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この問題のポイント

ax+by = cを満たすx,yはユークリッドの互除法で見つかる!
ユークリッドの互除法で最大公約数を求めた過程の式を変形してax+by = cの式をつくっていく!

(1)$a$と$b$2つの数について、大きい数を小さい数で割り、あまりで割る数で割り、さらにあまりで割る数を割り、…ということを割り切れるまで続け、最後の割る数が最大公約数となる計算のしかたがあり、これをユークリッドの互除法といいます。

これを利用すると、\( ax+by = c \)を満たす$x$,$y$を求めることができます。具体的にどういうことなのかは、問題を解いていくことで説明しましょう。

\( 92x+197y = 1 \)という方程式では、$a$が92、$y$が197です。これをユークリッドの互除法を使って、最大公約数を求めていくと、
197÷92 = 2あまり13 …①
92÷13 = 7あまり1 …②
13÷1 = 13

よって、92と197の最大公約数は1ということになります。
そして、(割られる数)=(割る数)×(商)+(余り)という関係が成り立つんですから、その過程の式について、このように変形することができます。

①は、
197 = 92×2+13より、13 = 197-92×2 …③
②は、
92 = 13×7+1より、1 = 92-13×7 …④

④に③を代入すると、
1 = 92-(197-92×2)×7
1 = 92-197×7+92×14
1 = 92×15+197×(-7)

92×15+197×(-7) = 1は、\( 92x+197y = 1 \)と同じような形の式になっていますね。このように、もとの方程式の形と同じ式に変形していくことがポイントです。この時点で、\( 92x+197y = 1 \)を満たす解として、\( x = 15 \),\( y = -7 \)があるというのがわかります。

ただし、そこでわかった解というのは、あくまで一例ですので、他にもある解をこれだけで見つけることはできません。それをわかるようにするには、このようにします。

\( 92x+197y = 1 \)から92×15+197×(-7) = 1を辺々からひくと、
\( 92(x-15)+197(y+7) = 0 \)
これより、\( 92(x-15) = 197(-y-7) \)

92と197の最大公約数は1だとさっきわかりましたので、92と197は互いに素となります。よって、この等式が成り立つためには、$m$を整数とすると、
\( x-15 = 197m \)
\( -y-7 = 92m \)とならないといけませんね。

なので、\( x = 197m+15 \),\( y = -92m-7 \)
この$m$にいろいろな数を入れて計算することで、\( 92x+197y = 1 \)を満たす$x$,$y$をたくさん求めることができます。

ここでは、$x$の絶対値が一番小さいものを求めないといけないわけですから、$m$に-1,0,1を代入して計算していくとその値が求まりそうですね。

\( m = -1 \)のとき、\( x = 197×(-1)+15 = -182 \)
\( m = 0 \)のとき、\( x = 197×0+15 = 15 \)
\( m = 1 \)のとき、\( x = 197×1+15 = 212 \)
よって、求める解は、\( m = 0 \)のときの\( x = 15 \)と、\( y = -92×0-7 = -7 \)

次に、92×15+197×(-7) = 1の両辺を10倍すると、
92×15×10+197×(-7)×10 = 10
92×150+197×(-70) = 10

\( 92x+197y = 10 \)から92×150+197×(-70) = 10を辺々ひくと、
\( 92(x-150)+197(y+70) = 0 \)
これより、\( 92(x-150) = 197(-y-70) \)

92と197は互いに素だったんですから、この等式が成り立つためには、$n$を整数とすると、
\( x-150 = 197n \)
\( -y-70 = 92n \)とならないといけません。

なので、\( x = 197n+150 \),\( y = -92n-70 \)
ここでも、$x$の絶対値が一番小さいものを求めないといけないわけですから、$n$に-1,0,1を代入して計算していくとその値が求まりそうですね。

\( n = -1 \)のとき、\( x = 197×(-1)+150 = -47 \)
\( n = 0 \)のとき、\( x = 197×0+150 = 150 \)
\( n = 1 \)のとき、\( x = 197×1+150 = 347 \)
よって、求める解は、\( n = -1 \)のときの\( x = -47 \)と、\( y = -92×(-1)-70 = 22 \)

答え.
アイ 15   ウエ -7
オカキ -47   クケ 22