この問題のポイント
平均と標準偏差を求める公式を使おう!
(平均)=(すべての値の和)÷(データの個数)
(標準偏差)=(各値と平均値との差の2乗の和)÷(データの個数)を平方根にしたもの
平均が170cmなんですから、
\( (a+b+c+162+170+172+173)÷7 = 170 \)
\( a+b+c+162+170+172+173 = 170×7 \)
\( a+b+c+677 = 1190 \)
よって、\( a+b+c = 513 \)…①
標準偏差は平方根で、ちょっと計算がしづらいんで、標準偏差の2乗で考えましょう。標準偏差の2乗は、各値と平均値との差の2乗をたしたものをデータの個数で割れば求まります。この問題の場合、
\( (a-170)^2 \),\( (b-170)^2 \),\( (c-170)^2 \),\( (162-170)^2 = 64 \),\( (170-170)^2 = 0 \),\( (172-170)^2 = 4 \),\( (173-170)^2 = 9 \)
この7つを足して7で割った値が\( (\sqrt{14})^2 \)と等しくなるというわけです。上の7つをすべて足すと、\( (a-170)^2+(b-170)^2+(c-170)^2+77 \)なので、
\( \small{\{(a-170)^2+(b-170)^2+(c-170)^2+77\}÷7 = 14} \)
\( \small{(a-170)^2+(b-170)^2+(c-170)^2+77 = 14×7} \)
よって、\( \small{(a-170)^2+(b-170)^2+(c-170)^2 = 21} \)…②
この2式だけでは、$a$と$b$と$c$3つの値を求めることができません。そこで、問題文にあったもう1つの条件「真ん中の生徒の身長は171cm」を使いましょう。身長が低い順に並べると、
○,○,○,171,●,●,●
という順になるということですね。
162cm,170cm,172cm,173cmの生徒もいますから、○に162と170が入り、●に172と173が入りますね?
さらに、\( a<b<c \)という条件がありますから、それをあわせて考えると、$a$は○に、$c$は●に入ることになります。ということは、身長が171cmである真ん中の生徒は$b$のことだったということになります。
\( b = 171 \)とわかりましたから、これを①と②の式に代入すると、
\( a+171+c = 513 \)
つまり、\( a+c = 342 \)…③
\( (a-170)^2+(171-170)^2+(c-170)^2 = 21 \)
つまり、\( (a-170)^2+(c-170)^2 = 20 \)…④
ここで、③の式を\( a = 342-c \)と変形して、それを④の式に代入して計算してもいいのですが、扱う数がかなり大きくなって計算が大変になります。ここでは、もう少し工夫して計算してみましょう。
\( a-170 = A \),\( c-170 = C \)とすると、
\( a = A+170 \)
\( c = C+170 \)
よって、③の式は、
\( A+170+C+170 = 342 \)
\( A+C = 2 \)…⑤
④の式は、\( A^2+C^2 = 20 \)とおけます。
⑤の式から、\( C = 2-A \)とおけるんで、
\( A^2+(2-A)^2 = 20 \)
\( A^2+4-4A+A^2 = 20 \)
\( 2A^2-4A-16 = 0 \)
両辺を2でわると、\( A^2-2A-8 = 0 \)
因数分解すると、\( (A-4)(A+2) = 0 \)
よって、\( A = 4,-2 \)
\( C = 2-A \)より、\( C = -2,4 \)
\( a-170 = A \),\( c-170 = C \)ですから、
\( A = 4 \),\( C = -2 \)のとき、\( a = 174 \),\( c = 168 \)
\( A = -2 \),\( C = 4 \)のとき、\( a = 168 \),\( c = 174 \)
a<cなんですから、\( a = 168 \),\( c = 174 \)となります。
答え. \( a = 168 \),\( b = 171 \),\( c = 174 \)