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この問題でおさえておきたいこと

だ液にふくまれるアミラーゼによりデンプンは麦芽糖などに消化される!
水を加えた試験管は対照実験で用意されている!

解答
(1)
B,C,D
(2)
ベネジクト液
(3)
麦芽糖
(4)
① 対照実験
② (例)だ液を加えた試験管と体積や濃度の状態を同じにするため。
(5)
① ア   ② イ   ③ イ   ④ イ

重要事項のまとめ

・だ液のはたらきを調べる実験で使う薬品

・だ液のはたらきを調べる実験

一方の試験管(試験管A)にはデンプンと水、もう一方の試験管(試験管B)にはデンプンとだ液を入れ、この2本の試験管を人間の体温に近い温度の湯(37~40℃)につける

2本の試験管にヨウ素液を加えると試験管Aでは青紫色になるが、試験管Bでは変化はみられない
ところが、2本の試験管にベネジクト液を加えると試験管Aでは変化はないが、試験管Bでは赤かっ色の沈殿ができる

この実験からわかること…だ液の中の消化酵素によってデンプンは糖に分解される

デンプンとだ液を入れた試験管を10℃の水、40℃の湯、80℃の湯にそれぞれつける

40℃の湯につけた試験管にヨウ素液を加えても変化はないが、ベネジクト液を加えると赤かっ色の沈殿ができる
しかし、0℃の水や80℃の湯につけた試験管ではヨウ素液を加えると青紫色になるが、ベネジクト液を加えても変化はない

この実験からわかること…だ液の中の消化酵素は人間の体温に近い温度でよくはたらく

解説

(1)「重要事項のまとめ」にあるとおり、ヨウ素液はデンプンに反応すると青紫色になります。Aの試験管は人間の体温に近い温度の湯に入っていますから、だ液の消化酵素はよくはたらきますから、デンプンは分解されています。

しかし、Cの試験管は0℃の水に入っているのでだ液の消化酵素はあまりはたらきません。よって、デンプンは分解されずに残っています。そして、BとDの試験管はだ液が入っていませんからデンプンは残ったままになっています。よって、A以外の試験管で色の変化が見られます。

(2)「重要事項のまとめ」を参照してください

(3)だ液の消化酵素により、デンプンは麦芽糖などに分解されます。ちなみに、デンプンを麦芽糖などに分解する消化酵素はアミラーゼです。

(4)① 試験管Bと試験管Aでは、デンプンのりといっしょに入れているものがだ液か水かのちがいだけしかなく、ほかの条件はすべて同じになっています。このように、条件を1つだけ変えて、比べてみてわかることはないかを調べる実験を対照実験といいます。

② 試験管Aではデンプンのりにだ液を加えたため、試験管内の体積が増えていて、デンプンのりの濃度も少しだけ薄くなってしまっています。対照実験では1つだけ変えた条件以外はすべて同じにしないといけませんが、水を加えないと体積や濃度もちがった状態なので、きちんとした対照実験にならないというわけです。

解答としては、この「ほかの条件をそろえる」ということを中心に述べるとよいでしょう。

(5)だ液にふくまれるアミラーゼはくりかえし使うことができ、デンプンを分解するとなくなるということはありません。グラフで途中から麦芽糖の濃度が変わらなくなっているのは、アミラーゼがなくなって反応しなくなったのではなく、デンプンがすべて分解されてなくなってしまったからです。

よって、デンプンをさらに加えるとアミラーゼが再びはたらきだして麦芽糖の濃度が上がっていきます。しかし、だ液を加えたり、試験管をつける水や湯の温度を変えたりしてもデンプンが増えるわけではないので、反応がこれ以上起こることはありません。