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この問題でおさえておきたいこと

フィトクロム、フォトトロピン、クリプトクロムが光を受容するとどんな反応を起こすか理解しよう!
光発芽における赤色光・遠赤色光の性質もおさえる!

解答
(1)
( a )…ジベレリン   ( b )…フィトクロム
(2)
ウ)
(3)(例)
暗い所で発芽して枯れてしまうことを防ぐという点。(24字)
(4)(例)
最後に赤色光を照射すると発芽が促進され、遠赤色光を照射すると発芽が抑制される。(39字)
(5)
A…イ   B…イ   C…イ
(6)
ウ)
(7)
エ)

重要事項のまとめ

・光受容体

特定の波長の光を吸収し、生物になんらかの作用をする物質を光受容体という

代表的な光受容体

※葉緑体の定位運動とは、強い光を照射されたとき、葉緑体は光によって傷められないように光を避けようとすることなどをいいます。

・種子と発芽

・光発芽種子の発芽と光の影響

光発芽種子の発芽において影響が大きい光受容体はフィトクロムで、赤色光を吸収すると遠赤色光吸収型(Pfr型)に、遠赤色光を吸収すると赤色光吸収型(Pr型)に変化する
赤色光を照射すると、フィトクロムは遠赤色光吸収型(Pfr型)になる

遠赤色光吸収型(Pfr型)は胚内のジベレリンという植物ホルモンの合成を促進する

ジベレリンにより、アブシシン酸による発芽抑制が解除され、発芽がはじまる

このように、赤色光を照射すると発芽するが、遠赤色光を照射すると発芽しなくなる
また、赤色光と遠赤色光を交互に照射すると、最後に照射した光の種類で発芽するかどうかが決まる

例:
赤色光の後に遠赤色光を照射する→発芽しなくなる
赤色光の後に遠赤色光を照射してその後に再び赤色光を照射する→発芽する

解説

(1)「重要事項のまとめ」を参照してください。

(2)「重要事項のまとめ」にあるとおり、レタスが光発芽種子です。ちなみに、キュウリも暗発芽種子です。

(3)上部に木々の葉が生い茂っていると、赤色光がその葉に吸収されてしまいます。一方、遠赤色光は葉に吸収されませんので、赤色光は届かず遠赤色光だけが届くという環境になってしまうと、発芽しても光合成ができません。そうなると、成長することができず、枯れてしまいます。

葉が上部に生い茂っていることがなければ、赤色光が届く環境で光合成をおこなうことができるようになります。このように、自分に適した環境で生育できる可能性を高めているというわけです。

解答のチェックポイント

(4)表を見ると、順序に関係なく、最後に赤色光(R)を照射したときは発芽率が高く、遠赤色光(FR)を照射したときは発芽率が低いことがわかります。そのことからわかることをまとめるとよいでしょう(「重要事項のまとめ」にある内容と重複しますが)。

解答のチェックポイント

(5)最後に何の光を照射するかで発芽がさかんになるかどうかが決まるので、累積効果(それまでの光の積み重ね)はなく、前の光の効果は打ち消されてしまいます。

また、赤色光を照射すると発芽が促進されますが、そのとき光受容体は遠赤色光吸収型(Pfr型)に変換されています。よって、発芽を引き起こしているのはPfr型です。

(6)クリプトクロム以外の選択肢にあるものはすべて植物ホルモンの一種です。

(7)「重要事項のまとめ」を参考にすると、茎(胚軸)の伸長抑制だけがクリプトクロムによるものですが、それ以外はフォトトロピンによるものとわかりますから、③と⑤と⑥がフォトトロピンによる反応とわかります。