この問題でおさえておきたいこと
太陽は季節によって南中高度が変わるのでその高度の計算方法を、星は動かない北極星を中心に1か月に30°西へ動いていることをおさえよう!
解答
(1)35.0° (2)51.4°
(3)35.0° (4)4か月後
重要事項のまとめ
・太陽の季節ごとの動き
春(春分の日)と秋(秋分の日)は太陽は真東から昇って真西に沈む
→南中高度は、90°-緯度
夏(夏至)は太陽は真東と真西より北寄りに昇ったり沈んだりする=昼の時間が長くなる
→南中高度は、90°-緯度+23.4°
冬(冬至)は太陽は真東と真西より南寄りに昇ったり沈んだりする=昼の時間が短くなる
→南中高度は、90°-緯度-23.4°
・星の1年の動き(年周運動)
北の空では、北極星を中心に反時計まわりに回転しているように見える。1日に約1°、1か月に約30°回転しているように見える。
南の空では、東から西に動いているように見える。1日に約1°、1か月に約30°動いているように見える。
※同じ時刻に見ても、1か月後には30°ずれているので、まったく同じ場所で星を見ようと思えば、星は日周運動で1時間に15°ずつ動いているから、30÷15 = 2時間早い時間に見ないといけない。
解説
(1)緯度を$x$とすると、冬至の日の南中高度が問題文にありましたから、「重要事項のまとめ」にもある公式にあてはめると、
\( 90-x-23.4 = 31.6 \)
これを解くと、\( x = 35.0 \)
つまり、緯度は35.0°です。
(2)まず、3000km移動した地点は緯度は何度かを求めないと、南中高度を計算することはできません。まず、それを考えましょう。
地球の円周は40000kmとありますから、「40000分の3000」移動することになりますね。これは角度でいえば、どれぐらいの移動になるかを考えると、
\( \displaystyle 360°×\frac{3000}{40000} = 27° \)
よって、北に3000km移動した地点の緯度は、
35.0°+27°=62°ということになります。
あとは、「重要事項のまとめ」にもある公式にあてはめて、夏至の日の南中高度を求めると、
90-62+23.4 = 51.4°です。
(3)北極星は地球から見て、1年動かずに見える星です。この見える高度は、観測地点の緯度と同じです。
よって、高度は(1)で求めたとおり、35.0°です。
(4)日本とウィーンとの間では、角度は何度の開きがあるのかを調べないと考えにくいですね。なので、その角度を考えましょう。
問題文に書かれている内容で、その手がかりになりそうなのは時差ですね。地球上では、経度15°ごとに1時間の時差が生じます。日本とウィーンでは8時間の時差があるのですから、
15°×8 = 120°開いていることになりますね。
ということは、日本で南中している星座が、120°西にずれてくれれば、ウィーンで南中してくれることになりますね。
「重要事項のまとめ」にもあるとおり、星は1か月に30°ずれるのですから、
120÷30 = 4
つまり、120°ずれるには、4か月待たないといけないということですね。