この問題でおさえておきたいこと
それぞれの民族について、最終的にどこに定住したか、代表的な王はだれか、何によって滅ぼされたかをおさえよう!
解答
問1 ⑥ 問2 ⑧ 問3 ③
問4 ② 問5 ⑨ 問6 ⑤
問7 ① 問8 ② 問9 ④
解説
問1 ガリア北部に移住していますので、「ポイントのまとめ」にあるとおり、フランク人をあらわしています。
クローヴィスはフランク王国を建国した後、アタナシウス派に改宗することでローマ人貴族を支配層に取り込み、その権威を継承しました。また、宮宰のカール=マルテルがトゥール・ポワティエ間の戦いでイスラム軍を撃退しました。この過程でフランク王国は強大な国になったのです。
問2 ガリア中部に移住していますので、「ポイントのまとめ」にあるとおり、ブルグンド人をあらわしています。「ブルグンド」という名は現在の「ブルゴーニュ」という地名に残されています。
問3 イタリア半島に移住していますので、「ポイントのまとめ」にあるとおり、東ゴート人をあらわしています。東ゴート人はラヴェンナに都をおいて東ゴート王国を建てました。
問4 イベリア半島に移住していますので、「ポイントのまとめ」にあるとおり、西ゴート人をあらわしています。
アドリアノープルの戦いでローマ軍を撃退し、西ゴート王国をガリア南部に建設しました。しかし、フランク王国に敗れたので、イベリア半島のトレドに都を移しました。
問5 アフリカ北部に移住していますので、「ポイントのまとめ」にあるとおり、ヴァンダル人をあらわしています。
問6 はるか東方からやってきてヨーロッパに侵入していますので、フン人をあらわしています。
問7 「ポイントのまとめ」にあるとおり、エグバートです。
ちなみに、ロロはノルマン人を率いて北フランスに進出してノルマンディー公国を建てた人物、アルフレッド大王は9世紀末にデーン人の侵攻を撃退したイングランド王です。
問8 「ポイントのまとめ」を参照してください。
問9 東ゴート人とヴァンダル人を滅ぼした皇帝なので、「ポイントのまとめ」より、ユスティニアヌスのことを指していることがわかります。ユスティニアヌスは『ローマ法大全』の完成だけでなく、聖ソフィア(ハギア=ソフィア)聖堂の建設もおこないました。
ポイントのまとめ
・ゲルマン人の大移動
もともとゲルマン人はスカンジナビア半島(現在のスウェーデン・ノルウェー・フィンランド)、ユトランド半島(現在のデンマーク)、ドイツ北部に居住
↓
人口増加による耕作地の不足、東方からのフン人の侵略により、ゲルマン人の南下がはじまる
フン人はアッティラ大王のもと大帝国を建設も、カタラウヌムの戦いで西ローマ帝国とゲルマン民族の連合軍に敗れる
↓
476年 ゲルマン出身のオドアケルが西ローマ帝国を滅ぼす
※フン人はアジア系の騎馬民族で、中国に侵入した匈奴の一派であるという説が有力です。
・各民族の動向
民族 |
最終的な定住地 |
代表的な王 |
滅亡 |
東ゴート人 |
イタリア半島 |
テオドリック |
ビザンツ帝国のユスティニアヌスによって滅亡 |
西ゴート人 |
イベリア半島 |
アラリック |
ウマイヤ朝によって滅亡 |
ヴァンダル人 |
アフリカ北部 |
ガイセリック |
ビザンツ帝国のユスティニアヌスによって滅亡 |
アングロ=サクソン人 |
ブリタニア |
エグバート |
ノルマン人の一派であるデーン人によって征服 |
フランク人 |
ガリア北部 |
クローヴィス |
ヴェルダン条約により国土が三分割 |
ブルグンド人 |
ガリア中部 |
フランク王国によって滅亡 |
|
ランゴバルド人 |
イタリア北部 |
フランク王国のカール大帝によって滅亡 |