・4}{2・1} \) = 10通り

次に、5を置く桁は、残った3つの桁から2つを選ぶことになるので、その選び方は
\( {}_3 \mathrm{C}_2 = {}_3 \mathrm{C}_1 \) = 3通り

あとは、2,3,4から1つの数字を選ぶだけであり、その選び方は3通りですから、同じ数字を2種類使った場合の5桁の数は全部で、
10×3×3 = 90通り

よって、[1]~[3]より、5桁の数は全部で
120+480+90 = 690通り

次に、23145が何番目かという問題についてですが、小さい方から並べているということは、この数字の前に1□□□□,21□□□の形の数字があるはずですから、これらが何個あるのかを調べましょう。

i)1□□□□の数

□で表されている4つの桁に5が2つ使われている場合と使われていない場合がありますから、それをきちんと分けて数えていきます。

まず、5が2つ使われていない場合は、2,3,4,5ともう一つの1のうち4つを並べるわけですから、その場合の個数は
\( {}_5 \mathrm{P}_4 \) = 5・4・3・2 = 120個

次に、5が2つ使われている場合は、4つの桁のうち5を並べるところを2つ選ぶので、その選び方は
\( \displaystyle {}_4 \mathrm{C}_2 = \frac{4・3}{2・1} \) = 6通り

そして、残った桁に2,3,4ともう一つの1のうち2つを並べることになり、その並べ方は
\( {}_4 \mathrm{P}_2 \) = 4・3 = 12通り

よって、5が2つ使われている場合の個数は、6×12 = 72個なので、1□□□□の数は全部で
120+72 = 192個

ii)21□□□の数

ここでも、□で表されている桁に5が2つ使われている場合と使われていない場合が考えられますから、i)と同じように考えます。

5が2つ使われていない場合は、3,4,5ともう一つの1のうち3つを□で表されている桁に並べるわけですから、その場合の個数は
\( {}_4 \mathrm{P}_3 \) = 4・3・2 = 24個

次に、5が2つ使われている場合は、3つの桁のうち5を並べるところを2つ選ぶので、その選び方は
\( {}_3 \mathrm{C}_2 = {}_3 \mathrm{C}_1 \) = 3通り

そして、残った桁1つに3,4ともう一つの1のうちどれかを並べるので、その選び方は3通りです。

よって、5が2つ使われている場合の個数は、3×3 = 9個なので、21□□□の数は全部で
24+9 = 33個

よって、i),ii)より、192+33個の数が23145の前にあることがわかりましたが、23□□□についても、23114,23115,23141の3つは23145より前に並ぶわけですから、結局、23145より前にある数は全部で
192+33+3 = 228個

これより、23145は229番目にあるとわかります。

(2)同じものが隣り合わないのは何通りかを調べるには、全通りから同じものが隣り合うのをひくと簡単に求まることが多いです。この問題でも、(1)で5桁の数が全部でいくつあるかを求めましたから、ここではいったん同じ数字が隣り合うのが何通りあるかを調べてみましょう。

[1]同じ数字が含まれていない場合

同じ数字が含まれていないのですから、隣り合うということはありえないので、調べる必要はありません。

[2]同じ数字を1種類使う場合

1を2つ使った場合で考えると、まず1以外の数字については、2,3,4,5から3つ、つまり4つの数字から3つを選んで並べることになりますが、その3つの数字の選び方は\( {}_4 \mathrm{C}_3 \)通りあります。

そして、1,1を1つの数字とみなせば、その選んだ3つの数字と合わせて4つの数字を並べるのと同じことになるので、その並べ方は\( {}_4 \mathrm{P}_4 \)通りです。

よって、1が隣り合うのは全部で
\( {}_4 \mathrm{C}_3×{}_4 \mathrm{P}_4 = {}_4 \mathrm{C}_1×{}_4 \mathrm{P}_4 \) = 4×4・3・2・1 = 96通り

これは5を2つ使った場合でも同様ですから、結局、同じ数字を1種類使う場合で同じ数字が隣り合うのは
96×2 = 192通り

[3]同じ数字を2種類使う場合

1を2つ使った場合から考えます。1,1を1つの数字とみなして4つの数字を並べるのと同じですが、まず、5を並べる場所をそこから2つ選ばなければなりません。その選び方は、
\( \displaystyle {}_4 \mathrm{C}_2 = \frac{4・3}{2・1} \) = 6通り

そして、2,3,4から1つ、つまり3通りの選び方をしてから、1,1とその数字を並べることになるので、結局、1を2つ使った場合で1が隣り合うのは
\( 6×3×{}_2 \mathrm{P}_2 \) = 6×3×2・1 = 36通り

これは5を2つ使った場合でも同様で36通りです。ただし、そのまま合計してしまうと、1,1と5,5の両方が隣り合っている場合が重複して計算されてしまいますので、その分を引かなければいけません。

2,3,4から1つ、つまり3通りの選び方をしてから、1,1と5,5とその選んだ数字の3つを並べるわけですから、その並べ方は
\( 3×{}_3 \mathrm{P}_3 \) = 3×3・2・1 = 18通り

結局、同じ数字を2種類使う場合で同じ数字が隣り合うのは
36+36-18 = 54通り

よって、同じ数字が隣り合うのは192+54 = 246通りなので、同じ数字が隣り合わないのは
690-246 = 444通りです。

答え.
(1)ソ 690   タ 229
(2)チ 444