この問題でおさえておきたいこと
酵素は触媒であること、基質特異性があること、タンパク質でできていることが3大ポイント!
解答
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問1
A …酵素基質複合体
B …基質特異性
C …最適温度
問2
pHまたは有機溶媒
🄱
問1(例)
それ自身は変化することなく化学反応の反応速度を速める物質。(29字)
問2(例)
タンパク質の構造が崩れて失活する。(17字)
問3
(ア)…ペプシン
(イ)…唾液アミラーゼ
(ウ)…トリプシン
重要事項のまとめ
・酵素の性質
酵素の性質には、次の3つのものがある。
1.触媒としてはたらく
酵素は生体内で触媒としてはたらく。
つまり、生体内の化学反応を促進させる役割を担っているが、化学反応の促進をするだけなので、反応の前後でそれ自身は変化せず、何度でも使える。
二酸化マンガンなどの無機物である触媒は無機触媒というのに対し、生体内にある酵素は生体触媒という。
2.基質特異性がある
酵素が反応する相手となる物質は決まっていて、その物質のことを基質という。
1つの酵素は特定の基質にしかはたらかず、この性質のことを基質特異性という。
酵素は基質と結合して酵素基質複合体をつくり、化学反応を促進させることで、基質を生成物に分解する。
3.酵素はタンパク質でできている
酵素はタンパク質でできているため、40℃より高温になると熱でタンパク質の構造が崩れる。
→酵素は30~40℃の範囲でよくはたらくことが多く、酵素が最もよくはたらくこの温度を最適温度という。
酵素は酸やアルカリでもタンパク質の構造が崩れることがある。
→酵素が最もよくはたらくpHの濃度を最適pHといい、どのpHのときに最もよくはたらくかというのは酵素によって異なる。
解説
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問1 「重要事項のまとめ」を参考にすると、あてはまる語句がわかりやすいかと思います。 A は生成物ができる前の段階の状態ですから酵素基質複合体が正解となるわけですが、この酵素基質複合体は、酵素の活性部位という部分が基質と結合することでつくられるのです。
問2 温度やpHなどで酵素のタンパク質の構造が崩れ、酵素としての活性が落ちることを失活といいます。
🄱
問1 「重要事項のまとめ」にある触媒の説明を30字以内でまとめたような形の解答を書けばじゅうぶんです。
解答のチェックポイント
- 化学反応を促進させるという役割としての説明があるか
- 自身は化学反応の前後では変化しないことにふれているか
問2 「最も反応が活発になる温度」とは最適温度のことですから、その温度をこえると酵素は失活します。なぜ失活するのかもふれて簡潔にまとめるとよいでしょう。
解答のチェックポイント
- 酵素としての活性が落ちることを述べているか
- 原因はタンパク質の構造が崩れることだということにふれているか
問3 ペプシンは胃液に含まれている酵素です。胃液は強い酸性ですから、その環境下でもはたらけるように、最適pHは酸性になっています。よって、そのようなグラフになっている(ア)がペプシンです。また、唾液は中性ですので、そこに含まれているアミラーゼの最適pHは中性なので、(イ)は唾液アミラーゼです。
トリプシンはすい液に含まれている酵素です。すい液は弱アルカリ性となっていて、pHは8ぐらいのため、トリプシンの最適pHも8ぐらいとなっています。よって、(ウ)がトリプシンを示していることになります。