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この問題でおさえておきたいこと

フランスの宗教戦争の展開と絶対王政体制がどう成立していったかをおさえる!
特にルイ14世については重要!

解答
問1
1 e   2 c   3 d   4 f
問2
ア b   イ b   ウ a   エ f
オ e   カ b   キ f   ク b

解説

問1

   1    ユトレヒト条約は「ポイントのまとめ」にもあるとおり、スペイン継承戦争の講和条約であり、1713年に結ばれました。

   2    サンバルテルミの虐殺は「ポイントのまとめ」にもあるとおり、ユグノー戦争中に起こった新教徒(ユグノー)虐殺事件です。1572年、アンリ4世の結婚式のためにパリに集まった新教徒(ユグノー)を旧教徒がいっせいに襲撃し、虐殺しました。

   3    オーストリア継承戦争は神聖ローマ帝国皇帝カール6世が自分の家督を娘のマリア=テレジアに継承させたときに、プロイセンのフリードリヒ2世が相続の条件としてシュレジエンの割譲を主張したことで1740年に始まった戦争です。

   4    ヴェルサイユ宮殿はバロック様式の建築物です。ルイ13世が建築に着手し、ルイ14世の治世下で完成しました。バロック様式は17世紀ヨーロッパの建築様式で、豪壮・華麗が特徴です。

問2

ア コルベールを財務総監に起用したのは、「ポイントのまとめ」にもあるとおりルイ14世です。アンリ4世の次に即位したのがルイ13世(系図のa)で、その子にあたる人物なので、系図のbにあたります。

イ ユトレヒト条約を結んだのはルイ14世です。ちなみに、問題文に「自分の孫をスペイン王位につけることに成功した」とありますが、その「自分の孫」にあたる人物は系図のcにあたるフェリペ5世です。

ウ リシュリューの補佐を受けていたのは、「ポイントのまとめ」にもあるとおりルイ13世です。

エ サンバルテルミの虐殺が起こったのはシャルル9世(ヴァロワ朝)の治世下のことでした。よって、系図にない人物ということになるので、fが正解ということになります。

オ 問1の解説でもふれたとおり、娘のマリア=テレジアに継承させようとしたのは神聖ローマ帝国皇帝カール6世です。

系図のeにあたる人物ですが、この特定はかなり難しいと思います。教科書に載っている系図ではあるので、難関大学で世界史を受験する場合は、教科書に載っている図版なども丁寧にチェックするようにしましょう。

カ ボシュエが説いた王権神授説をもとに絶対王政を展開したのは、「ポイントのまとめ」にもあるとおりルイ14世です。

キ 農奴解放令や宗教寛容令を出したのはオーストリアの啓蒙専制君主であるヨーゼフ2世です。彼はマリア=テレジアの子であり、カール6世の孫にあたる人物なので、系図にない人物です。

ク ヴェルサイユ宮殿を完成させたのは、「ポイントのまとめ」にもあるとおりルイ14世です。

ポイントのまとめ

・フランスの宗教戦争

16世紀半ばから、フランスのカルヴァン派(ユグノー)の勢力が増大
カトリックとの対立が深まる

1562~98年 ユグノー戦争(キリスト教新旧両教徒間の宗教戦争)
この戦争中の1572年、サンバルテルミの虐殺により旧教徒側が多くのユグノーを虐殺、全国に広がる

1589年 アンリ4世が即位しブルボン朝が成立

ルイ13世が即位

ルイ14世が即位
宰相マザランが実権をにぎり、王権の強化を図る
王権強化に反発する貴族を中心にした反乱(フロンドの乱)もマザランが鎮圧

・ルイ14世による政治

マザランの死後、ボシュエが主張する王権神授説(君主の権利は神から与えられたものなので反抗してはならないという政治思想)にもとづき、自身が絶大な権力をふるう

1)国内政治

2)外交

数々の侵略戦争を展開

1701~1713年にはスペイン継承戦争をおこない、オーストリア・オランダ・イギリスなどと争う
(スペインのハプスブルク家が断絶し、ルイ14世が自身の孫、フェリペ5世を王位につけようとしたことが原因)

スペイン継承戦争は、1713年のユトレヒト条約締結により終結

ユトレヒト条約の内容: