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この問題でおさえておきたいこと

国内総生産、国民総生産、国民純生産、国民所得それぞれが何を表し、どうやって算出するのかを理解しよう!

解答
問1 ⑥   問2 ④   問3 ③

解説

問1 要するに、ストックとは、ある一時点で「どれだけの金額がたまっているか」を示したものと考えればわかりやすいでしょう。
そう考えると、Aは2000年度の時点において「どれだけの負債(借金)がたまっているか」、Cは2000年時点で「どれだけの金融資産がたまっているか」が示されているといえます。

それに対して、Bは電子商取引額のことを述べているわけですから、「どれだけのお金がたまったか」というよりも、「どれだけのお金が流通しているか」ということを示しているので、Bはフローについて述べているといえます。

問2 GDP = GNP -(海外からの純所得)で求まるんですから、
GNP = GDP +(海外からの純所得)= 500+20 = 520

そして、
NNP = GNP -(固定資本減耗)= 520-100 = 420
NI = NNP - {(間接税)-(補助金)}= 420-40 = 380

このような値になっているのは④です。

問3 国民総所得(GNI)から固定資本減耗をひいたものが国民純生産(NNP)ですので、③が誤りといえます。
(国民総所得と国民総生産は三面等価の原則より等価です)

ポイントのまとめ

・ストックとフロー

ストック…ある一時点(年度末など)で保有されている資産
(例:家、土地など)

フロー…ある一定期間(1年間など)で出入りした金額
(例:年収など)

国富…ある一時点で国民が保有・蓄積しているストックすべて

・経済を測る指標

国民総生産(GNP)…1年間で新しく産出された財やサービスの合計
求め方:GNP = (国民が1年間で産出した財やサービスの総額)-(中間生産物の額)
※中間生産物…原材料として使用された物のことで、これを引き算しないと、工業製品などでは原材料の分が二重、三重、…とカウントされてしまう

国内総生産(GDP)…1年間で国内で新しく産出された財やサービスの合計
求め方:GDP = GNP -(海外からの純所得)
※海外からの純所得とは、海外から入ってくる所得から、逆に海外に出て行った所得を差し引いたもの

国民純生産(NNP)…1年間の純粋な生産額
求め方:NNP = GNP -(固定資本減耗(減価償却費))
※固定資本減耗(減価償却費)とは、生産に使う機械などが時間の経過や使用により劣化・摩耗して下がった分の価値を指し、いずれ来る買い替えのためにその分の経費が価格に含まれているはずなので、その分を引いている

国民所得(NI)…最終的な国民の所得(「儲け」)となる生産額
求め方:NI = NNP -(間接税)+(補助金) = NNP - {(間接税)-(補助金)}

国民総所得(GNI)…国民総生産を所得面からとらえたもの
求め方:GNI = GDP +(海外からの純所得)

・GNPとGDPについて

昔は、一国の経済を測る指標としてGNPが使用されていたが、現在はGDPのほうを使用
←グローバル経済の発展で、国境をまたいだ経済活動が活発化したため
(GDPでは外国で働く自国民の収入はカウントされないが、自国で働く外国人の収入はカウントされるので、そちらのほうが自国の現状をより示している)

三面等価の原則

国民所得を生産面、分配面、支出面からとらえたものを、それぞれ生産国民所得分配国民所得支出国民所得といい、この3つの金額は原則、等しくなる
国民総生産(GNP)についても、国民総生産(GNP)= 国民総分配(GND)= 国民総支出(GNE)が成り立つ

※生産国民所得・分配国民所得・支出国民所得

生産国民所得…どの産業がどれだけ付加価値を生産したかの合計
求め方:生産国民所得 = 第一次産業の生産額 + 第二次産業の生産額 + 第三次産業の生産額

分配国民所得…付加価値によって生じた所得がどのように分配されたか(どこに行き渡ったか)の合計
求め方:分配国民所得 = 雇用者所得(労働者の給与として分配) + 財産所得(利子や配当として分配) + 企業所得(企業の利益として分配)

支出国民所得…所得がどのように使われたかの合計
求め方:支出国民所得 = 消費 + 投資