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この問題でおさえておきたいこと

「AAとaaの子どもはAa、孫はAA:Aa:aa =1:2:1」という原則、劣性形質はaaのみということをおさえよう!

解答
(1)優性形質
(2)$Aa$
(3)ウ   (4)イ
(5)$Aa$と$aa$

重要事項のまとめ

優性形質…親のもつ形質(からだの特徴となる形や性質)で、子どもに伝わりやすいほうの形質。遺伝子はふつう大文字で表す。
劣性形質…親のもつ形質で子どもに伝わりにくいほうの形質。遺伝子はふつう小文字で表す。

遺伝のしかた(優性形質を$A$、劣性形質を$a$とします)

父親が$AA$、母親が$aa$でかけあわせる

父親から$A$の遺伝子、母親から$a$の遺伝子をもらう

子どもの遺伝子は$Aa$に = 一つでも$A$があれば優性形質になる。よって、子どもはみな優性形質

子どもの$Aa$どうしでかけあわせ(=$Aa$と$Aa$のかけあわせ)

4通りの遺伝子のもらいかた
1.父親から$A$、母親から$A$の遺伝子をもらう = $AA$の孫ができる
2.父親から$A$、母親から$a$の遺伝子をもらう = $Aa$の孫ができる
3.父親から$a$、母親から$A$の遺伝子をもらう = $Aa$の孫ができる
4.父親から$a$、母親から$a$の遺伝子をもらう = $aa$の孫ができる

孫の代では、遺伝子の組み合わせは\( AA:Aa:aa = 1:2:1 \)
($A$が入っているのは 1+2 = 3なので、遺伝子ではなく、形質のちがいで見れば、優性形質:劣性形質は3:1の割合で、できる)

解説

(1)「重要事項のまとめ」を読んでください。

(2)「重要事項のまとめ」を読んでください。

(3)形質のちがいについて見ると、孫の代では、丸:しわ = 3:1という割合になりますね。3:1ということは、4つのうち、丸が3つ、しわが1つということですから、
3÷4 = 0.75 = 75%
となります。

(4)子どもの種子(①の種子)と遺伝子の組み合わせが同じということは、(2)より、$Aa$の種子がどれぐらいあればよいかを考えればいいわけです。

孫の代では、\( AA:Aa:aa = 1:2:1 \)でできます。(3)と同じように考えれば、4つのうち、$AA$が1つ、$Aa$が2つ、$aa$が1つということになります。つまり、
2÷4 = 0.5 = 50%が$Aa$の遺伝子の種子だということになります。

孫の種子は809個あるわけですから、その50%ということで、およそ400個が、$Aa$の遺伝子の種子となりますね。

(5)しわのある種子ができたということは、しわのある種子の遺伝子は$aa$なので、父親のほうも、母親のほうも、$a$の遺伝子を持っていたと考えられます。そして、丸い種子もできたということは、少なくともどちらかの親には$A$の遺伝子があったと考えられます。(丸い種子を作るには、1つでも$A$の遺伝子が要るため)

以上より、まず親の片方の遺伝子は$Aa$だと判断できます。そして、もう片方の親には$a$の遺伝子があると言いましたので、答えとしては、次の2通りが考えられます。

①正解は$Aa$と$Aa$のかけあわせである
②正解は$Aa$と$aa$のかけあわせである

ところが、①のパターンだと、「重要事項のまとめ」にあったとおり、\( AA:Aa:aa = 1:2:1 \)でできるのですから、丸い種子としわのある種子は3:1でできてしまい、問題の条件と合いません。

よって、②が正しいと考えられます。確認しておくと、$Aa$と$aa$のかけあわせだと、

片方の親から$A$、もう片方の親から$a$の遺伝子→$Aa$の種子に(=丸い種子)
片方の親から$a$、もう片方の親から$a$の遺伝子→$aa$の種子に(=しわのある種子)

遺伝子のもらい方はこの2通りしか考えられないので、ちょうど、$Aa$と$aa$が同じ割合でできるので、丸:しわが1:1になりますね。