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この問題でおさえておきたいこと

社会権については生存権をメインにおさえよう!
朝日訴訟や堀木訴訟の内容、その裁判で出たプログラム規定説の内容は要チェック!

解答
問1 A 社会福祉   B 社会保障   C 公衆衛生   D 無償
問2 b
問3 b
問4 教育基本法

解説

(2)朝日訴訟では、「ポイントのまとめ」にもあるとおり、プログラム規定説の考えにより、原告敗訴という形となっています「憲法25条は国の目標として宣言されている」ということなので、aは「具体的権利を付与している」が、cは「国の責務として宣言しているわけではない」が、間違っているということになります。
dについては、「一義的に拘束する」という部分が間違いです。プログラム規定説は、具体的な基準は法律や大臣が決めればよいということなので、大臣の考えによって具体的な基準は変わる可能性が高く、一義的に拘束するとはいえないからです。

(3)堀木訴訟の内容は、障害福祉年金と児童扶養手当両方の受け取りの禁止についてのものですから、生活保護額についての記述であるa、cは誤りとなります。
また、堀木訴訟では原告が裁判中に死亡したということもありませんので、dも誤りです。消去法でbが正しいということになります。

(4)教育基本法は、憲法の理念をベースに教育するように規定した法律で1947年に制定されました。「教育の憲法」ともよばれる法律です。

ポイントのまとめ

社会権とは、人間が人間らしく生きるための権利のことで、主に次の3つの権利が保障されている。

生存権

人間らしい最低限度の生活を保障するよう求めることができる権利

規定している憲法の条文:
「①すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
②国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障および公衆衛生の向上および増進に努めなければならない。」(第25条

生存権をめぐる訴訟:
朝日訴訟:国が生活保護法で定めた保護基準は、憲法25条で保障する最低限度の生活を保障できていないとして訴えた。
堀木訴訟:障害福祉年金と児童扶養手当の両方の受け取りを禁止した法律は、憲法25条に違反しているとして訴えた

両方とも原告が敗訴(朝日訴訟では、途中で原告が死亡)
理由:プログラム規定説…憲法25条は、国の目標(=プログラム)を宣言しているだけであって、具体的な基準などは法律や大臣が決定されるという考え。

教育を受ける権利

社会で生きていくうえで必要な知識についての教育の機会を保障してもらう権利
→これにより、義務教育は無償となっている。

規定している憲法の条文:
「①すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
②すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」(第26条

労働基本権

生活するうえで行う仕事について、その中で、人間らしい労働環境で働く権利。