この問題でおさえておきたいこと
ブレトン=ウッズ体制の成立→崩壊→WTOの成立と地域統合という歴史を軸として、とらえていこう!
解答
1. ② 2. ② 3. ③ 4. ①
ポイントのまとめ
・為替関係
金本位制の崩壊
↓
1944年 ブレトン=ウッズ協定の締結
内容:
2つの組織の創設
①IMF(国際通貨基金)
役割:
・アメリカのドルを世界共通の通貨(基軸通貨)と考え、金1オンス=35ドルで交換するという、金・ドル本位制を確立する
・世界各国の通貨をドルを基準に固定して表示する、固定相場制の実施
例:1ドル=360円
・貿易赤字に苦しむ国に短期的にお金を貸し出す
②IBRD(国際復興開発銀行)
役割:
・戦争による荒廃や貧困などに苦しむ国に長期的にお金を貸し出す
↓
日本やヨーロッパ諸国の経済成長、ベトナム戦争の発生
→ドルの海外への流出
↓
1971年 ニクソン・ショック(ドル・ショック)=ドルと金の交換が停止
↓
スミソニアン協定締結
内容:
1ドル=308円など為替相場の変更
↓
キングストン合意
内容:
固定相場制の放棄、変動相場制への移行
↓
IMFの貸し出しの通貨がドルからSDR(特別引出権)に変わる
・貿易関係
1947年 GATT(関税および貿易に関する一般協定)締結
原則:
①自由…関税の引き下げ、非関税障壁の撤廃(=関税以外での手段で外国製品の流入を防いではいけない)
②無差別…最恵国待遇(=ある国に貿易上有利な特権を与えたら、それはGATT加盟国すべてに適用する)
③多角…貿易のルールなどの話し合いは、多国間での交渉(ラウンド交渉)で決める
↓
さまざまなラウンド交渉
期間 |
ラウンド名 |
決定事項 |
1964年~1967年 |
ケネディ・ラウンド |
鉱工業製品の関税の35%引き下げ |
1973年~1979年 |
東京ラウンド |
・工業製品の関税の33%の引き下げ |
1986年~1994年 |
ウルグアイ・ラウンド |
・農産物の例外なき関税化 |
↓
・WTO設立
※GATTとWTOのちがい
GATTは国際条約にすぎないので、ルールに違反しても制裁を与える機関がなかったのだが、WTOは国際貿易を促進する機関なので、ルールに違反する国には制裁を与えることができる。
・地域統合
EU(ヨーロッパ連合)…ヨーロッパ諸国。EC(ヨーロッパ共同体)から発展。
メルコスール南米共同市場…ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ
AFTA(ASEAN自由貿易地域)…東南アジアのASEAN加盟10カ国
NAFTA(北米自由貿易協定)…アメリカ、カナダ、メキシコ
APEC(アジア太平洋経済協力会議)…日本をふくむ環太平洋の国や地域