この問題でおさえておきたいこと
浮力が生じる理由を水圧との関係で理解する!
浮力の大きさの求め方もおさえよう!
解答
(ア)
6
(イ)
4
(ウ)
5
(エ)
( あ )…(例)船にはたらく重力と浮力がつり合っている(19字)
( い )…4
重要事項のまとめ
・浮力について
液体や気体の中にある物体にはたらく上向きの力(つまり、物体を浮かせようとする力)を浮力という。
浮力が生じる理由には、「水圧が水面から深くなるほど大きくなる」ということが関係している。
液体の中に物体を入れると、いろいろな方向から水圧がかかるが、左右からかかる水圧は深さが同じなので等しい。
しかし、上下からかかる水圧については、上のほうは浅くて下のほうは深いので水圧に差があり、下から上にかかる水圧のほうが大きい。(これが浮力が生じる理由)
・浮力の大きさ
1)ばねばかりを使った計測がされている場合
空気中でのばねばかりの値-液体中でのばねばかりの値で求まる。
例:空気中でばねばかりは6Nとなっていたが、液体中に沈めると4Nとなっていたとき、浮力は
6-4 = 2N(2Nの浮力が生じたため、液体中では少し軽くなっている)
2)物体が液体に浮いている場合
浮力の大きさは、その物体が押しのけた液体の体積分の重さと等しい(これをアルキメデスの原理という)。
あるいは、物体が浮いて静止しているので、物体にはたらく重力と浮力が等しい(重力と浮力が等しいのでつり合っている)と考える。
つまり、(浮力)=(物体の重力)=(物体が押しのけた液体の重さ)
解説
(ア)「重要事項のまとめ」でも説明されたとおり、水圧はいろいろな方向からかかるので、一方向や二方向からしか圧力がかかっていない1~3の選択肢は不適ということになります。
また、水圧は深いところへ行くほど大きくなりますが、4と5の選択肢では一番深いところである下の部分にかかる水圧が大きくなっていません。よって、6の選択肢が正しいということになります。
(イ)物体Xは空気中、つまりaの位置にあるときは0.50Nの重さがありました。それが水中のdの位置になると0.30Nの重さとなっています。よって、「重要事項のまとめ」で説明した求めかたより、浮力は0.50-0.30 = 0.20Nです。
(ウ)密度は(物体の質量)÷(物体の体積)で求まりますから、質量と体積それぞれを考えてみましょう。質量については、aの位置にあるときのばねばかりの値を見ればわかりますが、物質Xは0.50N,物質Yは0.40N,物質Zは0.50Nとなっていますから、物質Xと物質Zの質量が一番大きいということになります。
そして体積については、その物体が水中に沈んだことでどれほどが押しのけられたかを考えればいいんですから、浮力をヒントにすることができます。押しのけられた体積が大きくなればなるほど浮力も大きくなるわけですから、dの位置にあるときのばねばかりの値を参考に、(イ)の問題と同じように浮力を考えます。
それで浮力を求めると、物体Xは0.20N,物体Zは0.10Nとわかります。これより、物体Zのほうが体積が小さいということになります。さっきの説明にもありましたが、密度は(物体の質量)÷(物体の体積)で求まるので、物体Zが一番密度が大きいということになりますね。
(エ)まず( あ )についてですが、これは「重要事項のまとめ」でも説明されていたとおり、船が水に浮いていたのは、船にはたらいている重力と浮力が同じ大きさでつり合っているからですね?
ちなみに、船は浮いているのに同じ質量のおもりはなぜ沈んでいるのかについては、船のほうがおしのけている水の量(体積)が大きいからです。
そして、( い )の船にはたらく浮力については、重力とつり合っているわけですから、船の重力を考えれば求まります。船の質量は150gで、100gにかかる重力が1.0Nですから、船にかかる重力は150÷100 = 1.5Nです。よって、浮力も1.5Nです。