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この問題でおさえておきたいこと

同化と異化それぞれがどういうことか理解する!
光合成と呼吸がどこで行われ、どういう反応がされているかおさえる!

解答
問1 ⑤   問2 ③
問3 ⑥   問4 ③

重要事項のまとめ

・代謝とは

生体内で物質が合成されたり分解されたりする化学反応を代謝という。
代謝には大きく分けて次の2つがある。

・生物と同化

同化ができるかできないかによって生物を分類することができる。

・ATPのはたらき

同化や異化では、ATP(アデノシン三リン酸)という化学物質がエネルギー受け渡しの仲立ちをする。
ATPではリン酸が結合しているが、そのリン酸の結合が1つ切れてADP(アデノシン二リン酸)になるとエネルギーが放出される。逆にADPがATPになるときは、エネルギーが吸収される。

・光合成と呼吸

太陽の光エネルギーを利用して、二酸化炭素と水から有機物を合成することを光合成という。
光合成では、次のような反応が起こっている。

※光合成はおもに葉にある葉緑体でおこなわれています。

酸素を使って炭水化物などの有機物を分解し、エネルギーを取り出すことを呼吸という。
呼吸では、次のような反応が起こっている。

※呼吸はおもに細胞内のミトコンドリアでおこなわれています。

解説

問1 光合成では、光エネルギーを利用して有機物を合成されますが、その有機物中に蓄えられた化学エネルギーは食物連鎖を通して生態系の中を流れていきます。

そして、外から取り入れた単純な物質から複雑な物質を合成するのが同化ですが、同化には、グルコースからグリコーゲンが生成される過程や、ADPからATPが生成される過程も含まれます(ADPからATPへの合成は光合成でもされますよね)。

問2 「重要事項のまとめ」にあるとおり、同化とは外から取り入れた単純な物質から複雑な物質を合成することですから、サはもちろん同化の過程ということになります。

サが入っている選択肢は③か⑤ですが、同化では無機物はつくられません(有機物のほうが複雑な物質です)。よって、③のほうが正解ということになります。同化には無機物から有機物が合成されるという反応もあります

問3 まず、「光合成あるいは呼吸の反応についての模式図」と問題文にあったので、模式図がどちらの反応についてあらわしているか考える必要があります。模式図をよく見ると、「光エネルギー」という語句があります。光エネルギーが使われるということは、この模式図は光合成の反応を示しているといえます。

光合成は同化の一種ですから、有機物は分解されるのではなく合成がされます。また、光エネルギーを利用してADPからATPが合成されます。よって、Ⅰに入るのはⓑのピースとわかります。そして、光合成では二酸化炭素を利用して酸素を作りだすので、Ⅱにはⓒのピースが入ります。

そして、光合成では有機物の合成がされるんですから、Ⅲの部分でその反応である⑧のピースを入れるということになります。以上より、正解は⑥です。基礎知識をもとにして、図を活用しながら解答するという非常におもしろい問題です。

問4 光合成でできた有機物をサンゴが利用しているという内容が会話文にありましたが、問3の解説にもあったとおり、光合成は同化の一種です。なので、これを異化としている②,④,⑥の選択肢は誤りということになります。

また、同化や異化はすべての生物がおこなっていて、同化や異化をしない生物は存在しません。よって、「同化をする能力を全くもたない」とある①も誤りです。そして、図2より、サンゴは褐虫藻から葉緑体を取り込んでいるわけではありません(葉緑体は褐虫藻の中にきちんとあります)。よって、⑤も誤りです。

以上より、③が正しいことになります。図1より、口や胃があるのでサンゴは食物を摂取することがわかります。また、会話文より、サンゴに共生している褐虫藻は光合成で有機物をつくり、サンゴは褐虫藻がいないと生きられないことがわかるので、サンゴは褐虫藻がつくる有機物を利用していることがうかがえます。