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この問題のポイント

対称式の式の値を求めるときは、x+yとxyの値を必ず明らかにしよう!

(1)$x$と$y$の文字を入れ替えても、元の式と変わらない式のことを対称式といいます。

この対称式の式の値を求めるときは、必ず$x+y$と$xy$の値がいくつかをつかむことが鉄則となっています。
なぜか。対称式というのは、必ず$x+y$と$xy$を使って表すことができるからです

たとえば、\( x^2+xy+y^2 \)ならば、
\( x^2+xy+y^2 = (x+y)^2-xy \)
と表せます。

さて、ではこの問題ではどうでしょうか。$x+y$は1だとありますが、$xy$の値はわかりません。代わりに、\( x^3+y^3 \)の値しか示されていません。どうやら、これを使って、$xy$は自分で求めるしかなささそうです。

\( x^3+y^3 \)を、$x+y$と$xy$を使って書き直してみましょう。この書き直し方はパターンとして知っておくと便利ですよ。
\( x^3+y^3 \)
\( = (x+y)^3-3x^2y-3xy^2 \)
\( = (x+y)^3-3xy(x+y) \)

この値が3なのですから、
\( (x+y)^3-3xy(x+y) = 3 \)
さらに、\( x+y = 1 \)を代入すると、
\( 1^3-3xy・1 = 3 \)
\( 1-3xy = 3 \)
よって、\( \displaystyle xy = -\frac{2}{3} \)

これで無事に求まりましたので、いよいよ\( x^2+y^2 \)を求めます。これも$x+y$と$xy$を使って書き直します。これもパターンとして知っておきたいところです。
\( x^2+y^2 \)
\( = (x+y)^2-2xy \)

ここに、$x+y$と$xy$の値を代入すると、
\( \displaystyle 1^2-2・\left(-\frac{2}{3}\right) \)
\( \displaystyle = 1+\frac{4}{3} \)
\( \displaystyle = \frac{7}{3} \)

よって、\( \displaystyle x^2+y^2 = \frac{7}{3} \)

(2)$x^5$や$y^5$が出てくる乗法公式はありません。こういうような乗法公式が使えない場合は、すでに値がわかっている式をかけ算することを考えてみましょう。

この問題の場合は、$x+y$や$xy$はもちろん、\( x^2+y^2 \)や\( x^3+y^3 \)も値がわかっているはずです。
そして、よくよく考えると、$x^5$は$x^2$と$x^3$をかけ合わせるとできますね。$y^5$も同じように考えればできます。

そこで、\( x^2+y^2 \)と\( x^3+y^3 \)をかければいいのではないかと考えるわけです。実際にかけ算しますと、

\( (x^2+y^2)(x^3+y^3) \)
\( = x^5+x^2y^3+x^3y^2+y^5 \)

\( x^2y^3+x^3y^2 \)がジャマですが、これを因数分解してみると、
\( x^2y^3+x^3y^2 \)
\( = x^2y^2(x+y) \)
\( = (xy)^2・(x+y) \)

$x+y$と$xy$を使って表すことができるわけですね。ということは、

\( x^5+y^5 \)
\( = (x^2+y^2)(x^3+y^3)-x^2y^3-x^3y^2 \)
\( = (x^2+y^2)(x^3+y^3)-\{(xy)^2・(x+y)\} \)
\( \displaystyle = \frac{7}{3}・3-\left\{\left(-\frac{2}{3}\right)^2・1\right\} \)
\( \displaystyle = 7-\frac{4}{9} \)
\( \displaystyle = \frac{59}{9} \)

答え.
(1)\( \displaystyle \frac{7}{3} \)
(2)\( \displaystyle \frac{59}{9} \)