この問題でおさえておきたいこと
好気呼吸とアルコール発酵それぞれで発生した二酸化炭素を分けて考えよう!
そのモル数を手掛かりに解いていこう!
解答
1. 27mg 2. 9.5倍
重要事項のまとめ
反応式
・好気呼吸
$\ce{C6H12O6 + 6O2 + 6H2O -> 6CO2 + 12H2O + 38ATP}$
$\ce{C6H12O6 + 6O2 + 6H2O \\ -> 6CO2 + 12H2O + 38ATP}$
・アルコール発酵
$\ce{C6H12O6 -> 2C2H5OH + 2CO2 + 2ATP}$
解説
1.
問題で与えられているのは、酸素の量と二酸化炭素の量です。上の反応式から見てわかるとおり、酸素を使うのは好気呼吸のときだけです。なので、まず、酸素の量を手掛かりに、好気呼吸で分解したグルコースの量を求めましょう。
酸素は6.72ml吸収されました。気体の1mmolは、22.4mlですから、吸収された酸素は
6.72÷22.4 = 0.3mmolといえますね。
上の反応式の係数より、1molのグルコースに対して、6molの酸素が消費されるとわかります。ということは、0.3mmolの酸素が消費されるグルコースの量は
0.3÷6 = 0.05mmolだといえます。
グルコース1mmolは
12×6+1×12+16×6 = 180mgなので、0.05mmolのグルコースは
180×0.05 = 9mg。これが、好気呼吸で分解されたグルコースです。
次に、アルコール発酵で分解されたグルコースを考えましょう。アルコール発酵では、酸素が使われないので、二酸化炭素の量がどれだけ発生したかをはっきりさせないと、グルコースの量を求めることはできません。
しかし、反応式を見てわかるとおり、二酸化炭素では、好気呼吸でもアルコール発酵でも、どちらからも発生します。なので、好気呼吸で発生した二酸化炭素、アルコール発酵で発生した二酸化炭素と、分けて考えないといけません。
好気呼吸の反応式の係数より、酸素の量と二酸化炭素の量の比は6:6 = 1:1。つまり、同じモル数・体積となります。よって、好気呼吸で発生した二酸化炭素は、吸収した酸素と同じ6.72mlです。
よって、アルコール発酵で発生した二酸化炭素は
11.2 - 6.72 = 4.48mlです。
これは、さっきの好気呼吸と同じ要領で求めたら、
4.48÷22.4 = 0.2mmol
とわかりますが、アルコール発酵でのグルコースと二酸化炭素のモル比は、反応式の係数より、1:2 ですから、分解されたグルコースは0.1mmolですね。
よって、アルコール発酵で分解されたグルコースは、
180×0.1 = 18mg。
よって、分解されたグルコースは、好気呼吸で分解された分と、アルコール発酵で分解された分とであわせて
18+9 = 27mg。
このように、好気呼吸の分と、アルコール発酵の分とで分けて考えることが、この問題のポイントです。
2.
上の反応式の係数から考えて、好気呼吸ではグルコース1molが分解されれば、38molのATPが、アルコール発酵ではグルコース1molが分解されれば、2molのATPが生成されることになります。
ということは、1.で、好気呼吸でグルコースは0.05mmol分解されたとあったのですから、ATPの量は、
0.05×38 = 1.9mmol
できたことになります。
アルコール発酵では、グルコースは0.1mmol分解されていましたから、同じように考えると、
0.1×2 = 0.2mmol
作られたことになります。
よって、1.9÷0.2 = 9.5倍ということになります。