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この問題のポイント

平方完成を通して放物線の頂点を導けるので、それを利用して考えよう!
放物線の平行移動も頂点に着目して考えよう!

放物線の頂点のことが問題文で触れられています。こういうときは2次関数の方程式を平方完成することで求めることができます。
なぜなら、2次関数のグラフの頂点について、こう言えるからです。

2次関数\( y = ax^2+bx+c \)は平方完成すると
\( \displaystyle y = a(x+\frac{b}{2a})^2-\frac{b^2}{4a}+c \)
とおけるので、頂点は\( \displaystyle (-\frac{b}{2a},-\frac{b^2}{4a}+c) \)

平方完成といっても、さほど難しい手順ではありません。ポイントは、$x$の係数の半分の2乗を足し引きするということです。
まず、$G_2$の頂点が$G_1$上にあるとあるので、②を平方完成していきましょう。

\( y = x^2+2ax+b \)
\( = x^2+2ax+a^2-a^2+b \) ←$x$の係数$2a$の半分は$a$なので、その2乗を足し引き
\( = (x^2+2ax+a^2)-a^2+b \)
\( = (x+a)^2-a^2+b \)

こうやって、2乗を足し引きした後は前の部分を因数分解するといいわけですね。
これより、$G_2$の頂点は\( (-a,-a^2+b) \)とわかりました。これが$G_1$上にあるということは、①の方程式に代入しても成り立つわけですから、

\( -a^2+b = 3・(-a)^2-2・(-a)-1 \)
\( -a^2+b = 3a^2+2a-1 \)
\( b = 4a^2+2a-1 \) となります。

これをさっきの\( (-a,-a^2+b) \)に代入すると、
\( (-a,-a^2+4a^2+2a-1) \)
よって、$G_2$の頂点の座標は\( (-a,3a^2+2a-1) \)と表せます。

(1)ここまでの説明により、$G_2$の頂点の$y$座標は\( 3a^2+2a-1 \)と求まりましたので、これを$Y$とおきます。この最小値ですが、$Y$は$a$でできた2次関数になっていますね?

2次関数の最大値・最小値はグラフで考えればわかりやすいはずです。2次関数の放物線のグラフでは頂点がどこかというのが深く関わりますから、$Y$の頂点を平方完成して求めましょう。すると、

$Y$
\( = 3a^2+2a-1 \)
\( \displaystyle = 3(a^2+\frac{2}{3}a)-1 \)
\( \displaystyle = 3(a^2+\frac{2}{3}a+\frac{1}{9}-\frac{1}{9})-1 \)
\( \displaystyle = 3(a^2+\frac{2}{3}a+\frac{1}{9})-\frac{1}{3}-1 \)
\( \displaystyle = 3(a+\frac{1}{3})^2-\frac{4}{3} \)

これより、$Y$の放物線の頂点は\( \displaystyle (-\frac{1}{3},-\frac{4}{3}) \)で、下に凸の放物線だとわかります。

下に凸の放物線なんですから、最小値は頂点のところとなりますが、上のほうにはどんどんグラフの線がひけますから、最大値は存在しないということになります。
ですから、$G_2$の頂点の$y$座標は、\( \displaystyle a = -\frac{1}{3} \)のときに最小値\( \displaystyle -\frac{4}{3} \)をとります。

次に、$G_2$の軸ですが、放物線の軸は、頂点の$x$座標に等しいところを通るんですから、$G_2$の頂点の$x$座標さえ求まればいいはずです。$G_2$の頂点は\( (-a,3a^2+2a-1) \)だったんですから、頂点の$x$座標は$-a$です。$a$の値はついさっきの計算で求まったんですから、それを代入すればOKです。つまり、$G_2$の軸は、
\( \displaystyle x = -\left(-\frac{1}{3}\right) = \frac{1}{3} \)

また、$G_2$と$x$軸との交点は$G_2$の方程式がわかっていないと求まりませんが、$a$の値が求まったんですから、それを②の式に代入すると、$G_2$の方程式が求まります。\( b = 4a^2+2a-1 \)だったんですから、$G_2$の方程式は、

\begin{eqnarray} &&y = x^2+2・\left(-\frac{1}{3}\right)・x\\ &&~~~~+4・\left(-\frac{1}{3}\right)^2+2・\left(-\frac{1}{3}\right)-1\\ &&y = x^2-\frac{2}{3}x+\frac{4}{9}-\frac{2}{3}-1\\ &&y = x^2-\frac{2}{3}x-\frac{11}{9}\\ \end{eqnarray}

よって、$G_2$と$x$軸との交点の$x$座標は、
\( \displaystyle x^2-\frac{2}{3}x-\frac{11}{9} = 0 \)
\( 9x^2-6x-11 = 0 \)
解の公式を使って解くと、\( \displaystyle x = \frac{1±2\sqrt{3}}{3} \)

これが交点の$x$座標となります。

(2)点(0,5)を通るということは、$G_2$の方程式である②に代入しても式は成り立つはずです。\( b = 4a^2+2a-1 \)だったんですから、そうすると、

\( 5 = 0^2+2a・0+4a^2+2a-1 \)
\( 4a^2+2a-1 = 5 \)
\( 4a^2+2a-6 = 0 \)
\( 2a^2+a-3 = 0 \)
\( (a-1)(2a+3) = 0 \)
\( \displaystyle ∴a = 1,-\frac{3}{2} \)

これでが1だとわかりましたので、それを②に代入しておきましょう。\( b = 4a^2+2a-1 \)ということもあわせて注意すると、
\( y = x^2+2・1・x+4・1^2+2・1-1 \)
\( y = x^2+2x+5 \)

これを平行移動するわけですが、頂点のことが書いてありましたので、平方完成して頂点を考えると、
\( y = x^2+2x+1-1+5 \)
\( y = (x^2+2x+1)-1+5 \)
\( y = (x+1)^2+4 \)
よって、頂点は(-1,4)です。

これを平行移動するわけですが、二次関数では、頂点に着目して平行移動を考えると計算がラクになる場合が多います。つまり、こう考えるといいわけです。

頂点が\( (a,b) \)の二次関数のグラフを$x$軸方向に$p$,$y$軸方向に$q$だけ平行移動した後のグラフの頂点は\( (a+p,b+q) \)

つまり、今回の問題だったら、頂点は(-1,4)ですから、これを$x$軸方向に$p$,$y$軸方向に同じく$p$だけ平行移動すれば頂点は\( (-1+p,4+p) \)となると考えるわけです。
この\( (-1+p,4+p) \)が$G_1$上にあるということは、①に代入しても式は成り立ちますから、

\( 4+p = 3(-1+p)^2-2(-1+p)-1 \)
\( 4+p = 3-6p+3p^2+2-2p-1 \)
\( 3p^2-9p = 0 \)
\( p^2-3p = 0 \)
\( p(p-3) = 0 \)
\( p = 0,3 \)

$p$は0でない数なんですから、\( p = 3 \)
つまり、$x$軸方向、$y$軸方向それぞれ3だけ平行移動させたということになります。

答え.
ア 4   イ 2   ウ 1   エ 3   オ 1
カキ -1   ク 3   ケコ -4   サ 3
シ 1   ス 3   セ 1   ソ 2   タ 3   チ 3
ツ 1   テト -3   ナ 2   ニ 3