この問題でおさえておきたいこと
カントとヘーゲルそれぞれが理想としたものをつかみ、どうやったらそこに行きつくかの論理を理解しよう!
解答
(設問1)
A カント B ヘーゲル
(設問2)
( ① )…⑤ ( ② )…⑥ ( ③ )…③
(設問3) ②
(設問4) ②
解説
(設問1)Aについては「目的の王国」という用語があること、Bについては弁証法という用語があることが、人名を特定するヒントになります。
(設問3)カントは、認識とは経験的なものであると考えました。そして、人間の認識は外部にある対象(つまり、まわりにあるもの)を受け入れるものだという従来の常識を否定し、人間はもの自体を認識することはできず、理性によって対象は規定されていく、これが認識だと説きました。これをカントはコペルニクス的転回と呼んだのです。
(設問4)②の学問方法は帰納法なので、弁証法の説明としては誤りがあります。
ポイントのまとめ
カントの思想
理性には、理論理性(知的な認識能力、科学的知識)と実践理性の2種類があり、道徳法則は立てられる
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道徳法則とは、それ自体をすることがよいという定言命法(いつでもどこでも誰にでもという無条件の命令)の命令であり、個人の自律的な意志であるため、その定言命法に従うことは、自分の自律的な意志に従うことであり、それこそが自由なのである
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そのような自律的で自由な存在を人格といい、すべての人格は等しく尊厳をもつ
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お互いの人格を「○○のためにこの人を利用する」という手段としてとらえるのではなく、究極的な価値(=目的)として尊重する人格主義の考えが必要
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人格主義の立場から、お互いを目的として尊重しあう社会(=目的の王国)が理想的な社会であり、これを実現するために永久平和が必要である
ヘーゲルの思想
カントの精神についての考えは内面的・主観的すぎであり、精神は自己実現=自己外化するものである
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歴史というものは絶対精神(この世に存在するすべてのものに貫かれている理性的な原理)がみずからの本質である自由を実現していく過程である
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絶対精神は弁証法の形で発展していく
(弁証法とは、お互いに矛盾・対立する2つの意見について、対立は解消しながらお互いの長所を生かした、よりよい案(=アウフヘーベン、止揚)
を出すこと)
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個人の主観的な道徳と社会の客観的な法を弁証法の形で発展させたのが人倫というもので、家族と市民社会を弁証法の形で発展させたのが国家である