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この問題のポイント

箱ひげ図には、最小値と最大値、中央値、第1四分位数、第3四分位数が表されている!

(1)「第3四分位数」という用語がありますが、この意味を理解するには四分位数の意味が理解できていないといけません。意味を確認しましょう。

四分位数
データを小さい順に並べた数の列を四等分して、四等分した境界にあたるデータのこと

中央値(第2四分位数)
データを小さい順に並べた数の列の真ん中にあるデータ

第1四分位数
データを小さい順に並べた数の列にて、最初と中央値(第2四分位数)の真ん中にあるデータ
(つまり、前半データの中央値)

第3四分位数
データを小さい順に並べた数の列にて、中央値(第2四分位数)と最後の真ん中にあるデータ
(つまり、後半データの中央値)

四分位範囲
第3四分位数と第1四分位数の差

例:62,64,65,67,67,68,70,73,77,80,82

このデータの
中央値(第2四分位数)は68
第1四分位数は65
第3四分位数は77
四分位範囲は77-65 = 12

ということは、ハンドボール投げをした生徒40人のデータについて、第3四分位数とは、飛距離が小さい順に並べたときの30番目と31番目の平均ということになります。それを求めるには、飛距離が上位10番目と11番目の人のデータが必要ということになります。ヒストグラムを見ると、

45m以上50m未満に1人、
40m以上45m未満に1人、
35m以上40m未満に3人、
30m以上35m未満に4人

という人数がいるので、飛距離が上位10番目と11番目の人はどちらも、データの階級は25m以上30m未満ということになります。よって、第3四分位数が含まれる階級も25m以上30m未満ということになります。

(2)箱ひげ図をかくときには、最小値と最大値、中央値、第1四分位数、第3四分位数がわからなければいけません。第3四分位数については、「25m以上30m未満」の階級に含まれると(1)でわかりましたから、その他の値も同じように考えてみましょう。

まず、ヒストグラムを見ると明らかなように、最小値は「5m以上10m未満」、最大値は「45m以上50m未満」の階級に含まれるとわかります。

第1四分位数は、飛距離が小さい順に並べたときの10番目と11番目の平均ということになりますから、
5m以上10m未満に1人、
10m以上15m未満に4人、
15m以上20m未満に6人
いることを考えると、10番目と11番目の人はどちらも、データの階級は15m以上20m未満なので、第1四分位数が含まれる階級も「15m以上20m未満」です。

中央値(第2四分位数)は、飛距離が小さい順に並べたときの20番目と21番目の平均ですから、同じように考えると、「20m以上25m未満」ということになります。選択肢の箱ひげ図それぞれについて、これらの値が、求めた階級のところにあるかをチェックしましょう。すると、

[0]…第3四分位数が「25m以上30m未満」になっていません。
②…第1四分位数が「15m以上20m未満」、第3四分位数が「25m以上30m未満」になっていません。
③…第1四分位数が「15m以上20m未満」、第3四分位数が「25m以上30m未満」になっていません。
⑤…第1四分位数が「15m以上20m未満」になっていません。

よって、ヒストグラムと矛盾する箱ひげ図はこの4つといえます。

(3)箱ひげ図を見て考えなければいけませんから、(2)と同じように最小値や最大値、中央値、第1四分位数、第3四分位数がどうなっていないといけないかということから考えていきましょう。

Aの場合:
(2)を考えたときに第1四分位数は「15m以上20m未満」と考えていました。全員の記録が下がったなら、第1四分位数は20m未満になるのは確実ですが、aの箱ひげ図では20mより大きいことになっていますから矛盾しています。

Bの場合:
(2)を考えたときの値より大きくなっているはずですから、最小値は5m以上、最大値は45m以上、第1四分位数は15m以上、中央値(第2四分位数)は20m以上、第3四分位数は25m以上となるはずです。bの箱ひげ図はそのすべてを満たす形になっています。

Cの場合:
(2)を考えたときに最大値は「45m以上50m未満」と考えていました。最大値を記録した生徒は上位3分の1の生徒になるはずなので、最大値は必ず45m以上となるはずです。でも、cの箱ひげ図の最大値はそのようになっていませんので、矛盾しています。

Dの場合:
上位13人の記録が伸びたことになるので、最大値は45m以上・第3四分位数は25m以上に、下位13人の記録は下がったので、最小値は10m以下・第1四分位数は20m以下の状態に必ずなるはずです。dの箱ひげ図はそのすべてを満たす形になっています。

よって、[0]と②が矛盾している組合せといえます。

答え.
ア ④
イ [0]   ウ ②   エ ③   オ ⑤
カ [0]   キ ②
(イ・ウ・エ・オとカ・キについては、この順どおりでなくてもOK)