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この問題のポイント

物質量1molでは
原子の個数…6.0×1023
質量…原子量・分子量・式量にgをつけるだけ
気体の体積…22.4L

問1

(1) 1molの質量は何gかは、物質によってちがいます。1molあたりの質量(つまり、1molあたり何gかということ)をモル質量といいますが、これは原子量・分子量・式量にgをつけるだけで簡単に求まります。

たとえば、この問題で出題されている硫酸は$\ce{H2SO4}$ですから、$\ce{H}$(水素原子)が2個、$\ce{S}$(硫黄原子)が1個、$\ce{O}$(酸素原子)が4個で構成されているので、分子量は
1.0×2+32.1+16.0×4 = 98.1

よって、硫酸のモル質量は98.1gです(=1molの質量は98.1g)。molが2倍になれば質量も2倍、molが3倍になれば質量も3倍、というようにmolと質量は比例しますから、294gのとき$x$molだとすると、

\( 1:98.1 = x:294 \)
\( 98.1x = 294 \)
$x$ = 294÷98.1 = 2.996…

有効数字2桁での解答でいいので、四捨五入して3.0molとなります。

(2) 1molあたりの原子(または分子)の個数はどの物質でも\( 6.0×10^{23} \)個です。この数をアボガドロ定数といい、この数の原子や分子の個数があると、その質量がちょうどその原子や分子の質量数と一致するんです。

(1)でのmolと質量の関係と同じで、molと原子の個数も比例しますから、分子の数が\( 4.82×10^{24} \)個のとき$y$molだとすると、

\( 1:6.0×10^{23} = y:4.82×10^{24} \)
\( 6.0×10^{23}×y = 4.82×10^{24} \)
\( \displaystyle y = \frac{4.82×10^{24}}{6.0×10^{23}} = \frac{48.2}{6} \) = 8.033… ≒ 8.0mol

問2

分子の個数を求めるために、実際に何molあるのかを調べます。問題文に与えられているのは、密度と体積しかわかりませんが、密度とは体積1立方センチメートルあたりの質量のことですから、これを利用すると、実際に何gの水(氷)があるのかを計算することができます。

密度が0.92g/cm3で体積が1.0cm3なので、質量は
0.92×1.0 = 0.92g
そして、水素原子2個と酸素原子1個($\ce{H2O}$)で構成されている水の分子量は、
1.00×2+16.0 = 18(=1molの質量は18g)

よって、0.92gの水(氷)を$x$molとおくと、
\( 1:18 = x:0.92 \)
\( 18x = 0.92 \)
\( \displaystyle x = \frac{0.92}{18} = \frac{92}{1800} \)mol

どんな物質でも1molあたり\( 6.0×10^{23} \)個の原子・分子があるんですから、実際にある分子の個数は
\( \displaystyle 6.0×10^{23}×\frac{92}{1800} \)
\( \displaystyle = 10^{23}×\frac{92}{300} \)
\( = 0.306…×10^{23} \)
\( = 3.06…×10^{22} \)
\( ≒ 3.1×10^{22} \)個

問3

化学式が与えられていない物質になるので、問1や問2みたいに原子量をたして計算することができません。そうなると、1molあたりの質量がいくらかを求めるとよさそうですが、手がかりとなりそうなのが体積しかありません。しかし、この問題は気体についての問題ですね?

1molあたりの体積は、標準状態での気体に限っていえばどの物質でも22.4Lです。実際にある体積は1.00Lで、そのときの質量は1.43gだということが問題文からわかります。ということは、22.4Lのときの質量を$x$gとすると、

\( 1.00:1.43 = 22.4:x \)
$x$ = 1.43×22.4 = 32.032 ≒ 32

これが22.4L、つまり1molでの質量になるので、これがその気体の分子量ということになります。

答え.
問1
(1) 3.0mol
(2) 8.0mol
問2
\( 3.1×10^{22} \)個
問3
32