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この問題でおさえておきたいこと

ホッブズ、ロック、ルソーの考えの違いは、自然権、自然状態、社会契約の仕方、理想の政治体制の4点中心で整理しよう!

解答
(1) く  (2) そ  (3) い

解説

Aのウにある三権分立は、モンテスキューが唱えたものです。

Bのアにある特殊意志は、確かにルソーが自論で唱えたことにはありますが、特殊意志では国家は成立せず、国家は一般意志にもとづいて成立すると唱えたわけです。
ちなみに、特殊意志とは、自分のみの利益を求める意志のことで、この意志の総和を全体意志といいます。

Cにある政治体制ですが、エの共産制については、3人の中ではどの人もふれていません。

ポイントのまとめ

1.自然権(=どんな人間にも約束される権利)

ホッブズ ―自己保存の権利(自分が生きていくのに必要なことをする権利)
ロック ―自己保存の権利と所有権(生命・自由・財産の所有)
ルソー ―自己保存の権利と所有権

2.自然状態(=国家や政府ができる以前の状態)

ホッブズ ―「万人の万人に対する闘い」(みんなが好き勝手に無際限に権利を行使しようとする)
ロック ―平和と自然権を尊重しながら平和的に暮らすが、財産権をめぐる争いが生じる
ルソー ―完全に自由で独立した状態だが、社会が発達して私有財産が生まれると、貧富の差などが生じてくる

3.社会契約のしかた

ホッブズ ―ほかの人との闘争状態を避けるために、国家に自然権を全面譲渡
ロック ―国家権力に自然権の一部を信託して、権利を保証してもらう
(ただし、国家が国民の権利を侵害することも考えられるので、抵抗権革命権は認める)
ルソー ―自然権を一般意志(公共の利益をめざす社会全体の意志)に譲渡し、それに基づいて国家をつくる

4.理想の政治体制

ホッブズ ―絶対君主制
ロック ―間接民主制
(国会が立法権を握って、そのもとに国王が行政権や外交権を行使する二権分立論を唱えたこともおさえましょう)
ルソー ―直接民主制
(ルソーは、間接民主制を「選挙のときにのみ自由で、選挙が終われば奴隷」と批判していました。)

5.主な著書

ホッブズ ―『リヴァイアサン』
ロック ―『市民政府二論』
ルソー ―『社会契約論』『エミール』