この問題のポイント
確率Pで成功することがらがn回中k回成功する確率は
nCkPk(1-P)n-k
(a) この問題のように、同じ条件のもとで同じことを繰り返し行われることを反復試行といいます。
反復試行の確率は「この問題のポイント」にある公式で求めることができます。$P$が$k$回起こる確率は$P^k$で、$n$回のうちそれを$k$回どこで起こすかの選び方は\( {}_n \mathrm{C}_k \)通りあるので$k$回起こる確率は\( {}_n \mathrm{C}_kP^k \)、Pが起こらない確率は$1-P$でそれが残りの$(n-k)$回起こるので\( (1-P)^{n-k} \)なので、こういう公式になるんですね。
玉は全部で6個あり、白玉は2個なので白玉を取り出す確率は6分の2、つまり3分の1です。ということは、それ以外の玉を取り出す確率は1からそれを引いた3分の2です。あとは公式にあてはめて考えると、
\( \displaystyle {}_3 \mathrm{C}_2・\left(\frac{1}{3}\right)^2・\left(\frac{2}{3}\right) \)
\( \displaystyle = 3・\frac{1}{9}・\frac{2}{3} \)
\( \displaystyle = \frac{2}{9} \)
(b) $k$回中、$(k-1)$回以上出るということは、$(k-1)$回出る確率と$k$回出る確率を合わせればいいということになります。(a)と同じように考えると、$(k-1)$回白玉が出る確率は
\( \displaystyle {}_k \mathrm{C}_{k-1}・\left(\frac{1}{3}\right)^{k-1}・\left(\frac{2}{3}\right)^{k-(k-1)} \)
\( \displaystyle = {}_k \mathrm{C}_1・\left(\frac{1}{3}\right)^{k-1}・\left(\frac{2}{3}\right) \)
\( \displaystyle = k・\frac{1}{3^{k-1}}・\frac{2}{3} \)
\( \displaystyle = \frac{2k}{3^k} \)
$k$回白玉が出る確率は、結局すべての回で白玉が出るということなので、
\( \displaystyle \left(\frac{1}{3}\right)^k = \frac{1}{3^k} \)
よって、求める確率は
\( \displaystyle \frac{2k}{3^k}+\frac{1}{3^k} \)
\( \displaystyle = \frac{2k+1}{3^k} \)
(c) この問題のように、「少なくとも」とある確率の問題では反対のことがらが起こる確率を考えるとスムーズに解けることが多いです。たとえばこの問題でしたら、「少なくとも2回」なので、黒玉が0回出る(=まったく黒玉が出ない)場合と黒玉が1回出る場合の確率を考えます。
玉は全部で6個で黒玉は3個なので、黒玉を取り出す確率は6分の3、つまり2分の1です。黒玉以外の玉を取り出す確率は1からそれを引いた2分の1なので、$k$回やってまったく黒玉が出ない確率は
\( \displaystyle \left(\frac{1}{2}\right)^k = \frac{1}{2^k} \)
$k$回中1回黒玉が出る確率は
\( \displaystyle {}_k \mathrm{C}_1・\left(\frac{1}{2}\right)・\left(\frac{1}{2}\right)^{k-1} \)
\( \displaystyle = k・\frac{1}{2}・\frac{1}{2^{k-1}} \)
\( \displaystyle = \frac{k}{2^k} \)
このように、反対のことがらが起こる確率を考えたら、それを1からひけば求める確率を求めることができます。なので、今求めた2つの確率を1からひくと、
\( \displaystyle 1-\left(\frac{1}{2^k}+\frac{k}{2^k}\right) \)
\( \displaystyle = \frac{2^k}{2^k}-\frac{1}{2^k}-\frac{k}{2^k} \)
\( \displaystyle = \frac{2^k-k-1}{2^k} \)
答え.
ト 2 ナ 9
ニ 2 ヌ 1 ネ 3
ノ 2 ハ 1 ヒ 2