この問題のポイント
y = …などの形に変形して1文字だけの関数にしてから最大値・最小値を考えよう!
(1)$x$と$y$という2文字が入っているから、とても難しそうに見えてしまいますね。「文字が1文字だけだったら考えやすいのに…」と思いませんか?では、実際にそうしてしまいましょう。
\( x+y = 1 \)という式がありますよね?これを$y$ = …という形に変形すると
\( y = 1-x \)
これを\( x^2+y^2 \)に代入してみましょう。すると、
\( x^2+y^2 \)
\( = x^2+(1-x)^2 \)
\( = x^2+1-2x+x^2 \)
\( = 2x^2-2x+1 \)
どうでしょう?これなら、最大値・最小値が考えやすいですね。この式を平方完成させていきましょう。まず、2をくくりだして、
\( 2(x^2-x)+1 \)
\( \displaystyle = 2\left(x^2-x+\frac{1}{4}-\frac{1}{4}\right)+1 \)
\( \displaystyle = 2\left(x^2-x+\frac{1}{4}\right)-\frac{1}{2}+1 \)
\( \displaystyle = 2\left(x^2-x+\frac{1}{4}\right)+\frac{1}{2} \)
\( \displaystyle = 2\left(x-\frac{1}{2}\right)^2+\frac{1}{2} \)
これで平方完成がすんだので、$F$の最大値・最小値を考えやすくなりましたね。ただ、最大値・最小値を考えるうえで大事な$x$の変域、つまり$x$がどこからどこまでの数を範囲にとるかを確認しないといけません。最大値・最小値を求める問題では、必ず変域をチェックするようにしましょう。
\( x≧0 \),\( y≧-1 \)とありました。でも、\( y = 1-x \)だったはずですから、\( 1-x≧-1 \)だといえますね。これは、\( x≦2 \)とすることができます。
よって、$x$の変域は\( 0≦x≦2 \)だとわかります。
\( 0≦x≦2 \)の範囲では、さっきの平方完成した関数$F$は、次のときに最大値をとります。
\( x = 2 \)のとき
\( \displaystyle 2\left(2-\frac{1}{2}\right)^2+\frac{1}{2} = 2・\frac{9}{4}+\frac{1}{2} = 5 \)
最小値は、\( \displaystyle x = \frac{1}{2} \)のとき
\( \displaystyle 2\left(\frac{1}{2}-\frac{1}{2}\right)^2+\frac{1}{2} = 2・0+\frac{1}{2} = \frac{1}{2} \)
これで最大値・最小値がわかりましたね。ちなみに、求めなくてもよいと問題文にはありましたが、この最大値・最小値のときの$x$、$y$の値はわかりますか?$x$については、すでに「$x$ = ○○のとき」とあったんでいいですよね?$y$については、\( y = 1-x \)だったんですから、そこに代入したらいですよね。
つまり、最大値をとるときは
\( y = 1-2 = -1 \)
最小値をとるときは
\( \displaystyle y = 1-\frac{1}{2} = \frac{1}{2} \)
(2)これも$x$と$y$の2文字ありますから、$y$ = …という形にしてしまいましょう。
\( \sqrt{y} = 1-\sqrt{x} \)
両辺を2乗すると、
\( y = (1-\sqrt{x})^2 = 1-2\sqrt{x}+x \)
これを\( x+y \)に代入すると、
\( x+1-2\sqrt{x}+x = 2x-2\sqrt{x}+1 \)
√があるからなんだかややこしそうな関数に見えてしまいますが、ややこしそうな関数に見えさせている原因である\( \sqrt{x} \)を、とりあえず$t$とおいてみましょう。すると、$x$というのは\( \sqrt{x} \)を2乗すればできるわけですから、$t^2$とおけます。すると、さっきの関数は、\( 2t^2-2t+1 \)とおけるわけです。
\( F = 2t^2-2t+1 \)とおけるとわかったところで、(1)でもやったように平方完成していきます。(1)の\( 2x^2-2x+1 \)と同じ形の関数ですから、これも平方完成するとこのようになります。
\( \displaystyle 2\left(t-\frac{1}{2}\right)^2+\frac{1}{2} \)
さて、次に変域の確認です。\( \sqrt{x} \)を$t$とおいたので、\( \sqrt{x} \)の変域を考えることにしましょう。\( \sqrt{x} \)、\( \sqrt{y} \)ということしか問題文にはありませんでしたが、√の数は、マイナスがついていなければ必ず正の数ですよね。ということは、\( \sqrt{x}≧0 \)ですし、\( \sqrt{y}≧0 \)ですよね。
\( \sqrt{y} \)は\( 1-\sqrt{x} \)だったんですから、\( 1-\sqrt{x}≧0 \)
\( -\sqrt{x}≧-1 \)
\( \sqrt{x}≦1 \)
つまり、\( 0≦\sqrt{x}≦1 \)なんですから、$t$の範囲も\( 0≦t≦1 \)です。この範囲での、さっきの平方完成した関数の最大値・最小値を考えます。次のときに最大値をとりますね。
\( t = 1 \)(または0)のとき
\( \displaystyle 2\left(1-\frac{1}{2}\right)^2+\frac{1}{2} = 2・\frac{1}{4}+\frac{1}{2} = 1 \)
(t = 0のときでも計算結果は同じです)
最小値は、\( \displaystyle t = \frac{1}{2} \)のとき
\( \displaystyle 2\left(\frac{1}{2}-\frac{1}{2}\right)^2+\frac{1}{2} = 2・0+\frac{1}{2} = \frac{1}{2} \)
一応、この問題についても、最大値・最小値をとるときの$x$と$y$の値も解説しておきますね。
最大値をとるときの$t$の値は\( t = 1 \)(または0)なので、\( \sqrt{x} = 0,1 \)より、\( x = 0,1 \)で、\( y = 1-2\sqrt{x}+x \)に代入して計算すると、
\( x = 0 \)のときは\( y = 1-2\sqrt{0}+0 = 1 \)
\( x = 1 \)のときは\( y = 1-2\sqrt{1}+1 = 1-2+1 = 0 \)
最小値をとるときは
\( \displaystyle t = \sqrt{x} = \frac{1}{2} \)より、\( \displaystyle x = \frac{1}{4} \)
\( \displaystyle y = 1-2\sqrt{x}+x = 1-2・\frac{1}{2}+\frac{1}{4} = \frac{1}{4} \)
答え.
(1)最大値5、最小値\( \displaystyle \frac{1}{2} \)
(2)最大値1、最小値\( \displaystyle \frac{1}{2} \)