この問題でおさえておきたいこと
湿度の公式を理解し、湿度によってその空間内の水蒸気量がどれほどかわかることをおさえよう!
解答
(1)4.7g
(2)27%
(3)6.5g
重要事項のまとめ
重要用語
・飽和水蒸気量…
空気1m3が含むことができる水蒸気の限度の量
気温が高いほど水蒸気をたくさん含むことができる=飽和水蒸気量は大きくなる
・露点…
これ以上水蒸気を含めなくなり、水蒸気が水滴になっていくときの温度
湿度の公式
湿度…
空気の湿りぐあい。その気温での飽和水蒸気量のうち何パーセントの水蒸気量があるかを示したもの。
湿度(%) = | 実際の水蒸気量(g/m3) | ×100 |
その温度での飽和水蒸気量(g/m3) |
※湿度が100%になるということは、飽和水蒸気量と実際の水蒸気量が等しくなるということになり、これ以上は水蒸気は含めなくなりますから、そのときの温度が露点ということになります。
解説
(1)下線部①にて、湿度が示されています。湿度は、飽和水蒸気量のうちの何パーセントの水蒸気量があるかを示した数値なんですから、飽和水蒸気量がわかれば、実際にある水蒸気量がいくらかもわかるはずですね。
表より、10℃のときの飽和水蒸気量は9.4g/m3です。つまり、1m3中に9.4gの水蒸気量を含むことができるというわけです。このうち50%(=0.5)分があるということなので、1m3中にふくまれている水蒸気量は、
9.4×0.5 = 4.7g
(別解)
g/m3という単位は、「1m3中に何gあるか」ということをあらわすので、「重要事項のまとめ」にある湿度の公式を使って解くこともできるでしょう。10℃のときの飽和水蒸気量は9.4g/m3なので、1m3中に$x$gの水蒸気があるとすると、
\( \displaystyle \frac{x}{9.4}×100 = 50 \)
\( \displaystyle \frac{100x}{9.4} = 50 \)
\( 100x = 50×9.4 = 470 \)
\( x = 4.7 \)
(2)20℃のときの飽和水蒸気量は、表より17.3g/m3です。そして、実際の水蒸気量は(1)で求めたとおり、4.7g/m3となります(エアコンだけでは、水蒸気は供給も除去もされないんですから、(1)の数値から変わりません)。
よって、公式を使うと、湿度の数値は、
\( \displaystyle \frac{4.7}{17.3}×100 = 27.16… \)
小数第1位を四捨五入しますんで、27%となります。
(3)加湿器を使った結果、実際にある水蒸気量はどれぐらいになったかを考えます。加湿器使用後、温度は20℃、湿度は65%となり、20℃のときの飽和水蒸気量は、表より17.3g/m3ですから、(1)と同じように考えて、
17.3×0.65 = 11.245g/m3
の水蒸気量が実際にあることになります。
加湿器を使う前は、「下線部①で示した部屋で」と問題文にありましたから、(1)と同じ状態といえます。ということは、加湿器使用前の水蒸気量は4.7g/m3です。
ということは、加湿器によって、供給された水蒸気量は、
11.245-4.7 = 6.545g/m3
小数第2位を四捨五入しますんで、1m3あたり6.5gとなりますね。