この問題のポイント
axbyczと素因数分解できたときは、その数の約数は(x+1)(y+1)(z+1)個!
そのときの約数の総和は(1+a+a2+a3+…+ax)(1+b+b2+b3+…+by)(1+c+c2+c3+…+cz)!
約数の個数は上の公式で求めることができます。なんでかというと、約数はそれぞれの素因数(素因数分解したらかけ合わされてるそれぞれの数)をかけるパターンで出来上がるからです。
上の公式だったら、$a$についてのかけ方は、$a$の0乗(=1)、$a$の1乗(=$a$)、$a$の2乗、…$a$の$x$乗の全部で$(x+1)$通りあるはずです。$b$についても同じように考えたら$(y+1)$通り、$c$についても$(z+1)$通りあることになります。
これらをかけ合わせるんですから、\( (x+1)(y+1)(z+1) \)個となるわけですね。
では、864についての約数を考えるわけなので、これを素因数分解します。素因数分解すると、
\( 864 = 2^5×3^3 \)
しかし、すべての約数ではなく、その中の12の倍数のものと18の倍数のものだけを考えればいいとなります。たとえば、12の倍数のものですが、倍数ということは「12×○」という形で表すことができるはずです。なので、さっきの素因数分解した形を「12×○」という形に変換してみましょう。
素因数分解した後の形を加工しますから、12も素因数分解して考えると、\( 12 = 2^2×3 \)ですから、
\( 2^5×3^3 = (2^2×3)×(2^3×3^2) = 12×(2^3×3^2) \)
よって、12の倍数である約数の個数は、\( 2^3×3^2 \)の約数の個数と同じだということになります。これの約数の個数は、
(3+1)(2+1) = 4×3 = 12個
18の倍数である約数も同じように考えると、\( 18 = 3^2×2 \)なので、
\( 2^5×3^3 = (3^2×2)×(2^4×3) = 18×(2^4×3) \)
これより、18の倍数である約数の個数は、(4+1)(1+1) = 5×2 = 10個です。
あとは、これらの個数をたすだけではあるのですが、注意すべきことが1つあります。単純にたしてしまうと、12の倍数でなおかつ18の倍数でもある約数は2回数え上げてしまっている状態になっちゃいます。
この「12の倍数でなおかつ18の倍数でもある約数」とは、12と18の最小公倍数である36の倍数である約数ということですから、この分を引き算しないといけません。
36の倍数である約数もさっきのように考えるといいでしょう。\( 36 = 2^2×3^2 \)ですから、
\( 2^5×3^3 = (2^2×3^2)×(2^3×3) = 36×(2^3×3) \)より、
36の倍数である約数の個数は、(3+1)(1+1) = 4×2 = 8個です。
よって、結局、個数は、12+10-8 = 14個です。
次に、総和を考えましょう。約数は素因数分解した素因数のかけ合わせで作られるわけですから、そのかけ合わせのパターンをすべてたせば総和が求まります。だから、一番上のところで示した公式で求めることができるわけですね。
12の倍数である約数については、さっき\( 12×(2^3×3^2) \)という式から考えました。ですから、総和を求める公式を利用すると、12の倍数である約数の総和は
\( 12×(1+2+2^2+2^3)(1+3+3^2) \)
= 12×(1+2+4+8)(1+3+9)
= 12×15×13
18の倍数である約数についても同じように考えると、
\( 18×(1+2+2^2+2^3+2^4)(1+3) \)
= 18×(1+2+4+8+16)(1+3)
= 18×31×4
そして、さっき36の倍数である約数の分を引きましたが、総和についても同じです。36の倍数である約数の総和は
\( 36×(1+2+2^2+2^3)(1+3) \)
= 36×(1+2+4+8)(1+3)
= 36×15×4
よって、求める総和は
12×15×13+18×31×4-36×15×4
これをそのまま計算してももちろんいいのですが、かけ算をしていくと数が大きくなり、計算ミスをしてしまいそうになりますから、少し工夫をしてミスをする可能性を減らしてみましょう。12も18も36も、どれも6で割ることができますから、それを利用して因数分解すれば
12×15×13+18×31×4-36×15×4
= 6(2×15×13+3×31×4-6×15×4)
= 6×3(2×5×13+31×4-2×15×4) ←さっきの式をさらに因数分解
= 18(2×5×13+31×4-2×15×4)
これ以上は因数分解できないので、計算していくと、
18(130+124-120)
= 18×134
= 2412
答え. 個数…14個、総和…2412