この問題でおさえておきたいこと
細胞の研究で業績を残した人物と功績、単細胞生物と多細胞生物のちがいを理解しよう!
ミクロメーターは目盛りの計算のしかたをおさえよう!
解答
問1 ④
問2 ア…⑦ イ…②
問3 ①
重要事項のまとめ
・細胞の研究における功績
- フック…
コルク片を自作の顕微鏡で観察して細胞(死んだ細胞)を発見 - レーウェンフック…
顕微鏡ではじめて、生きた細胞を観察 - ブラウン…
細胞の核を発見 - シュライデン…
植物について「からだは細胞でできている」という細胞説を提唱 - シュワン…
動物について「からだは細胞でできている」という細胞説を提唱 - ウィルヒョウ(フィルヒョー)…
「すべての細胞は細胞から生じる」と提唱
・単細胞生物と多細胞生物
1)単細胞生物
からだが1個の細胞だけからなる生物
例:ゾウリムシ、ミドリムシ
(原核生物はすべて単細胞生物)
細胞が1つしかないので、1個の細胞にいろいろな構造が備わっている
![高校 生物 問題演習 単細胞生物であるゾウリムシの構造](zorimushi.jpg)
例:ゾウリムシの場合
- あ…
繊毛(これを動かして移動などをする) - い…
収縮胞(体内の水分を排せつするなどして水分量を調節する) - う…
小核(生殖にかかわる) - え…
大核(代謝にかかわる) - お…
食胞(えさの消化吸収をおこなう) - か…
細胞口(細胞外からえさを取り込む口)
2)細胞群体
複数の単細胞生物がゆるやかに集まって、1つの個体のように生活している集合体
例:ボルボックス(オオヒゲマワリ)
3)多細胞生物
からだが多くの細胞からなる生物
例:ヒドラ、アオミドロ、ヒトなど
同じ構造などをもった細胞が集まって組織が形成され、組織が集まってひとつのはたらきをする器官となり、多細胞生物はその器官が多く合わさることでできる。
解説
問1 ①:「重要事項のまとめ」にあるとおり、コルクから細胞を発見したのはフックです。
②:微生物を発見したのはレーウェンフックです。
③:「重要事項のまとめ」にあるとおり、「すべての細胞は細胞から生じる」と提唱したのはウィルヒョウ(フィルヒョー)です。
④:「重要事項のまとめ」にあるとおり、動物について「からだは細胞でできている」と提唱したのはシュワンなので、この文は正しいです。
問2 ミクロメーターの計算の考え方に慣れましょう。まず、対物ミクロメーターの1目盛りについての長さは、1mm(=1000μm)の100分の1なので、1000÷100 = 10μmです。この値はのちに使うので、きちんと覚えておきましょう。
問題文に、「接眼ミクロメーターの10目盛りは対物ミクロメーターの12目盛りに相当」とあります。対物ミクロメーターの1目盛りは10μmですから、その12目盛りは10×12 = 120μmです。これと同じ長さが接眼ミクロメーターでは10目盛りなんですから、接眼ミクロメーター1目盛りの長さは、120÷10 = 12μmとなります。
よって、接眼ミクロメーター6目盛りに相当する細胞の長さは、12×6 = 72μmとなります。
この計算過程を公式にしたものが、下にあるものです。
(対物ミクロメーターの目盛り数) | ×10μm |
(接眼ミクロメーターの目盛り数) |
これを使って、40倍の対物レンズと組合わせた場合を考えましょう。40倍にしたということは、対物ミクロメーターの目盛り間の幅は大きくなりますから、見える目盛りの数はその分少なくなります。
10倍から40倍へと4倍に拡大したわけですが、対物レンズの倍率をA倍に拡大すると、見える対物ミクロメーターの目盛りの数はA分の1に減ります。よって、この問題の場合では、見える目盛りの数は4分の1になるので、12÷4 = 3目盛りになります。
ということは、「接眼ミクロメーターの10目盛りは対物ミクロメーターの3目盛りと同じ」ということになるので、公式にあてはめると、このときの接眼ミクロメーターの1目盛りは、
\( \displaystyle \frac{3}{10}×10 = 3 \)μmとなります。
問3 「重要事項のまとめ」にあるとおり、ゾウリムシがそれに該当します。ちなみに、アオミドロやヒドラは多細胞生物です。そして、大腸菌は単細胞生物ではありますが、これは原核生物です。