この問題でおさえておきたいこと
バロック美術とロココ美術、科学と文学の発達、経験論と演繹論、啓蒙思想、重農主義がチェックポイント!
解答
問1 ④ 問2 ① 問3 ①
解説
問1 ①:「ポイントのまとめ」にあるとおり、「夜警」を描いたのはレンブラントです。
②:「ポイントのまとめ」にあるとおり、『失楽園』を著したのはミルトンです。
③:「ポイントのまとめ」にあるとおり、万有引力の法則を発見したのはニュートンです。
④:「ポイントのまとめ」にあるとおり、『ロビンソン=クルーソー』を著したのはデフォーなので、正しいのはこの文となります。
問2 ①:「ポイントのまとめ」にあるとおりなので、この文は正しいです。
②:「ポイントのまとめ」にあるとおり、なので、この文も正しいです。
③:「ポイントのまとめ」にあるとおり、スピノザはデカルトらと同じ合理論の立場に立った人物ですので、大陸合理論を否定したわけではありません。よって、この文は誤りとなります。
④:イギリス経験論はフランシス=ベーコンが祖となっていますから、ヒュームから始まったわけではありません。よって、この文は誤りとなります。
以上より、正しいものの組合せはア―イです。
問3 ①:「ポイントのまとめ」にあるとおりなので、この文は正しいです。
②:「ポイントのまとめ」にあるとおり、『百科全書』にかかわったのはディドロとダランベールです。
③:『第三身分とは何か』を著したのはシェイエスです。この書物でシェイエスはアンシャン=レジーム(フランス革命前の旧制度や旧体制)を批判しました。結果として、これはフランス革命を引き起こすことにつながります。
④:ケネーは『経済表』を著しましたが、重農主義を提唱し、重商主義を批判しました。
ポイントのまとめ
・美術
絶対主義の宮廷生活と結びついて発達
1)バロック式…17世紀に栄えた美術様式。壮大で華麗というのが特徴。
- ヴェルサイユ宮殿
…ルイ14世が建てさせる。 - ルーベンス
…フランドル派の画家。「フランドルの祝祭」を描く。 - ファン=ダイク
…フランドル派でイギリス王室の宮廷画家。「チャールズ1世の肖像画」を描く。 - レンブラント
…オランダ画派の画家で光と影の描写にすぐれる。「夜警」を描く。 - フェルメール
…オランダ画派の画家。「真珠の耳飾りの少女」「手紙を読む女」などを描く。 - エル=グレコ
…クレタ島出身のスペイン画家。スペインのトレドの風景などを描く。 - ベラスケス
…スペインの宮廷画家。「ラス=メニーナス」を描く。
2)ロココ式…18世紀に栄えた美術様式。繊細で優美というのが特徴。
- サンスーシ宮殿
…フリードリヒ2世が建てさせる。 - ワトー
…「シテール島の巡礼」を描く。 - ブーシェ
…フランスの宮廷画家。「ヘラクレスとオンファレ」を描く。 - フラゴナール
…フランスの画家。「読書する娘」を描く。
・文学
イギリスでは国民階級の発達をもとに文学が発達、フランスでは古典主義文学が発達
1)イギリスの文学(ピューリタン文学など)
- ミルトン
…『失楽園』を書く。 - バンヤン
…『天路歴程』を書く。 - デフォー
…『ロビンソン=クルーソー』を書く。 - スウィフト
…アイルランドの作家。『ガリヴァー旅行記』を書く。
2)フランスの古典主義文学
- コルネイユ、ラシーヌ
…悲劇作家 - モリエール
…喜劇作家
・音楽
17~18世紀の音楽はバロック音楽といわれ、バッハ(近代音楽の父)やヘンデルなどが教会音楽を数多く残した。
その後、18世紀後半から古典派音楽へ移行し、ハイドン(交響曲の父)やモーツァルト、ベートーヴェンなどが活躍した。
・科学
自然科学が急速に発達した(科学革命)。
- ケプラー(ドイツ)
…惑星の運行法則を発見し、近代天文学の基礎を築く - ハーヴェー(イギリス)
…血液の循環を発見 - ニュートン(イギリス)
…万有引力の法則を発見 - ボイル(イギリス)
…ボイルの法則を発見し、気体力学の基礎を築く - ホイヘンス(オランダ)
…土星の環を発見 - リンネ(スウェーデン)
…動植物の分類法をあみだす - ラヴォワジェ(フランス)
…燃焼理論・質量不変の法則を発見 - ジェンナー(イギリス)
…種痘法を開発 - ラプラース(フランス)
…カントの星雲説を発展
・哲学
1)経験論(実験と観察の結果から一般法則を導く帰納法を重視する考えかた)
- フランシス=ベーコン(イギリス)
…経験論(帰納法)の基礎を確立→ホッブスやロックに継承される - ヒューム(イギリス)
…懐疑論(科学的知識の客観性を否定)に至る
2)合理論(1つの法則や真実から新しい法則を導く演繹法を重視する考えかた)
- デカルト(フランス)
…合理論(演繹法)の祖。『方法叙説』などで「われ思う、ゆえにわれあり」と説く。 - パスカル(フランス)
…『パンセ(瞑想録)』で「人間は考える葦である」と説く。 - スピノザ(オランダ)
…汎神論(神と自然を同一視)を展開 - ライプニッツ(ドイツ)
…単子論(事物は自己完結的な単子で成立)を提唱。微積分法を発見。
3)ドイツ観念論
- カント(ドイツ)
…経験論と合理論を統合した考えかたを確立。『純粋理性批判』などを著す。
・社会思想
1)社会契約説(社会・国家は人民相互の契約によって成立するという思想)
- グロティウス(オランダ)
…『戦争と平和の法』で国際法の必要を提唱 - ホッブズ(イギリス)
…『リヴァイアサン』で、自然状態は「万人の万人に対する闘争」の状態になるからと、絶対王政を擁護 - ロック(イギリス)
…『統治二論』などで、人民の政府に対する抵抗権を認め、名誉革命を擁護 - ライプニッツ(ドイツ)
…単子論(事物は自己完結的な単子で成立)を提唱。微積分法を発見。
2)フランスの啓蒙思想(旧来の思想や制度などを批判し、民衆を無知から解放しようとする思想)
- モンテスキュー
…『法の精神』、『ペルシア人の手紙』などで三権分立を説く。 - ヴォルテール
…『哲学書簡』などでカトリック教会を批判。フリードリッヒ2世やエカチェリーナ2世と親交。 - ルソー
…『社会契約論』『人間不平等起源論』などで、人民主権を提唱 - ディドロ、ダランベール
…『百科全書』を刊行。
・経済学
重商主義への批判が起こる
- ケネー(フランス)
…『経済表』を刊行し、重農主義(社会の富の源泉は農業生産という考え)を提唱。
国家の経済活動干渉を批判し、経済活動の自由放任(レッセ=フェール)を主張。 - アダム=スミス(イギリス)
…『諸国民の富』を刊行し、自由主義経済学(古典派経済学)を創始。