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この問題でおさえておきたいこと

どのような農耕がなされたのか、金属器がどう使われたのかをおさえる!
集落・埋葬の面での縄文時代からの変化もチェック!

解答
問1 ④   問2 ③   問3 ④

解説

問1 Xは脱穀に用いられた農具である竪杵、Yは稲の穂首を刈る農具である石包丁の写真です。よって、Xは脱穀、Yは収穫に用いる農具ということになりますので、④が正解となります。ちなみに、竪杵は中央部のくびれたところを手に持ってそれを上下につくという方法で使われます。

問2 a:青銅器は主に祭祀用に使われていました。農具として使われていたのは鉄器のほうなので、この文は誤りです。

b:紫雲出山遺跡でみられるような高地性集落の説明になっていますので、この文は正しいです。

c:鉄器や青銅器などの金属器の使用が弥生文化の特徴のひとつです。そして、鉄器や青銅器は大陸からもたらされたものです。よって、この文も正しいです。

d:高句麗好太王が倭と戦ったときに乗馬で戦った記述がありますが、この戦いが行われたのは古墳時代のことです。また、硬質の土器である須恵器がつくられたのも古墳時代ですので、この文は誤りです。

以上より、b・cが正しい文ということになります。

問3 a:弥生時代になっても、縄文時代に行われていた狩猟や漁労・採集はつづいていました。なので、この文は誤りです。

b:青銅器は祭祀用に使われていたので、銅鐸や銅剣、銅矛などがつくられました。さらに、共通の祭器を用いる地域的なまとまりも生まれましたので、この文は正しいです。

c:弥生時代では、当初は共同墓地での屈葬や伸展葬がされていましたが、首長などについては個人墓に埋葬されるのが多く見受けられるようになりました。また、副葬品としては青銅器などがいっしょに埋葬されました。よって、この文は誤りです。

d:集落内で富を集積した支配者が政治力を発揮するようになります。なかには集落どうしの闘争を繰り返しながら、集落を越えた広い地域の「クニ」の政治的集団の長となるにまで成長する者が現れます。よって、この文は正しいです。

以上より、b・dが正しい文ということになります。

ポイントのまとめ

・弥生文化の特徴

1)稲作の開始

大陸や朝鮮半島から九州北部に伝来し、日本列島各地に広まる
自然の低湿地を利用した湿田から、水路を引いた乾いた土地につくった乾田での農耕へ移行

さまざまな道具なども利用

※稲作が開始してからも、狩猟・漁労・採集は続いていました。
また、北海道では続縄文文化、沖縄では貝塚文化という独自の文化が生まれ、農耕は行われていませんでした。

2)金属器の利用

鉄器は実用品として利用(鉄剣、刀子など)
弥生時代後半からは農具としても利用
青銅器は祭祀用に利用(銅鐸銅鏡銅剣など)

3)弥生土器の使用

高温で焼かれ赤褐色で、薄手の土器

用途に応じてさまざまな形につくられる

・縄文時代とのちがい

1)集落(ムラ)の形成

稲作による定住、豊かな土壌や水を求めて集落どうしが戦い

防御的な集落が出現

2)墓の種類や埋葬方法の変化

さまざまな墓がつくられる

埋葬方法は屈葬から伸展葬(死者の手足を伸ばした状態で埋葬)へと変化
死者が生前に縁の深かったものを副葬品としていっしょに埋葬するように

・弥生時代のほかの代表的な遺跡